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老若男女や障害者、運動嫌いも・・・誰もが一緒に楽しめる「超人スポーツ」をつくる

2015年04月28日 15時11分 JST | 更新 2015年06月27日 18時12分 JST

年齢も性別も障害の有無も問わず、運動嫌いも、誰もが一緒に楽しめるスポーツ――。2020年東京五輪へ向け、そんなスポーツをつくるために産学官からなる「超人スポーツ協会」が6月に設立する。

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「より多くの人が『自分もちょっとやってみようかな』と思えるような超人スポーツをつくっていきたい。スポーツの裾野の広げる役割になれば」と、共同代表理事を務める慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の稲見昌彦氏(右端)。設立に先駆け27日に開かれた説明会にて。

「超人スポーツ」とは? どのようなスポーツをつくっていくか

そもそも「超人スポーツ」とは何だろうか? 明確な定義はないが、共同代表理事の慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏によると、「身体と機械を融合させることで、誰もが楽しめるスポーツ」だ。ロボティクス技術を使い身体機能を拡張したり、バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)を使ったりするスポーツもあるだろう。

ARを使った「スポーツ」は、すでにいくつか提案されている。たとえば、同協会と連携してプロジェクトを進める株式会社meleapの「HADO」は、ウェアラブルデバイスとARを活用して、あたかも自分から「波動」を出して目の前にある物体を破壊することで相手チームと対戦をするゲームだ。実際に体を動かしながらプレイをする。

同協会では、大学や研究機関が企業、行政と連携しながら、テクノロジーを活用して新しいスポーツを開発し、実施、普及していく計画だ。スポーツをする側だけではなく、鑑賞したり応援したりする側も臨場感や没入感をもって楽しめるようにする。

また、人と機械、テクノロジーを一体とするアプローチやあり方から、私たちの日常生活への還元も期待している。「超人スポーツは、人と機械を結びつけるシステムやあり方をブラッシュアップしていく。それが日常生活、この超高齢化社会の中にかえってきて、どのように使っていくかという循環をつくっていきたい」(稲見氏)

テクノロジーやデザインが新しいスポーツをつくりだす

これまでもテクノロジーやデザインはスポーツを進化させてきた。

たとえばパラリンピック。義足のアスリートたちは、義足と身体をうまく連携していくことで、記録を伸ばしてきた。

パラリンピック日本代表の高桑早生さんの義足を一緒に研究してきたデザインエンジニアで東京大学教授の山中俊治氏は「人とものの関係を考えてデザインをしてきた。スポーツ用の義足は人とものが本当に一体になっている。それをもっと美しくしたいと思ってやってきた」と述べたうえで、「『美しさ』は人がスポーツを受け入れる重要なファクターになる」として超人スポーツを進めていくにあたり「美しさ」が必要と強調した。

海外でもテクノロジーを活用したスポーツが注目を集める。2016年にはロボット技術や脳と機械を接続するブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)などの高度な装具をつけた障害者の選手らが競うオリンピック「サイバスロン」がスイスにて開催予定だ。同協会でも連携していくという。

運動嫌いもスポーツをつくってみる、やってみる

でもスポーツは、そもそも運動やスポーツ観戦が好きな人のためのものでは? 超人スポーツは、そうではないという。

内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室室長代理(内閣審議官)の芦立訓氏は「スポーツ行政で大きな課題は、スポーツ嫌いにどう体を動かしてもらうかということ。これまでの行政はスポーツ好きであることが前提だった」として、超人スポーツが目指す、誰もがスポーツを楽しめるあり方に期待をよせた。

超人スポーツ協会は、6月2日に設立シンポジウムを慶應義塾大学三田キャンパスで開催する。また、新しいスポーツをつくるために7月4日には慶應義塾大学大学院日吉キャンパスでアイデアソンを、7月25〜26日には都内の河川敷でハッカソンを実施するほか、10月10日には都内で「第1回超人スポーツ運動会」を開催する予定だ。

運動が苦手だったりスポーツに縁がなかったりする(筆者のような)人たちも、参加してみてはどうだろうか。