20代でキャリアは決まる  GAISHIKEI LEADERSの共通点

これまで色んな経営者の方々とお会いさせて頂いて言えるのは、20代での仕事が、その後のキャリアを大きく左右しているという事です。
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外資系と日系企業で働いた経験があるからか、学生の皆さんから就職相談を受けることが結構あります。

「将来、経営者になりたいですが、どうすればいいでしょうか?」

「経営に携わる実力をつけるのは、やっぱり外資がいいでしょうか?」

正直なところ、単純に答えられないので、毎回悩んでしまいます。ただ、これまで色んな経営者の方々とお会いさせて頂いて言えるのは、20代での仕事が、その後のキャリアを大きく左右しているという事です。

結構あるのが、経営者を目指して大手企業に入って与えられた担当業務を頑張って専門性は高めたけど、30代以降もそのまま専門家としてのキャリアを歩んでいくパターン。まあ人生なんて計算出来ないので、本人が納得していれば良いのですが、現実として、このパターンから経営者になられた方はほとんど知りません。30代、40代で経営者になられた方、経営レベルの仕事に関わられている方に共通しているのが、20代で売上利益に責任をもつような経験をされていることです。

全体観を持つ重要性 - 小さなプロジェクトであっても、P/L(損益計算書)責任をもつ業務や、担当が特定業務であっても最終利益との関係を考えて働いたかどうか。最終利益に責任を持てば、担当が特定業務であっても、商品、サービスの開発が気になりますし、原価、人件費等々、P/Lに影響を与える全てが気になります。自分の担当売上が素晴らしくとも、原価が高ければ利益は出ない。販管費が高くても問題。それらを克服するにはどうすれば良いかを自分の事として悩むことで、視野が広がり、疑似的な経営体験を積まれています。

経営者を目指すにしても専門性を身に付けるのは重要だと思いますが、やはり20代を専門性だけで閉じてしまうのはもったいない。もちろん、年齢に関係なく高い志や努力は重要だと思います。それでも、残念ながら20代での学習能力、吸収力は、30代、40代とは全く違うのです。20代の成長チャンスは、後から取り戻せません。本気でビジネスマンとしての力をつけるのであれば、その企業で、20代でどんな仕事が出来るのか、果たしてその企業でP/Lを視野にいれて仕事が出来るのか、そんな視点で考えて頂きたいです。すでに就職しているのであれば、自らP/Lを書き出して、経営者の視点で仕事に取り組むことをアドバイスするようにしています。

優秀な学生が陥る罠 - 優秀な方は、大手企業の内定はたやすいでしょう。周りから祝福され、つい就職してしまう。しかし大手は、比較的、ビジネスモデルと分業体制が確立しており、特定機能のルーティン業務につく場合が多いように思います。分業体制で、個別KPI(業績評価指数)のみを見て全体の繋がりを意識しないまま、働いてしまう。その繰り返しでは、なかなか経営視点を養うのは難しいでしょう。こんな感じで、どんな企業でも就職できる優秀な学生が、特定機能の優秀な実行部隊員としてキャリアを固定しているケースが多いように思います。

実は、今後5年間で23歳から32歳の人口は約100万人減少する事をご存じでしょうか。一方で団塊世代の200万人が退職します。不思議かもしれませんが、人口構成で計算すれば明白で、就職はこれまで以上に簡単になるのです。「おおー、就活が楽勝!」と喜びたいところかもしれませんが、ますます慎重に考えたほうがいいと思います。多くの企業は、退職世代の穴を埋めるべく、即戦力を求めて、ますます機能性の高い実行部隊を求めると思われます。つまり、20代での自己育成にとって適した環境ではない可能性が高いという事です。

ゴールを考えて選択 - 本気で経営者をめざし、ビジネスマンとしての力をつけたいのであれば、20代の仕事内容にこだわって欲しいです。就職がたやすくなる時代だけに、是非、企業の人気ランキングや目先の安定感・給与などに囚われないで、本当に経営体験が出来るのかどうか。これは新卒に限らず、再就職のチャレンジをする場合でも、是非、こういった視点で考えて頂いて、ご自身の夢やビジョンを考えた中長期視点での選択をして頂きたく思います。

GAISHIKEI LEADERSは、外資系企業での仕事等を通じて日々グローバル社会とかかわってきたメンバーが、自らの『和魂洋才』を一層磨き上げ、社内外で活用し、グローバル社会と調和した、開かれた元気な日本の未来を実現することを目指し、設立されたコミュニティ・プロジェクトです。『和魂洋才』の梁山泊となり、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞等の課題に対して、新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動を展開しています。

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