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YOUのメディア-ジャーナリズム・イノベーション・アワード2017

2017年02月10日 17時01分 JST | 更新 2017年02月18日 02時02分 JST

1月28日土曜日、ジャーナリズム・イノベーション・アワード2017に参加してきました。"ポスト真実""フェイクニュース""オルタナティブファクト"等の海外の動きや、国内では記憶に新しいWELQ問題などについて知れば知るほど、「もはや何を信じたらいいの!?」と思う今日この頃。そうだ、社会のひずみを少しでも是正しようと思ったら、プロのジャーナリストだけでなくひとりひとりが声をあげられる、声をあげなきゃね、と心に火がともるイベントでした。

ジャーナリズム・イノベーション・アワードとは、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が、誰もが情報発信できるソーシャルメディア時代において「発信し、伝え、表現する人々」=「ジャーナリスト」ととらえ、その裾野を広げて切磋琢磨しあうためのイベント。ブース出展と参加者投票の場を設け、そこで"ネットにおけるジャーナリズムの頂点"を決める年に一度の祭典、と位置づけられています。第3回を迎えた今年は、ブロガーやフリージャーナリストを含む25のニュース発信者が法政大学 薩埵ホールに集いました。

今年の作品一覧はこちら。

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ジャーナリズムイノベーションアワード2017作品一覧

わたくし去年と変わって今年は、会員限定サイトなのによく既読スルーしてフリーライダーになっていました、ごめんなさい、と加藤恭子さん出展の広報・マーケティング情報グループのボランティア説明要員として参加しました。こちらは加藤さん主催で広報とマーケティングの場づくりをするグループで、現役担当限定Facebookに860名以上が登録し、役立つ投稿があるほか随時リアルなイベントもやってます。ご興味ある方はどうぞご参加ください。

といいつつ、PRやマーケティングの担当者として日々の悩みをもつ方々と話し込み、その他にも広報に特化したFacebookグループの広報たん勉強会もいいよね、などと情報交換しました。

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広報・マーケティング情報交換グループ

いや、PRもマーケティングも興味ないです、という方も気になる"ネットにおけるジャーナリズムの頂点"ってなによ、はこちら。

●5位(予選)

大井美夏子さん&小黒純『大津WEB新報

社会福祉士の大井さんと、大学教育やNPO理事が本業の小黒さんがボランティア運営する大津WEB新報。地方自治体の問題を、誰でもアクセスできる情報公開制度を使って調査し、2年で350記事に上る報道を通じて社会問題を是正する動きは、たった2人の夜なべ仕事が社会を変える、と感心させられました。

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ジャーナリズム・イノベーション・アワード5位 大井美夏子さん&小黒純さん『大津WEB新報』

●5位(予選)

西日本新聞『熊本地震 ITで「見る」現場

九州最大の地方紙の西日本新聞が、全国紙には及ばないリソースのなかでITを使って熊本地震を伝える取り組みに、地方紙が持つ公共性と発展の方向性が見えました。

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ジャーナリズムイノベーションアワード5位 西日本新聞『熊本地震 ITで「見る」現場』

●4位(予選)

ヨッピーさん『PCデポ問題

個人が社会問題を明るみに出す、なんて並大抵のことでないのですが、つい「大物ブロガーのなせるワザ、普通のひとは無理」と思いがちなところを、ヨッピーさんの「ジャーナリストに認定制度が必要、なんて話おかしい。ジャーナリズムは特定の層のおもちゃじゃない。ジャーナリズムはYOU、ひとりひとりのものだ!」という言葉で目を覚まされた気がしました。

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ジャーナリズム・イノベーション・アワード4位 ヨッピーさん『PCデポ問題』

●優秀賞(予選2位)

withnews『ガングロと新聞社 「絶滅危惧種同士」の生き残りかけた作戦会議

これはもう、さすがの朝日新聞。ビジュアル、キャスティング、すべてで勝ちに来ていました。「タイトルで釣るのやめてくださ〜い。信頼性っていうものが損なわれると思うんですよ〜」というガングロ女子のコミュニケーションパワーを存分に駆使していました。

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ジャーナリズム・イノベーション・アワード優秀賞(予選2位) 朝日新聞社withnews『ガングロと新聞社 「絶滅危惧種同士」の生き残りかけた作戦会議』

●優秀賞(予選3位)

ひきこもり新聞『ひきこもり新聞

既存メディアでは正しく伝えられないひきこもりの実情を、ひきこもり当事者が伝える。その報道のマネタイズで、ひきこもりの人々やその家族が社会とつながっていく。ひきこもり新聞の言葉は心に染み、弱いひとりひとりがつながり生まれる力、ネットによる発信力、新聞のビジネスモデルを最大限に活かす姿が感動を呼びました。

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ジャーナリズム・イノベーション・アワード優秀賞(予選3位) ひきこもり新聞『ひきこもり新聞』

●最優秀賞(予選1位)

BuzzFeed Japan『デマと戦うバズ

古田大輔編集長が朝日新聞で培った取材力と、BuzzFeedが持つ世界で共有される情報の力の融合の強さを見せつけるプレゼンでした。

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ジャーナリズム・イノベーション・アワード最優秀賞(予選1位) BuzzFeed Japan『デマと戦うバズ』

以上、ジャーナリズムの多様性を象徴するイベントと表彰でした。

●コウタキ注目作品

個人的な琴線に触れたのは、矢萩邦彦さんの 『教育におけるネットニュースへのコメントや批評の必要性について考える』でした。ジャーナリスト、ミュージシャンと多彩な顔を持ち教育に従事する矢萩さんが指摘するのは、今の子供たちが鵜吞みにし最も影響を受けているのがYouTuber、という現状。新聞も雑誌もテレビも接することがないそうした子供たちに、周りの大人が比較する情報を提示して、複眼的視点を持たせ、何が正しいのか考え判断する力を持たせることの大切さを、問いかけていました。

●コウタキ注目コメント

他の出展者と交流しながら、深く頷いたのは、「今年の注目は何ですか?」という質問に「人として、ちゃんとしてる、って何だろう、という原点回帰」(Yahoo!ニュース 伊藤儀雄リーダー)という視点でした。日本のメディアがこぞって、トランプ大統領の怒鳴り声を届ける毎日のなかで、人としてのあり方を考えて発信する姿勢が改めて大切だと考えさせられました。

そして『キュレーションメディア「MERY」のお出かけ記事とコタツの効用に関する考察』を出展した鳴海淳義さんの「みんなが一つのこと(WELQ)ばかり追っているときに、ふっと一服の清涼剤になる視点を提示」というコメントに、多面的視点の重要性を考えさせられました。情報の偏りは視野狭窄を招く、幅広い情報のなかから全体像が見えてくる、というメッセージが笑いとともに届けられました。

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コウタキ考より転載