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進学校に通う君へ

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(この記事は、昨年12月投稿の記事を改稿したものです。)

進学校に通う皆さん、どもども、進学校出身のかずかずです。

僕の人生は順調です。中学は国立大学の附属中学、高校は県一番の進学校に入りました。

高校でちょっと伸び悩んで、まぁまぁの大学に入りました。在学中にロサンゼルスの大学に留学し、4月に世界的なIT企業に入社、一年目から年収500万円に届きそうです。我ながらそこそこ聞こえのいい人生だと思います。しかし僕は今、会社を辞めてミュージカルアニメーション作家を目指そうなどという、一見わけの分からないことを考えています。つまり、あれです。いま全然幸せじゃありません。

思えば僕はずっと他人の価値観を生きてきました。5歳の頃に自分がゲイであると気付き、傷付くのを恐れた僕は、それ以来世間が求めるもの、ことに非常に敏感になりました。そしてつい最近までずっと、世の中が許してくれる範囲で生きてきたのです。

高校受験、大学受験、大学でのゼミの選択など、これらの節目に、学校の価値観とは必ずしも合わないような進路を選ぶ子が少なからずいました。チア部があるという理由で偏差値の低い高校に行った子、ファッションが好きでファッションの大学に行った子、(少なくとも周りから見て)突拍子もなく美大に入った子、大学を中退してDJになっちゃった奴。

進学校における選民意識と俗っぽい価値観の支配は、中にいる間は気付かない、長く換気をしていない部屋のニオイのようでした。レールの上を順調に歩んでいた僕らは、心のなかで彼・彼女たちのおでこに、「勉強についていけなかった人たち」という刻印を押しました。彼らからしたらちょっと何勝手に押してんのって感じだろうけど、僕たちは確実に押しました。心の中で、彼らのおでこに。

そんな彼らに久しぶりに会ってみると、本当にいきいきと生きているのです。彼らはfacebookで幸せアピールをする暇もなく、自らの人生をしっかりと歩んでいます。 彼らは、僕が他人の価値観の中をさまよっている間に、自分の本当に好きなことにしっかり向き合ったんだと思います。

僕にもチャンスはありました。内なる声は小さい頃からずっと聞こえていました。映像制作に興味を持ち始めたのは小学校に入る前です。でも僕は、医者とか弁護士とか、もっと大人が感心するものを目標に置きました。お母さんは喜び、友達のお母さんも「かずかずくんはすごいねぇ」と言ってくれました。

自分の人生を歩まない大人の末路は悲惨です。内なる声を無視し続け、他人の価値観を生きるとどうなるのでしょう。すると、やがて他人との比較でしか自分を定義できなくなってしまいます。そうなると、人間は「他人の人生の粗探しモード」に入ってしまいます。こうなってしまうともう本当に取り返しがつきません。そういう大人が沢山います。東京カレンダーのエッセーとかが参考になります。

というわけで、自分の内側から何か声が聞こえてきたら、聞く耳を持ってあげてください。

そういうのが聞こえてきたら、海岸とかに一人で行くといいです。海岸で黄昏れることもせずに大人になってしまってはだめです。海がなければ山とか林とかを見つけてください。あっ、あんまり奥深くまで行かなくて大丈夫です。一人になれたらOKです。誰にも邪魔されずに、自分と向き合えるサンクチュアリを持ってください。

勉強をやめろと言ってるのではありません。勉強が好きだったり、肌に合っているならそのまま突き進んでください。

でも「周りがやってるから」やってるなら、その勉強の先のことに、少し思いを馳せて欲しいです。半ば自動的に有名大学を目指すのではなく、そこに入ると何ができるかとか(そんなものは見えにくいかもしれませんが)、そういうことを少しでも意識できたらいいと思います。

あるプラットフォーム(ここでは進学校)に居ながら、その場が提供する価値観を共有しないで生きていくとか、その価値観に理由を求める、その価値観を疑ってみるというのは非常に難しいことです。それがプラットホームの力というものです。プラットフォームにいると、人は何も考えずに都会に行く電車に乗ってしまうのです。

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(他人の価値観を生き続けて最後の最後で電車に乗り遅れた大人の図)

だから内なる声っぽいものが聞こえたら、少し時間を取って自分に向き合ってみてください。以上、冴えないおっさん予備軍かずかずからのお願いでした。

ほなほな

(この記事は、2015年12月25日 かずかずのたまご「進学校に通う君へ」を改稿したものです。)

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