ネットユーザー市民が選挙のときに味方に。|明日から絶対に役に立つ!男女4名、百花繚乱ブロガー議員対談 Part1

ネットを活用し政治活動を行うブロガー議員4名の方にお越しいただき、座談会を開催しました。

ブログ、Facebook、Twitterなど、インターネットを活用して政治活動を行っている議員の方が増えています。これらのツールは、有権者に定期的に情報を発信し、コミュニケーションを実現するツールとして優れていますが、未だネットの世界に踏み込めていない議員の方が多いのも事実です。

そこで、ネットを活用することへの不安や疑問などを少しでも解消し、ぜひ活用してみたいと実感していただけるよう、現在、ブロガー議員としてご活躍中の4名にお越しいただき、座談会を開催しました。

東京都議会議員 おときた駿氏

千葉県議会議員 水野ゆうき氏

中央区議会議員 青木かの氏

板橋区議会議員 中妻じょうた氏

※ ファシリテーター 高畑卓

上記議員の皆様が、情報発信において工夫していること、記事を書くことへのこだわり、初心者の方に向けたアドバイスなどについて語った内容を、全5回にまとめお届けします。

今回は、第1回目。

「意外にもこんな効果が!」「見えないところでそんな努力してたんだ!」というような、驚きの内容を公開します。

高畑 ブログはやったほうがいい、効果ある!という認識を、皆さん共通してお持ちだと思うんですが、ブログの選挙結果への影響については、どのようにお考えですか?

水野 我孫子の場合、都内に通勤されている方が多いので、ネットを使う方がものすごく多いんですよ。ブログやFacebook、TwitterなどのSNSを活用することによって、たとえば災害があったときなど、市の情報を入手できる...。だから、ブログで情報を発信することによって、ものすごいネットユーザー市民というのが、選挙のときに味方になってくれますね。

高畑 シェアが多くなればなるほど、市長選にも絡んでくるからちゃんとやらなきゃ、という意識みたいなのが生まれますよね。

おときた そうですね。票に直接つながるのはもちろんですが、ポスティングのお願いで一声かけるとだいたい50人くらい集まってくれるんです。しかも、北区だけなく北区以外のブログの読者が越境してきてくれる。たとえば、私の読者は北区には5人しかいないかもしれないけれど、それ以外のところから45人が来てくれて、手を動かし足を動かしチラシを撒いてくれたりしますね。

中妻 私の場合、これまで2回の選挙を経験しましたが、2回とも最下位という大変厳しい選挙となったんです。選挙の場合、地元の中で票を集めなきゃいけないという構造があるんですが、ブログの場合、ロングテールが効かない。つまり、薄く広く拡散していっても、自分の票にどうつながるかというのが見えないんですね。そこで、Facebookページのツールである地域限定広告を非常に重要視しています。その結果、初めての選挙戦はたったの7票差でしたが、今回は120票差ほどになりました。

水野 私は、選挙の間近になってブログを始めたとしても全く意味がないと思っているんです。有権者がその人の始めたばかりのブログを見たとき、何この人?と逆効果になってしまうような気がします。でも、毎日更新していたら、ずっと4年間こんな活動してきたんだ!という見える化のひとつになると思うんです。

それに、ブログは、TwitterやFacebookと違って、自分の意見をすごく長く書けるツールなので、タイムリーに自分の政策や思想を訴えることができて、すごく効果がありますね。

高畑 なるほど。選挙への効果を感じていらっしゃるようですね。では、常日頃から読者を増やすために、何か努力をされていることはありますか?

青木 私自身では認めていないんですけれども、周りからはコスプレ議員といわれていまして。

全員 (笑)

青木 決してコスプレではなく...。私が入っている消防団の制服を着ている写真や走っているときのスポーツウェア姿の写真などをブログにたくさん貼っています。文字だけだと、読者は広がらないかもしれない。けれども、ブログの写真に凝ることで、見てくださる方に印象づけることができるんです。

おときた 確かにクリックしたくなりますね。

高畑 ビジュアルで自分のパーソナリティーを出すということですよね!?見ておもしろかったり、わかりやすいところから入ってもらったり...。

青木 そうですね。入口はなんでもいいんです。このブログを見て詐欺だといわれたらそれはそれで。でも、「書いていること、たいしたことないな」と思われないよう、中身はしっかり書きます。ブログの場合、私は「今日何をしました」とか「美味しいお店」とかは書かずに、「政策のみ」を書いているんです。

水野 私の場合は、プライベートのことを載せてしまいます。ホームページに政策や思想などのがっつりしたものを載せて、ブログの方に割と日常的なものを載せるようにして、政治に関心のない方もブログに引きつけるような工夫をしています。メディアに出ましたよ!とか、稲刈りしました!とか、お知らせからトピック的なものも含めて載せています。

高畑 皆さん、いろいろ工夫されていますね。

(Part2に続く)

ブログを始めたい!と決断する決め手となるさまざまなヒントが語られましたが、おときた議員が語るように、票への反映だけでなく「具体的な活動にも協力してくれる」という、まさにファンの獲得にもつながっているようです。

また、中妻議員が経験された"わずか7票差の勝利"からは、1票の重さを実感することができ、票を伸ばすにはブログが有効であることもわかります。青木議員の画像へのこだわり、そして、水野議員の毎日トピック情報を更新するという工夫などは、初心者の方でもしっかり意識することができれば実践可能、有効な手段となるでしょう。

票の獲得はもちろん、まずは5人の選挙協力者を生み出すことを目標に、ブログをスタートしてみてはいかがでしょうか。

Part2においてもブログを書く際のコツなどが盛りだくさん。「更新頻度」「話のネタ」などについてさまざまな意見が交わされた様子をご紹介していきます。

<座談会参加者紹介>

東京都議会議員 おときた駿氏

読者に素早く情報を伝えることをモットーに、スピード最優先でブログを更新し続けるおときた議員。ブログ見ています!と声をかけられることが多いそうです。瞬時に発信することのできるネットだからこそ、得られるものも大きいと実感しているとのこと。

千葉県議会議員 水野ゆうき氏

「若い人に、政治や選挙について関心を持って欲しい」このような想いから政策を打ち出しているという水野議員。若い人にアプローチする手段として、ブログは欠かせないツールであり、わかりやすい言葉を使うということをモットーにしていると語っています。

中央区議会議員 青木かの氏

「私のブログを一番見てくださっているのは、役所の方」という青木議員。自身のブログ記事への反響が区民の反応をはかるものさしとなっていることを実感。「いいね!」をつける人がたくさん増えること、それが政策を進めるための有効な手段と考えているとのこと。

板橋区議会議員 中妻じょうた氏

Twitterでの炎上を経験し、ネットの怖さを知っても、情報の充実度にこだわりを持ち積極的に書くことを続けている中妻議員。じっくりと情報を集め、クオリティー重視でブログ記事を書くことが、多くの読者を引き寄せる秘訣であると実感しているそうです。

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