BLOG

進め、PTA改革!ワーキングマザーも参加できるPTA活動へ

2014年10月03日 19時12分 JST | 更新 2014年12月01日 19時12分 JST

2014-06-18-logo_mini.png 今年の沈黙は何分...?毎年ビクビクの役員決め。

2014-10-02-0904_ec.jpg

保育園、幼稚園でも父母会などがあるけれど、特に大変なのが小学校のPTA。小学校に上がると働く母親ばかりの保育園と違い、専業主婦のママとも関わる場面が増えます。同じように育児をしながらも、生活リズムも話題も違う遠い存在に感じる人も。

色々な家庭があるなかでのPTA活動はそれぞれの利害があり、生活パターンも違うのでお互いが妥協しなくては運営しきれないでしょう。都市部ではフルタイムの母親がPTAを取り仕切り、負担が一家庭に集中するケースも見られます。

実際、小学校のPTA活動の多くは専業主婦向けのタイムスケジュールで行われる慣習があると言っても過言ではありません。活動は基本的に平日の昼間。役員になったらその年は何度も会議があり、仕事のある母親はPTA活動のために有給をとることもしばしば。そうなると仕事に影響があり、積極的に参加できない状況です。

一方で、専業主婦にとっても、働く母親が増える中でPTA役員をやる回数が増えれば不平等感を持つのも仕方ないことかもしれません。育児や介護のために忙しい人や、家庭の事情で専業主婦をする人もいます。一方的に専業主婦=暇といわれ、負担がかたよることも快く思わないでしょう。

結局、PTA役員や委員決めは円満解決がほとんどなく、だれもが一度は保護者会での重苦しい沈黙を経験したことがあるでしょう。「働いているから」といって役職免除もない時代で役員決めには毎年びくびくするという声も。

2014-06-18-logo_mini.png 時代に合わなくなったPTA

2014-10-02-0904_01.jpg

そんな中、働く女性の想いを表した小説が話題を呼んでドラマ化もされました。加納朋子さんの「七人の敵がいる」という小説です。一部を引用して紹介します。

小学校入学最初の保護者会の一コマをリアルにかつワーキングマザーと専業主婦の対立という構図でえがいた小説の冒頭部分。

「そもそもPTA役員なんて、専業主婦の方じゃなければ無理じゃありませんか?」
思えばそれが、その場にいた保護者の多くを敵に回した瞬間だった。

この発言をしたのはバリバリキャリアウーマンで子供も育てている山田陽子さん。さらに働く女性らしい正論を続けます。

(PTAが)「成り立つ必要があるんですか?」ごく冷やかに陽子は言った。「見たところ、いらない仕事も随分あるみたいですけど?整美委員の花壇の世話なんて、なんで保護者がこんなことする必要があるんです?(略)...子供のためなら必要ないとは言いませんけど、余計な委員や行事を削って、その分の予算で専門業者に頼めばいいだけの話じゃないですか」

(中略)

あの、あのと、またつぶやいてから先生は続けた。

「保護者の皆さんがお忙しいことは重々承知しております。けれどどうかご協力をお願いしたいんです。お子さん方が安全で楽しい学校生活を送るためにも、PTAはなくてはならない存在なんです。...」

(「七人の敵がいる」/加納朋子・集英社文庫)

働く母親のストレートな発言にはもっともな部分もあるでしょう。この発言を見ても、働く母親が増える中で平等な活動を求めた時に、今のPTAが時代に合わなくなっていることは明らかです。

実際の保護者会では、こうしたやり取りが起こることはまれ。仕事を持つ母親も言われるままにPTAに加入し、「子どものため」という人質を取られて参加するのが現実です。働く親も子供への想いは同じですが、時間的空間的に参加しづらい上に、組織的な無駄があると感じれば、協力的になるのはなおさら難しくなります。

結局、専業・兼業問わず文句の出るPTAはその在り方自体が変わらなくてはいけない時に来ています。各学校ではそれぞれに知恵を出して改革を行っていて、その動きが徐々に形になっている心強い現状がみられます。

2014-06-18-logo_mini.png 広まるPTA改革!自由加入なボランティア団体へ

通常、団体に入る際には加入の是非が問われますが、多くの親はPTAに入って当然とすりこまれます。しかし本来は任意団体、つまりボランティアなのです。ボランティアなのに強制される仕組みは歪んでいると言えるでしょう。

実質強制加入させられた会員に役員になることを強要するノルマ制や、ポイント制を取り入れる学校が増え、働く母親には大きな負担に。実際の活動自体にも不要なものがあっても慣例だからと続けられる体質はそれだけで非効率的。時間を惜しんで子供のために参加しても、内容が伴わなければやる気もそがれます。

やらなきゃいけない面倒なノルマ=PTA、ではなく、子どものためになる意義深い活動で、できる範囲での自発的な参加が理想的ですね。そうした本来のPTAに向かって改革をしている例がメディアでも取り上げられています。

岡山県立西小学校では、PTA改革によって入退会自由なボランティア制を実現しました。10名程度の運営委員がとりまとめ、会員は自由加入で退会も認められています。入会していない世帯の子にも差別がなく、行事には入会していない保護者も参加できます。その代り、パトロールなど子どもを守る活動は別団体で全保護者が加わることになります。

運営後も90%以上の保護者がボランティアに参加し、危惧された担い手の減少もありません。同様に北海道の札幌苗小学校もボランティア制を導入し、PTA改革と注目されました。

自由加入のボランティアとなれば、それぞれのタスクに呼びかけて集まった人がその仕事をすることになりPTA自体の重圧が違ってくるでしょう。仲の良い人同士で立候補することもできますし、得意なことを選べるのでやらされている感はぐっと減ります。

2014-06-18-logo_mini.png ワーキングマザーがもっと参加しやすいPTAに!

2014-10-02-070703.jpg

子どもを取り巻く世界は、同じ顔ぶれで、小学校・中学校と長いお付き合いになるもの。ボスママによる支配や、ママ界のヒエラルキーなど、時間があっても関わりたくないと敬遠する気持ちもわかります。女性で起こりがちなグループや派閥の問題、陰口や押しつけなどがあるのも事実。

一部の女性だけの閉じた世界にしないように、男女の比率を決めて組織として偏らないようにしている地域もあります。例えば手芸クラブやママさんバレーだけでなく、「おやじの会」といった父親が積極的に参加したくなるような活動もその一つ。自由参加で、もし加入者が減っても、父親の参加があれば人手不足にはならないはずです。

運営に携わる時間はなくても、「自分にできることがあれば、子どものためにやってみようかな」というゆるいモチベーションがボランティアとしてのPTAには重要ですね。参加日や期間、内容を理解して自分で選べる体制になればPTAアレルギーが減るかもしれません。

もしくは、「七人の敵がいる」作者の加納さんがいうように、PTAの会社化という説もあり得ます。ボランティアの「ゆるさ」と、会社組織のような徹底した「効率化」や労働への「報酬」。相反するどっちを選んでも、働く母親にとってPTAの居心地は今より良くなることは間違いありません。

2014-06-18-logo_mini.png 「かしこい」女性に「かしこく」生きるヒントを提供する情報サイト『kashiko(かしこ)』

http://www.bs-kashiko.com/