児童養護施設を退所する子どもに届けたい、就労・就学にあたって活用可能な各種奨学金等支援制度一覧

情報が届いていないことで無用な苦労をしていることに少しでも貢献したいと考えています。

僕にとって一年で一番楽しみかつ、苦行とも言うべき仕事のひとつにフィリップモリスジャパン合同会社が10年前から千葉県里親家庭支援センターとともに行っている「PMJフォスターファミリー奨学助成」の奨学金選考会があります。

この世に生を受けた瞬間から高校を卒業する直前まで、死別や離別、精神的・身体的虐待など、子どもでは抗うことができない環境下にあって、それでも夢や希望、手に職、人生を切り開くために進学を志す子どもたちの声が聞こえてきます。

また、彼ら、彼女らを見守る里親家庭の方々の想いや眼差しは、本当に涙なくしては読むことができない書類や作文にまとめられています。

ほとんどの応募者は、高校卒業後に里親家庭から離れ、自分で学費、生活費を稼ぎながら学校生活を行います。

そのため身体がボロボロになるまでアルバイトをして体調を崩す子どももいますし、素晴らしい功績によりスポーツ推薦で入ったからこそアルバイトができない子どももいます。

もちろん、しっかりと生活基盤を構築し、素敵な仲間と学生生活を過ごしている子もいます。

どれだけ議論をして選考しても、すべての子どもたちが順調であるわけでもなく、また、そもそも「選ぶ」ことすら葛藤と躊躇にさいなまれ、その成育歴を記した作文によって、全員に機会が提供されない社会を構成する一人として怒りと無力感に襲われます。

ここでは彼ら、彼女らのつらい状況を理解してほしいのではなく、進学を希望し、未来を描く子どもたちが、社会にたくさんある奨学金などを知らない例が散見され、おそらくは情報が届いていないことで無用な苦労をしていることに少しでも貢献したいと考えています。

応募内容を見ると、里親家庭の方々もご高齢の方が少なくなく、ネットで詳細な情報をとれるわけではありません。

また、学校の先生との相談で里親家庭だからこそ使えるような奨学金の情報が出てこないことも多々あります。

情報流通は、里親関係者や学校の教員経由で子どもに届けようとするものも少なくなく、それは大切でありながら、僕は子どもたちに直接届き、それを里親さんや先生と相談をする情報プロセスがあってもいいと思います。

それでもルーツが外国にあって申請所などの日本語情報が難解であったり、そもそも数か月前までひどい虐待を受けて一時保護、何とか里親家庭に出会えた子どもにとって、情報を探すような精神状況ではないということも見えてきます。

私が少し検索しても、子どもたちがまとまった情報を得たり、自分が対象なのかを全部調べることは難しいと思えました。

そこでtwitterやfacebookで情報をお持ちの方に呼びかけたところ、いただいた情報のなかでこれが一番まとまっているのではないか、と判断したものを下記に記します。

里親家庭であるから周囲の友達のように進学できないとあきらめていたり、奨学金などの情報に乏しく苦しい学生生活を送ったり、周囲に情報を精査して知らせてくれる大人が少なかったりする子どもたちに届くことを願います。

もちろん、一番の願いはここで知った子どもたちのみならず、未来を見据えて進学を希望する子どもたちが十分な学びの機会を得られる社会であることは言うまでもありません。

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