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045 | ただの移動手段にあらず。脳とからだと自転車の事情。

2014年07月01日 23時32分 JST | 更新 2014年08月29日 18時12分 JST

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都内で不動産業を営む傍ら、飲食・物販を展開するグループ会社のコンサルティングに就く松尾尚司さん。日頃の移動はオン・オフともに自転車が圧倒的に多いとか。その理由を聞いてみた。「ぼく自身、からだにいいことと意識して自転車に乗っているわけではないんです。ただ、経済的な面とスピードの面で自分の体感覚的に一番フィットしている移動手段が自転車。車や電車と違ってサクッと裏道にも入ることができるし、自分のコンディション次第で速度をコントロールできるでしょ。それが一番楽で、ストレスがないんですよ。(笑)」と言いつつも、愛車はスウェーデンの軍用自転車を自分仕様にカスタマイズしたこだわりの一品。

松尾さんにとって自転車とは、と聞くと「自転車は人間の体に一番近い乗り物。自転車のフレームは人間の骨格と同じだから、乗っている自転車が違うと、脳みそや筋肉の使い方が自然と変わる」と言う。主に仕事で回る機会の多い東東京で乗っているのは、アップダウンがほとんどない道を速く移動できるスピード重視のタイプ。目線のポイントが高いため、歩いているときには気づきにくい街の変化や面白い物件にも意識を向けて見渡すことができる。一方プライベートで使う自転車は高低差の激しい道や、子供や荷物を載せたりすることを想定して、より実用車に近い使いもの。自転車が違うと乗る時のマインドが変わるというのは面白い発想だ。そのような思考に至った理由は松尾さんの背景にあるよう。

前衛ダンスカンパニー・山海塾に所属した後、東洋武術と出会い、その職人的な技芸を間近に見るにつれ、その世界に興奮し傾倒していく。体を動かすことで、体を内側から変え、考え方・発想をかえるという感覚を味わったという。日頃から体と意識の関係について考えている松尾さんに、普段しているからだにいいことを伺うと「朝起きてすぐ動かないこと。浮き足立たないようにすること。」と、ごくシンプル。東洋武術では、グラウディング=地面をつかむ訓練を徹底的に行い、精神的平素を保つ方法を教えられるという。突発的に嫌なことや不安なことに直面しても、すぐに反応するのではなく、一度グランディングさせると冷静なマインドを取り戻せるとか。自転車というもう一つの体を手に入れて、浮き足立たない意識を保つことが、脳とからだにストレスなく過ごせる秘訣なのかもしれない。

写真/石渡朋 文/浦本真梨子

松尾尚司

●まつお・しょうじ

コンテンポラリーダンスカンパニー「山海塾」で欧州を中心にダンサーを務める。帰国後、店舗の立ち上げを中心に不動産関連の業務に携わり、現在は吉祥寺を中心に物販・飲食店を展開するグループのマネージメントを行っている。第六感に従う自由業。

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(「からだにいい100のこと。」より転載)

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