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性同一性障害でFtMと診断され、自分が何者なのかわかった。将来は子どもがいる家庭を(シリーズ:隣人たち)

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性的少数者(LGBT)のカップルを公的に認める「パートナーシップ制度」が6月1日、札幌市で始まった。全国各地の自治体でも同様の仕組みがつくられ、LGBTへの理解や支援が広がっている。「13人に1人」とされるLGBT。私たちのすぐそばにいる「隣人」たちの素顔を紹介する。

●介護福祉士・小熊友樹さん(38)=札幌市中央区

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自宅でサメグッズに囲まれて笑顔を見せる小熊友樹さん=札幌市中央区

戸籍上は女として生まれてきましたが、小さいころからヒーロー戦隊のおもちゃが好きだったり、サッカーボールで遊んだりしていました。小学校のころになると、好きになる相手は女の子。「なんか自分、変だなあ」と思っていました。

地元は小樽だったのですが、札幌市内の女子高に進学しました。そのころにレズビアンという存在を知り、自分もそうかもしれないと考えるようになりました。でもなぜかしっくりこなかった。レズビアンの子たちは化粧品や下着、生理などで話が盛り上がるのに、自分は生理自体が嫌でたまらなかったんです。下着や化粧品にも興味がない。やっぱり違うなと、もやもやとした気持ちを抱えていました。

     *

20歳のころ、レズビアンバーで同じような思いを抱えている女性に出会ったんです。その後インターネットなどで調べていくうちに、自分はトランスジェンダーじゃないかと思うようになりました。医師の診察を受けた結果、性同一性障害でFtM(Female to Male=体は女性だが自身は男性だと思っている人)だと言われました。正直ほっとしたんです。やっと自分が何者なのかわかった気がしたので。

医師から「どこまで望んでいますか」と聞かれました。私は性別適合手術を受け、戸籍も男性に変えたいと伝えました。真っ先に子宮と卵巣を摘出してもらいました。生理を一刻も早くなくしたかったからです。年内に胸も取り、戸籍を変えたい。FtMの人が「ひげ生えてきちゃって面倒くせえ」って言うのを聞くと、うらやましいって思います。

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性自認について家族にカミングアウトしたのは、まだ手術を受ける前の30歳のころです。ファミリーレストランに両親と妹に集まってもらい、そのとき付き合っていた彼女と一緒に食事をしたんです。普段は注文しないデザートも食べました。私がFtMだと打ち明けると、母は「そうだと思った」と言いました。父は「応援する」と言ってくれて、すごいなと思いました。母は私を人に紹介する時には「息子と言うように努力する」とも言ってくれましたが、男子トイレに入っていく私の姿を見て悲しんだそうです。

今は付き合っている人はいません。自分のことを違和感なく受け入れてくれる女性と交際したいです。あと、サメ好きなんで、それも認めてくれる人がいいですね。ワーキングホリデーでオーストラリアにいた時、ダイビング中に大きなサメに遭遇してとりこになりました。将来、子どもがいる家庭が持てればうれしいです。息子とキャッチボールするのが夢です。

札幌市で始まるパートナーシップ制度は、人々がLGBTの問題に改めて関心を持ついいきっかけになるんじゃないかなと思います。でも、うれしさはまだ半分です。結婚が認められたわけではなく、あくまでパートナーの認定というところまで。将来は同性婚も認められる社会になってほしいです。

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(2017年05月13日「朝日新聞デジタル」より転載)