大阪府知事選候補、ネット活用徹底比較!「ブランド全面の現職」vs「個人から輪を広げる自民新人」

「維新」ブランドで突き進む松井氏と、「女性」「反維新」をアピールし、個人で戦いを挑むくりはら氏には、選挙活動スタイルだけではなく、SNS活用方法にも違いがある。

11月5日告示・22日投開票の大阪府知事選挙。 大阪市長選挙と同日に投開票が行われる大阪ダブル選挙として話題が集まるなか、大阪維新の会の松井一郎現知事と自民党のくりはら貴子大阪府議両名の事実上の一騎打ちと見込まれています。

今回は、両候補予定者のネット活動の展開を徹底比較します。予定候補者本人だけではなく、脇を固める応援団にも要注目です。

◆松井一郎知事「個人戦でなく、大阪維新の会と橋下氏の勢いで大阪にアピール!」

大阪都構想の住民投票否決後に一度は引退を考えたとも一部で噂された大阪維新の会幹事長でもある松井一郎知事ですが、再び知事選挙への出馬を決めています。

ホームページではしっかり「大阪維新の会 大阪府知事 松井一郎」をアピール。

トップページでは、「現職」府知事としての強みと、政界で話題力トップを誇る「大阪維新の会」を前面に押し出しています。

しかし、大阪都構想に掛かりっきりでそれどころではなかったのか、ホームページはあまり更新されていません。

2015年の投稿は3月と10月だけで、維新・松井勢と考えると、若干寂しいページに見えなくもありません。

また、松井氏は意外にも、ブログ・Facebookを活用していません。

しかも橋下氏と同様にツイッターから発信は行っているものの、橋下氏、大阪維新の会、そして大阪維新の会が擁立予定の大阪市長選予定候補である吉村洋文氏(前衆議院議員)のツイートへのリツイートが多く、橋下氏のような鋭く厳しい本人発信はあまり多くは見られません。

これは、ネット上の戦いは「応援団」で「橋下徹氏」と「大阪維新の会」に任せる戦略ともいえるのではないでしょうか。

今回の府知事選のネット上での発信は「応援団」に任せ、個人の戦いだとは捉えていないようです。

大阪ダブル選挙は、大阪維新の会からの予定候補者2人で1セット。大阪維新の会関係者のSNSトップページは、松井氏と吉村氏2人の顔写真が設定されています。

11月4日現在、松井一郎氏のツイッターのフォロワー数は50,240人、大阪維新の会は75,243人、橋下徹氏は140万人、吉村洋文氏は5,600人=合計約150万人。

それぞれがお互いにリツイートしあっているため、150万人フォロワーにリーチする相互作用は見込めるでしょう。

また、松井氏がネット上のアピールを応援団に任せるだけあって、大阪維新の会のSNSの使いわけは細かい面が見られます。

大阪維新の会のYouTubeチャンネルには、通常の記者会見などとは別に、街頭演説のみを集めた「志士の声 」という登録者数が1000人を超えるチャンネルがあります。

大阪維新の会公式のYouTubeチャンネル登録者数は3700人を越えるため、松井氏個人が動画を運用しなくても、松井氏の声を拡散する力は一定程度あるでしょう。

個人で攻めなくても、維新創立の同志・橋下徹氏と大阪維新の会との連携があれば、選挙選は順風満帆に進められるのか?

去る5月17日に行われた大阪都構想住民投票後の大阪維新の会への注目の浴び方はポジティブなものばかりではないので、松井氏1人の動きだけではなく、政党、周辺協力者の動きを市民がどう判断するか、注視する必要がありそうです。

◆くりはら貴子現大阪府議「勢いでなく、個人から輪を広げる。『マジメに、大阪』」

豊中市選出の大阪府議会議員で現在2期目、自由民主党・無所属大阪府議会議員団の政調会長、さらに3女の母でもあるくりはら貴子氏は、10月8日に府知事への出馬を表明しています。

くりはら氏の公約は『マジメに大阪』。府民の目線に立っていない維新政治を終わらせるために立ち上がりました、とのことです。

くりはら氏のホームページは

松井氏とは違う点は、個人アカウントでFacebook、Twitter、YouTube、全てを運用していること。

ホームページのトップにはFacebookページ、街頭演説動画が埋め込まれており、くりはら氏の発言や活動が即時に更新されています。松井氏のホームページが「静」であるとするならば、くりはら氏のホームページは「動」といえるでしょう。

くりはら氏のFacebookページのいいね!数1,566人、ツイッターのフォロワー数は1,607人、YouTubeチャンネル登録者数27人となっており、維新メンバーと比較すると、圧倒的に母数は少ないといえます。

しかし、そこは自民党・大阪府議団の政調会長を務めるくりはら氏。府議団のホームページでも、くりはら氏の活動についてハイペースで更新が行われており、維新の候補者同様、サポート体制もバッチリ...

と言いたいところですが、サポート側の自民党・大阪府議団のFacebookページいいね!数は1,393、Twitterフォロワー数70、YouTubeチャンネル登録者数22となっており、くりはら氏個人のフォロワー数よりも少なく寂しい数。

ネットを駆使した働きかけを個人アカウントで運用するくりはら氏は、松井氏と比較して「くりはら貴子」という個人で維新との選挙選を戦うことになりそうです。

(まとめ)

「維新」ブランドで突き進む松井氏と、「女性」「反維新」をアピールし、個人で維新に戦いを挑むくりはら氏には、選挙活動スタイルだけではなく、SNS活用方法にも違いがあることがわかりました。

橋下スタイルでTwitterと動画を中心に発信し、そのフォロワーを中心にアプローチする方法と、くりはら氏のように満遍なくSNSツールを活用する方法。

ネットでのアプローチの手法に特徴ある両候補のどちらが戦いを制するか、大阪のみならず全国が注目しています。

明日、11月5日が大阪府知事選挙公示日です。

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