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<kashiko連載>自閉症の息子と生きる (3)自閉症児、保育園へ通う。

2014年10月22日 23時12分 JST | 更新 2014年12月21日 19時12分 JST

2014-06-18-logo_mini.png 保育園からの緊急電話、救急車で病院に運ばれる息子

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自閉症の子どものうち、2割前後が「てんかん」を伴うとされています。息子は1歳ごろから年に1度けいれんを起こしていたのですが、4歳ごろから月に1度くらいの頻度でけいれんを起こすようになりました。

脳波に異常が見つかり、薬による治療をしていましたが、なかなか薬が合わず、大きな発作を起こしては入退院を繰り返しました。ちょうど東日本大震災のときで、計画停電や余震で息子の生活リズムが変わらないように心を砕いていたことを今でも鮮明に覚えています。

保育園で発作を起こすこともありました。職場に連絡があったときにはすでに救急車で病院に向かっていることもありました。仕事をしながら、息子のてんかんと向き合う日々が続き、「自閉症でもなんでもいい、元気でさえいてくれたら・・・。」という思いで、集中治療室に面会に通う毎日でした。

保育園には発作の初期兆候を伝えてあったので、発作があるたび迅速に対応していただき、信頼して子どもを預けることができました。このことは本当に助かりました。障がいや持病のある未就学児が安心して保育園や幼稚園に通うためには、園側と子どもの家族の間で障がいや持病の共通理解を深めながら連携することがとても大切となってきます。

そんなに心配なら24時間そばにいればいい、そう思われるかもしれませんが、社会に出て集団生活をさせることに大きな意味があるのです。ハンディキャップのある子どもにも可能な限り、成長を伸ばしてあげられるような機会を与えてあげることがノーマライゼーションにもつながっていくのです。

2014-06-18-logo_mini.png 絶対通わせたい、と思える保育園との出会い

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息子を産んで自閉症とわかるまでは、私も他の親と同じように、幼稚園ならここに行かせたい、高校は、大学は・・・など、様々な息子の将来を思い描いていました。診断されてからは、息子の特性に合った場所、というのが第一条件になりました。

自閉症について知識が少ない状況では、幼稚園選びもスムーズにいかないことが多く、とにかく通えそうな幼稚園に可能な限り電話をしてみました。だいたい、息子のことを話すと2年保育をアドバイスされました。やんわりと遠回しに断られることが続き、私も社会に拒絶されている感じが否めませんでした。

じっくり選びたいのに、受付のリミットが気になり始めたころ、療育のグループで一緒だったママの情報で、統合保育をしている保育園(障害のある子どももない子どもも一緒に通える園)の存在を知ります。藁をもすがる思いで見学に行ってみると、園児がのびのびと楽しそうに遊んでいて、障害があるなしにかかわらず、みんなで一緒に自然に過ごしている姿がとても印象に残りました。

息子にぴったりな雰囲気!絶対に通わせてあげたい!

と初めて強く直感した園との出会いでした。

ご存知のように、保育園入園の最大の関門は「枠数」です。その時期、私の住んでいる自治体は、全国8位の待機児童数と新聞に載るほどでした。障がい児枠などありません。焦りました。まずは保育園入園の条件をそろえるために、急遽、出産前に働いていた職場に復職することになりました。

2014-06-18-logo_mini.png 健常児と一緒に育つ環境を選ぶか、障がい児だけの環境を選ぶか?

私の場合は、療育の小グループに半年ほど参加しているときに、子どもの特性を見て3年保育の方が成長できる可能性を感じました。2年保育か3年保育かで迷った場合は、療育のカウンセラーや発達を診てくれている主治医に相談することをおすすめします。

園の特色をホームページでチェックすることはもちろん、実際に見学に行って日中の園の活動や園の雰囲気を感じ取ることも大切です。統合保育をしている園もあります。私も息子を連れて、幼稚園見学に通いました。息子の特性を知ってもらえ、先生方に障がい児保育の方針や付き添いの先生(加配)について相談することができます。また、子どもの様子を見ながら保護者が付き添える園もあります。幼稚園でのお試し保育をしてみるのも良いでしょう。

また、幼稚園や保育園の他に、知的障がい児の通園施設があります。そこでは療育や遊びを通した生活をしていきます。こちらも見学に行くことをおすすめします。園の中は、自閉症の子どもにわかりやすいように、絵や図による表示が工夫されていました。

いろいろな園を見学していく中で印象に残ったのは、

健常児と一緒に育つ環境を選ぶか、障がいのあるお子さんとだけの環境を選ぶか。どちらを選んでも、良い面、悪い面と両方があります。そのことを理解して、選んでみてください。

という言葉でした。

2014-06-18-logo_mini.png 発表会でステージに立てた息子

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息子は話すことができないので、体調などを保育士さんに伝えることもできません。そこで、ノートを準備して、体温、睡眠時間、体調や家での様子などを細かく記し、毎日保育士さんに渡していました。この連絡帳のやりとりは保育園を卒園するまで毎日続きました。

そのうち、信頼できる保育士さんのもと、座っていなければならないときには座ることができるようになり、その時間も少しずつ長くなっていきました。友達とのコミュニケーションがうまくできないところは、保育士さんと一緒に「貸して。」「ちょうだい。」のサインで相手に表現して伝える練習を繰り返しました。問題行動も一時的に続くことはありますが、長い目でみるとその時期限定のことも多いので、根気強く本人に駄目なことは駄目と伝えていきました。極度の偏食だった息子も、友達と楽しい雰囲気で食事をすることで食べるという意識を持てるようになり、給食をよく食べるようになりました。少しずつ、集団でのルールを理解できるようになってきたのです。

保育園での生活は、息子の発達面での成長を促してくれました。・・・ (保育園生活について、続きはこちら:kashiko

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