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常に「アウェイ」な環境に身を置くことの大切さ、「強み」に閉じ込められる怖さ

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テック系とはまったく関係ないですが、いつも感じていた事が言葉として腹に落ちたのでブログに書いときます。少し妙に感じるかもしれませんが、「アウェイ」の環境に置かれた時が会社も人も一番成長するような気がしましたここでの「アウェイ」とは、知らないことだらけの不慣れで不利で「場違いな」環境のことを指してます。通常、経営は自分や自社が得意な領域を見定めて、その資源を有効活用しながら横展開をしていくのが最も効率的であり会社を成長させるコツみたいな事がよく言われています。これは短期的にはそのとおりだとは思います。

しかし、自社の得意な領域(得意だと思っている領域)だけでビジネスをやっていると、頭を使わなくても楽に利益が出せます。そこで働く人も新しい知識や能力を身につけなくても蓄積してきた資産の上に乗っているだけでうまく仕事を回せ(ているような気になり)ます。ただ1〜2年の短期的なスパンではなく、3年以上の中期的なスパンで考えると、自分達の得意な「ホーム」に居続けることはかなりの機会損失な気がしてならないです。

自身が経営している会社で言えば、経営スタイルや考え方を真逆にしてみたり、まったくシナジーが無い領域でも必要であれば進出したりしたことが何度かあります(今もですが)。3年〜5年前を振り返ってみると、当時自分が「強み」だと思っていたことは視野が狭いゆえの思い込みに過ぎない事が本当に多かったです。でもそれは「アウェイ」の環境に飛び出してみて初めて気がついた事ばかりでした。それらを「強み」としたままで来てしまったら、新しい可能性を探して色々な事にチャレンジをせずにその場に留まってしまっただろうと恐怖を感じました。小さな池の中をうまく泳げる事の優越感には浸れましたが、新しい能力や知見を身につけることは少なかったと思います。逆に言えば、3年後の自分は今の自分に対してもまったく同じことを感じるだろうと思います。総じて振り返ってみれば、超「アウェイ」な空間で自分の「強み」がまったく使えない環境こそが、最も多くの事を習得できる環境でした。

この問題は、なぜ人は年齢を重ねるごとに成長速度が落ちていくのかにも関係しているような気がします。人は知らない事よりも知っている事のほうが多いと誤解し始めると、新しい事を吸収しなくなっていく傾向があるなーと感じます。幼児にとっては世界は未知だらけで、それが故に、ものすごい速度で情報を吸収します。成人になると、自分の強み(と認識していること)や個性(と思い込んでいること)に合わせて、自分に合った居場所を見つけてそこで過ごすようになり、数年も経てばその世界にどんな人がいて、どんな仕組みで成り立っているかも分かってしまいます。ここでは新しいことを学ぶ必要性は無いでしょうね。

つまり人間の「成長が止まる時」というのは、これから得られる新しい知見が、これまで蓄積してきた知見よりも「少ない」と勘違いしてしまった時なのではないかと。「経営というのはこういうもの」で、「ビジネスというのはこういうもの」で、「人生というのはこういうもの」、みたいな数々の認識(思い込み)が出来上がってしまい、その自分の思い込みの中から出られなくなり、新しい可能性を追わなくなる状態が「成長が止まる」時なんだろうなと感じました。実際はそれらが「無限」通りの可能性の豆粒のような1例でしかなくても、こびりついた認識を新たに書き換えるにはまた別の経験が必要になるでしょう。

異常な速度でステージを駆け上がっていく人達を見ていてもこれは当てはまる気がします。ちょうどソフトバンクがスプリントを買収した後に、T-mobileも買収しようとUSでプレゼンしているニュースが出ていました。よく考えてみたらソフトバンクって2006年まで携帯キャリアですら無かったんですよね(笑)。そこから7年で絶対に無理だと思われていた元国営のドコモの営業利益が射程圏に見えてくると、今度は米国キャリアを買収してさっさと別の「勝負場」に向かってしまいました。周囲の認識の斜め上を行き、もう日本の通信キャリアとかまるで眼中にないような動き方です。意識的かどうかは謎ですが、あえて「アウェイ」な状況に飛び込むことで個人も会社も強制的にストレッチして成長してきたんだろうな、とこれまでのソフトバンクと孫さんの急成長が妙に納得できた一件でした

何も考えずに動いていると自分の勝手知ったる市場や環境の中だけで動いてしまいがちですが、これに閉じ込められた時の恐怖を想像すると(実際は恐怖すら感じられなくなってしまうことへの恐怖だけど)、「アウェイ」の不安感がだいぶ和らぐような気がします。まだまだ「アウェイ」な環境にいたいと思いましたね。

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