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リケジョ人生は華やか?日本の女性研究職の実態

2014年04月26日 19時33分 JST | 更新 2014年04月26日 19時33分 JST
 

■リケジョブームの裏側

リケジョとは、理系の学問を修めている女性のことです。国も文部科学省内に「女子中高生の理系進路選択支援事業」を設置しているように、女性の理系への進出を支援しています。

そうした動きを受けて、民間でも講談社の提案するRikejoというサイトが理系を志す女性全般の活動を支援しています。メディアに掲載されることで、真面目に研究をするだけじゃなく女としても輝いているイメージがピックアップされてきました。

STAP細胞発見で騒動のあった理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーもその一人でしょう。

当時、割烹着を着たかわいらしい女性研究者が大発見をしたということで、違った目線からの報道も加熱しました。このように、研究成果や内容よりも研究者が女性であることにフォーカスされるのが実態です。ではなぜ、研究職の女性に華やかなイメージが必要なのでしょう?

もちろん純粋に理系の学問や職種を志す女性もいます。しかし、興味があっても男性ばかりで堅い雰囲気の理系の学問から離れしてしまう女子学生もいるかもしれません。女性の理系進出を促すには、中高生のうちから理系進路にポジティブになってもらうことも必要です。女子だからといって安易に文系を選ばせないようにするイメージ作りも大切なのです。

■国内研究職の男女差と結婚

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現在国内で成功している研究職の女性は一握りのエリートといえるでしょう。そんな彼女たちも研究以外に人脈作りや、学会での派閥などに労力を割いている状況です。

アカデミックな場での活躍を考えたときに、非常勤講師、専任講師は数が少なくその職を得るにも長い年月がかかります。充分な収入を得るのに時間がかかることも大学で研究職を続けるモチベーションに影響しています。それ以外の就職先に研究機関や民間の研究施設がありますが、ポスドク問題で職に付けない人も増えています。

研究を続けるには、こうした厳しい環境で勝ち残らなければならず、実績だけでなくコネなども必要な世界です。この少ないポジションの多くが男性に占められていることが女性研究職の進出を圧迫しています。

また、結婚に関しても男女で差が出てきます。長年キャリアを続けて大学講師になった場合、男性は10歳以上年下の学生と結婚するケースが見られ先延ばしになっても問題ないようです。一方、キャリアを続けて年齢を重ねた女性にとっては、同じレヴェルで話のでき満足のいく結婚相手を探すのに苦労することが多いようです。

■求められる周囲の理解とサポート体制

女性研究者は将来の出産・育児のブランクがネックになって重要なポストに付けさせてもらえないなど、男性上司からの評価も厳しくなるようです。しかし、育児に対するサポートがあれば、男女の差なく働ける環境になるでしょう。

研究チームに技術サポートの人員を増やしたり、朝方出勤や在宅ワークを活用したりと多用なスタイルの導入が求められます。大学内に託児所を置くなどの取り組みも国内で始まっていますが、まだ発展途上です。

子どもを持ちながら研究職を続けられている女性は、両親やパートナーの理解やサポートに恵まれているケースがほとんどです。研究に理解のある同業の夫を持つケースが多いのも、こうした点に関係しているでしょう。

リケジョのイメージ戦略とは別に、将来的に研究職につく女性が安心して仕事をし続けられる環境作りも大切です。長期的な研究にも、責任者として続けられるようなサポート体制と周囲の理解が期待されます。

アメリカのシリコンバレーへ留学した女性研究者の話では、アメリカ文化の他人への寛容さが、男女の別がない働き方に大きく影響しているといっています。「男性も女性も仕事と私生活の両方を充実させていい」という、それぞれの生き方を尊重する考え方を広げることも大きな社会サポートになるでしょう。

■元祖リケジョ?キュリー夫人

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女性研究職の先人、キュリー夫人の人生を紹介します。彼女は戦争の時代に翻弄されながらも、社会のために科学者としての自分を貫いた女性です。

彼女のパートナーは同じくノーベル賞を取った天才科学者でした。不幸にもシングルマザーとなりましたが、子どももノーベル賞を受賞するという偉業を成し遂げ、母親としても完璧といえるでしょう。義理の父親が、実験の間、幼い子ども二人を温かく見守っていたことも、彼女の成功を支えました。

周囲のサポートもあり、彼女はどんなときも科学者として文字通り身体を張って実験を続けました。そして、科学的に重要な発見をし、事実によって社会に認められました。しかしキュリー夫人という呼び名からもわかるように、マリー・キュリーという名前はあまり知られていません。

日本でもリケジョのイメージ作りだけでなく、意識改革や環境改善を行うことが本当の課題といえます。そして、リケジョの人生が、仕事だけでなく豊かな人間関係に彩られることもマリー・キュリーの生き方から学べる大切なポイントです。

実験室における偉大な科学者の生活というものは、 物に対する、周囲に対する執拗な闘争であります。・・・個人の改革無くして、社会の改善はありません (マリー・キュリー)

(2014年4月25日「kashiko」より転載)

反論会見をする小保方晴子さん