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救急車を呼ぶかどうか判断できますか?

2013年11月13日 15時27分 JST | 更新 2014年01月12日 19時12分 JST

今年度後期から東洋大学の社会福祉学科で講義をさせていただいています。国家資格である社会福祉士を目指す学生が少なくないコマなのですが、専門的なことは教えられないので、何か日常の活動からお伝えできることがないか、いつも思案しています。

15回という長丁場は、慣れている先生方にはもしかしたら長くもない、または短いのかもしれませんが、やはり長いです。ので、かなり友人・知人にゲストスピーカーとしてお越し願い、最前線の状況を学生に伝えていただいています。

先日は、社会にはいろいろなリソース(資源)がある一方、あまり知られていないものがある。それは個人や周囲を守る/助けることができるばかりか、少しだけ社会をよい方向に持っていける可能性があるよ、といった話をしました。

そのなかの一例として、家族、友人や知人、目の前のひとが突如、お腹を押さえて倒れたらどうしたらよいかを考えました。

とても苦しそうだから、携帯出して119番。救急車を呼ぶことが頭に浮かびます。とても合理的であり、かつ、正しい選択でしょう。

一方、個人として正しい、または、合理的な判断ですが、(一部の悪例を除き)何かあったら救急車を呼んでおけば安心だと考え、脊髄反射的に119番をしたらどうでしょうか。

下記は、平成24年度版消防白書なかから抜粋した「傷病程度別搬送人員の状況」(第2-5-3表)です。

「平成23年中の救急自動車による搬送人員517万8,862人 のうち、死亡、重症及び中等症の傷病者の割合は全体の49.5%、入院加療を必要としない軽症傷病者及びその他(医師の診断がないもの等)の割合は50.5%となっている」とあります。

2013-11-13-t02200146_0734048612747600523.jpg (拡大は画像クリックで)

上記説明の通りですが、"結果として"入院加療を必要としない軽症傷病者及びその他が50%を超えており、一つひとつの傷病程度はわかりませんが救急車を呼ばなくても良かった程度のものだったと推察されます。

時折、救急車を呼んだけれど、渋滞だったり、出払ったりしていた結果として到着が遅れてしまい、助かったかもしれない命が失われるような報道もあります。

全部が全部、救急車の稼動状況に左右されるわけではないでしょうが本当に緊急時に稼動できる救急車の台数が大いに越したことはありません。また出動車両が平均的に少なくなれば、救急隊員のシフトがラクになったり、夜勤されている医療従事者が少しでも休めたりするかもしれません。

救急車を呼ばない方がよいということではありません。

呼ぶべきときは即座に119番に電話をかけるべきです。

しかし、迷ったときはどうでしょうか。不安であり、何かあったら怖いから"とりあえず呼んでおく"を選択したくなります。当然です。目の前でひとが苦しそうにしているわけですから。

しかし、プロが見たら軽症傷病だとすぐに判断できるかもしれません。病院にいかなくても、少し木陰で休んでいればいいものかもしれません。

私のような医療素人は、何かあったらすぐ救急車、と脊髄反射してしまいそうですが、ここはひとつ下記のリソースを活用してはどうでしょうか。

2013-11-13-t02200021_0800007512747595516.jpg (拡大は画像クリックで)

東京消防庁では、「救急相談センター」を設置しています。

ウェブサイトにはこう書いてあります。

「救急車を呼んだほうがいいのかな?」「病院へ行ったほうがいいのかな?」迷ったら救急相談センターへ

東京消防庁救急相談センター、ご存知でしたか?

24時間年中無休で相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が対応してくださいます。

この #7119 は、ぜひ、携帯に登録しておきたい番号です。

自分や家族、恋人や友人に何かあったとき、きっと役に立ちます。

パニックにもならなくてすみます。

まず119番は基本かもしれませんが、もしかしたら、#7119 でも十分対応ができるトラブルの場合もあるはずです。こういう社会的なリソースを知っておくことは、自分自身を守ることにつながります。また、見知らぬ誰かを結果として支える社会投資的行動であるとも言えるかもしれません。

ちなみに、僕がもうひとつ推薦するのが

#8000 小児救急医療電話相談事業(厚生労働省)です。

コチラもぜひ、登録しておかれるといいと思います。

子どもがいても、いなくても。

[参考] 国に心からの拍手を贈ることもまた、僕ら国民の権利です。

(※この記事は、2013年11月13日の「若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog」から転載しました)