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大学生の僕が南スーダン難民たちと一緒に「仕事」をして感じること

2017年08月13日 00時57分 JST

今年2月、ウガンダ北部の南スーダン難民居住区。現地のニーズや課題、支援動向などを把握するための調査活動に訪れていた僕は、そこで一人の女性と出会った。

グレイスさん(仮名)は、昨年7月に南スーダンで紛争が再燃した後、他の多くの難民たちとともにウガンダへと避難してきた。「夫と一緒に逃げてきましたが、途中で政府軍に見つかってしまい、そのまま夫は誘拐されました。今は彼が生きているかどうかさえも分かりません」。壮絶な体験談を語る、彼女の悲しそうな目が印象的だった。

(関連記事:『政府軍が夫を誘拐「今は生きているかも分からない」南スーダン紛争のリアル』

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グレイスさん(photo by Kanta Hara)

難民居住区での厳しい生活環境に置かれていた彼女には、当時安定した仕事が無かった。まだ幼い子どもを養うために、日中は焚き木を集めて売ったり、草むしりをしたりして小銭を稼いでいたが、1カ月あたりの収入は日本円にしてわずか300円。

そんな彼女は、南スーダンで生活していた頃は大学に通い、会計の学位も取得していたという。そのため、僕との会話はすべて流暢な英語を使っていた。「アフリカの難民」と聞くと、多くの人は「悲壮感漂う困っている人たち」というイメージを持ってしまうかもしれない。しかし、南スーダン、日本という国の違いはあるにせよ、そこでは僕と同じような人たちが紛争で故郷を追われ、慣れない異国の地での生活を強いられている。

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居住区内にて、裸足で、裸でサッカーをする難民の子どもたち(photo by Kanta Hara

「今はまず仕事が欲しい」。大学を卒業したくらいの彼女だからこそ、「働きたいけど仕事が無い」ことに対するフラストレーションが溜まっている様子を、彼女との会話から僕は感じた。

今月9日。約5カ月ぶりに難民居住区を訪れた僕は、偶然にも彼女との再会を果たすことができた。今年4月に出版した書籍『世界を無視しない大人になるために』の表紙では、彼女と一緒に映っている写真を使わせてもらっていた。再会できた喜びは、とても大きかった。

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photo by Kanta Hara

彼女は現在、英語を流暢に扱えることもあって、援助機関のボランティアや日雇いスタッフとして難民居住区内で働いているようだ。先日、居住区内での活動を行う際に、彼女に同伴をしてもらった。

南スーダン難民の方たちと一緒に働いていると、彼らの勤勉さ、そして「少しでも状況をよくしたい」「脆弱な状況に立たされている他の難民たちを助けたい」という強い想いを感じる。正直に、「なぜこれだけ大変な環境に置かれているのに、強く前を向いて生きられるのだろう」と、時には彼らへの敬意さえ感じてしまうことがある。

もし僕が、いや日本の人たちが同じように紛争で家を追われ、同じように難民としての生活を送ることになったら...。少なくとも、普段日本の大学という恵まれた環境に身を置いている僕は、彼らのように強くは生きられないかもしれない。

「難民"と"働く」経験をしている大学生は、日本を探してもほとんどいないだろう。「良い経験だった」だけで終わらせずに、少しでも彼らの力となれるように精一杯活動へと取り組みたい。そして、異国での厳しい生活環境に置かれているにもかかわらず、毎日を力強く生きている難民の姿を、日本の皆さまへ伝え続けたい。

(2017年8月12日 原貫太公式ブログ「世界まるごと解体新書」より転載)

記事執筆者:原貫太

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