双子のいる家庭として、避難所で周囲の皆様にお願いしたいことを書いてみました。

いま、九州では継続する余震を含めて、避難されている方々も多くいます。双子のいる世帯として状況を考えた場合、通常とは異なる配慮が必要(ありがたい)です。

4歳と2歳、7カ月の双子がいます。

いま、九州では継続する余震を含めて、避難されている方々も多くいます。双子がいる世帯として状況を考えた場合、通常とは異なる配慮が必要(ありがたい)です。

まず、すべての避難者に迷惑をかけたくないという意識から、おそらくは避難所内で長く時間を過ごさないと思います。

双子(または0歳、1歳など年齢が近い)の場合、赤ちゃんが二人以上いる状態ですから、ダブルで泣くこと、それぞれが泣くこと、理由は眠い、お腹が空いた、何か調子が悪いなどさまざまで、原因も話してくれません。

極端ですが、1人の赤ちゃんが一日深夜から朝にかけて4時間泣くとすれば、最悪8時間、泣き続ける赤ちゃんがいることになります。

そんな家族の横にいたらどう思いますか? 嫌でしょう? 自分も睡眠が必要ですし、みんな極限状態です。

それがわかっているからこそ、避難所の外に出るでしょう。

その際に考えられるのは、夫婦二人がひとりずつ抱っこして出る。夫婦それぞれが二人を抱っこして出る。泣いたら泣き止むまでどちらから抱っこして外出し、もう一方が泣いたらもう一方が抱っこして外出などのパターンです。

しかし、ウチのように双子以外にも幼い子どもが一人以上いる場合、かならずどちらかは双子以外といなければならないため、一人で二人を抱っこして避難所を出ることになるでしょう。

そこで必要なのが、「ダブルバギー」または、工夫して「前」と「後ろ」でそれぞれ同時に付けられる「抱っこ紐」です。双子用があればいいのですが、これはこれで前または後ろに二人の子どもが入るので、バランスが悪く腰に負担がかかったりします。

もうひとつは、トイレや授乳、物資をいただくときなど、双子の場合は、両手がふさがりがちですし、夫婦が二人で双子の場合、「ひとりの時間」の確保がかなり難しいです。

自宅でも難しいので、避難所であればなおさらでしょう。そのとき、とてもありがたいのは、ほんの少しの時間でいいので子どもを見てくれる他者の存在です。

通常でも見知らぬ人には言えませんので、極限状態では絶対に言えないです。ただ、一声かけていただけるとしたら、首を垂れ、感謝の気持ちとともに、甘えさせていただくかもしれません。

気楽に頼んでねと笑顔で言っていただいても、たぶん、頼むことができないと思います。性格にもよると思いますが、非日常では本当に難しいです。

そして、贅沢ではありますが、一時でもいいので「個室」に近い場所があてがわれると、大変ありがたいのではないかと想像します。

それは双子がいるから優先してほしいのではなく、周囲の誰にも迷惑をかけない(であろう)空間に、ほんの少しの時間でもいられれば、周囲ではなく多胎児だけに配慮・気遣いをすればいいからです。

ただでさえ「迷惑な存在」なのではないかと思いますし、電車やエレベーターなど、普通に生活をしていても空間は占拠するわ、時間はかかるわ、でいろいろ申し訳ないなと思います。

もちろん、暖かい声をかけていただき、手を差し伸べていただくこともありますが、なかなか厳しい状況も少なくないです。

双子を抱えている家庭だけが優先されるべきではないのはもっともですが、多数にはなり得ない双子家庭のひとりとしてお願い申し上げます。

※修正:「多胎児」の活用方法が誤っていましたため「双子」として修正しました(2016.04.18.20:08→本記事は2016.04.19.12:55 編集部が修正)

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