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月間50万PVで社会を変えるNPOメディア「プロパブリカ」――その手法とは?

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毎年1000万ドルの寄付をもとに調査報道をおこなうNPOメディア「ProPublica(プロパブリカ)」。2010年にオンラインメディアとして初となるピューリッツァー賞を受賞し、翌年も同賞を受賞するなど、非営利メディアというだけでなく、オンラインメディアの存在感という意味でも重要な立ち位置のメディアです。

今年に入ってからは、寄付以外にも調査報道のためにストックされたデータ販売をスタートしたり、他の報道機関向けに、プロパブリカの取材素材やデータをうまく使ってもらうためのマニュアルをつくるなど、非営利ならではの取り組みもおこなっています。

そんなプロパブリカですが、具体的にはどのあたりがすごいのか。ジャーナリスト・菅谷明子さんは、プロパブリカの存在意義を以下のようにまとめています。

  • グーグルしても絶対見つからない、独自情報
  • 自分たちが伝えなければ、絶対知られていないこと
  • 伝えることによって、社会を変える(状況の改善、法改正など)
  • 調査報道は読者が記事に対して、対価を支払うことでは、成り立ちにくく、これまでは収益の余剰で行われてきた
  • 権力をウォッチすることで、緊張関係を保ち、腐敗を防ぐという公共的監視の役割(ストレートニュースとは異なる性質)
  • 大衆に広く読まれるわけではないが、大衆はその恩恵を受ける
  • 調査報道のスタンダードを保ち、パイオニアとしてのロールモデル
(出典:目標は社会をどう変えるか、菅谷明子が語るアメリカ・ジャーナリズムの破壊的イノベーション | 日本ジャーナリスト教育センター

このような存在意義が考えられたり、ピューリッツァー賞を受賞するほどですが、サイト単体では月間50万UU、130万PVほど。50名ほどを抱える報道機関にしては少ないですが、社会を変えるために、他メディアへの配信をおこなっています。

 プロパブリカが第1弾の記事を発表したのが2008年6月。以来2年足らずで、アメリカの主要紙は50本以上のプロパブリカ配信記事を「独自ネタ」として掲載している。具体的にはLAタイムズが27本、ワシントン・ポストが9本、USAトゥデイが8本、ニューヨーク・タイムズとシカゴ・トリビューンがそれぞれ7本だ。
 取材・執筆はプロパブリカが単独で実施する場合もあるし、記事の提供を受ける新聞社側が協力する場合もある。後者の場合、プロパブリカの記者と新聞社の記者が連名で記事に署名する。どちらの場合でも、新聞社側が記事を掲載するのと同じタイミングでプロパブリカも自社のウェブサイト上で記事を公開する。新聞のほか、テレビ局や雑誌との共同プロジェクトも多い。
ピュリツァー賞を初受賞した ネットメディア「プロバブリカ」の実力

また、上記の記事では、初代編集長の「われわれはNPOであり、もうけるのが目的ではない。市民社会に重要な影響を及ぼすニュースを掘り起こし、できるだけ多くの人たちに読んでもらうこと。これこそがわれわれの存在意義だ」という言葉も印象的です。

プロパブリカでは、調査報道の記事によって、100以上のパートナーから配信先を選ぶことで、社会的なインパクトを最大化することができているのでしょう。

また、「データジャーナリズムアワードに多数ノミネート! プロパブリカのデータジャーナリズム事例」という記事を書いたことがありますが、データジャーナリズムに強いことも特徴となっています。

先日、ビッグイシューオンライン主催のイベントに登壇する機会をいただき、簡単に国内外のNPOメディアについてお話ししました。以下の資料も参考になりましたら幸いです。

(2014年9月13日「メディアの輪郭」より転載)

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