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「もんじゅ」組織変更の決定は参院選後に延期 〜 新『再処理機構』に移管する以外には妙案なし・・・

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 今回の検討の契機となった"原子力規制委から文部科学省への最後通牒"とは、「もんじゅ」(福井県敦賀市)の保守管理ミスが続く日本原子力研究開発機構(JAEA)が能力不足だから別の運営主体を探せ!ということ。

 これに対して、文科省・「もんじゅ」の在り方に関する検討会の報告書案では、その最終ページにおいて、「新たな運営主体については、現在の「もんじゅ」が置かれている厳しい状況を十分に認識した上で、今回のとりまとめにおいて示した要件を適切に満たすことのできる体制・仕組みを備えることを期待する」と書かれている。

 これは要するに、まだ何も決められないのでもうちょっと待って! m(_ _)m 、、、という趣旨。眼前の政治スケジュールを考えれば、本件の結論は、来る7月10日の参院選の後になるだろう。

 私は、今月18日に公布された「再処理等拠出金法」に基づいて新設される新『再処理機構』に移管することが唯一無二の最適解と考える。

 それに関する詳細は、拙稿『「もんじゅ」改革の落とし所 〜 JAEAから切り離し、新『再処理機構』に移管せよ!』を参照されたい。

 これまでの経緯をよくよく考えると、「もんじゅ」問題の本質は、現場の問題というより、国会・監督官庁・マスコミなど現場とかけ離れた場所にいる人たちの問題だと言わざるを得ない。

 この問題の発端は1995年12月のナトリウム漏洩事故だが、これは原子炉の安全性には直接的には関係ない設備での事故

 当時、これをナトリウム漏れ現場の映像付きで、それをあたかも大事故であるかの如く針小棒大に論じる"報道合戦"が繰り返された。こうした偏向報道の乱発によって、「もんじゅ」は一方的に悪者扱いされ続けている。

 「もんじゅ」の現場に行けばわかることだが、決して「もんじゅ」はマスコミが報じるような杜撰な組織ではない。そこには、高速炉に関する成否の経験・知見が積み重なっている。「もんじゅ」が担う事業の頭脳も技術も、東京都心の国会議事堂や首相官邸、霞が関官庁街ではなく、敦賀にある「もんじゅ」プラントの現場に集積している。
 
 JAEA以外の組織であって「もんじゅ」に親和性の高い組織は、上記の新機構しかない。そして今後は、予算を長期的にダラダラと付け続けるのではなく、例えば「予算は従来の倍にするが、必ず5年で100%出力を達成して基本データを取る」というような即効性のある予算配分を行い、短期で目標達成を図るよう一定の制約を付すべきだ。

 「もんじゅ」に反省点が多いのは周知のことだが、今まで国が長年にわたって、振興する側としても、規制する側としても、直接関与してきた国家事業であることを再認識する必要がある。この点でも、一番問われるべきは国の行政責任であり、それを果たしていくためにも、「もんじゅ」をJAEAから切り離して新機構に移管し、核燃料サイクル政策を包括的に進めていく新体制を敷くべきだ。

 この話については、今月19日の参議院・経済産業委員会での参考人質疑で松田公太議員と少々やり取りをしたので、適宜参照されたい。