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財源論②・・・外為特会の含み益の活用

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次に、財源として、外為特会(外国為替資金特別会計)の活用について説明したいと思います。

ご承知のように、外為特会は、政府短期証券(FB)で円を調達し、その円で外貨証券(主に米国債)などを買って保有しています。「外貨準備」とも称されます。本来なら、この特会は、日本がまだ戦後復興期の頃、貿易(対外)決済等の外貨(ドル)不足を補うために設けられたものでしたが、近年では円高(為替)調整のために、具体的には「円売り・ドル買い」のために機能しているのです。

その結果、なんとこの特会には100兆円を超える資金(1.25兆ドル)がなんなんと積み上がりました。これは中国(3.41兆円)に次いで世界第二位であり、米(0.12兆ドル)、英(0.16兆ドル)、独(0.17兆ドル)、仏(0.14兆ドル)等の先進国がこの十分の一程度の保有高であることに鑑みれば、異様に高い水準になっているのです。

そもそも、この外為特会の本来の存在理由は、先に述べたように、貿易(対外)決済等の外貨不足に備えるものですから、決済通貨国はじめ先進国にはその必要性が薄い。したがって、この外為特会の保有残高は、徐々に減額していくべきものなのです。

にもかかわらず、為替当局(財務省)は、満期になり償還されてくる米国債のドルで、また、それ相当分の米国債を買ってしまっている。だから、いつまで経っても保有残高が減らないばかりか、為替介入があればまた上乗せで増えてしまう。大きな為替リスクを負いながら、日本の借金で米国債を買い支えているという構図なのです。

したがって、今後は、満期で返ってくる年間20兆円相当のドル償還金で政府短期証券(FB/借金)の償却(返済)しながら、今は円安なので、その含み益を出していく。そうすれば、この特会の損益分岐点は対ドルレート94円なので、当面、今の為替水準に若干の変動があっても、年2~4兆円程度(消費税1%強分)の財源は確保可能なのです。 

こう書くと、それは「ドル売り・円買い」になるので、円高要因となり日本経済にマイナスだという、財務省あたりからの反論が出てきそうですが、しかし、米国債の一日の取引高は50兆円規模ということですから、為替当局が一年をかけて適時適切かつ内々に売買を行えば、円ドルレートにそんなに影響を与えずに「益出し」をしていくことは可能でしょう。それが必要以上に過大な外貨準備をもつ為替当局の役割であり責任でもあるでしょう。

次週では、同じく特会の「埋蔵金」として、「労働保険特別会計」について取り上げます(続く)。

(2016年5月19日「江田けんじオフィシャルブログ」より転載)