南米・パラグアイで突撃取材!現地在住50年の日本のお母さんに習う郷土菓子!?【"旅するパティシエ"世界一周!郷土菓子レッスンの旅】

2016年から世界の郷土菓子を巡る旅に出た、"旅するパティシエ"鈴木あやです。今回は、【パラグアイの郷土菓子】ストーリーをお届けします。

■南米・パラグアイで突撃取材!現地在住50年の日本のお母さんに習う郷土菓子!?【"旅するパティシエ"世界一周!郷土菓子レッスンの旅】

こんにちは! 2016年から世界の郷土菓子を巡る旅に出た、"旅するパティシエ"鈴木あやです。

目標は、「国と国、人と人とをつなぐスイーツ・ストーリーテラー」になること。世界中で現地の人々から郷土菓子レッスンを受けながら、レシピだけでなく歴史・文化・暮らしと、立体的にその地域の魅力を発信していきます。

......さて、そんな"旅するパティシエ"ですが、前回はボリビアでの郷土菓子レッスンの様子をレポートしました。

そして2回目となる今回は、【パラグアイの郷土菓子】ストーリーをお届けします!

■パラグアイって、どんな国??

南米大陸の中央南部、三方をブラジル・アルゼンチン・ボリビアに囲まれたパラグアイ共和国。

先住民のグアラニー族と、植民地時代にやって来たスペイン人による、メスティソの文化圏が大部分を占めています。

海を持たない内陸国のため、パラグアイ川が重要な交通手段を担い、首都のアスンシオンは国際貿易港として栄えてきました。

■パラグアイならではの郷土菓子って??

かつての宗主国がスペインだったことから、食事はもちろんのこと、郷土菓子もスペイン由来のものが大半を占めています。

そのため、この国ならでは...というよりも、似た歴史的背景をもつアルゼンチン・ペルー・ボリビアなど周辺国でみられる郷土菓子が、やはりここパラグアイでも一般的です。

そして、その象徴ともいえるのが「アルファフォレス (Alfajores)」。厚みのある2枚の焼き菓子の間に「ドゥルセ・デ・レチェ (Dulce de Leche)」というクリームをサンドしたお菓子です。

南米を代表する郷土菓子といっても過言ではないこの「アルファフォレス (Alfajores)」ですが、ペルー、ボリビアと南米の旅を続けて来たにも関わらず、未だ現地の人々と一緒に郷土菓子を作りながらの取材ができていなかった私。

......というのもこのお菓子、あまりにも南米での人気が高く、パティスリーをはじめ多くのお店では、外部の工場などから大量に仕入れているケースが多く、実際に作られている現場を目にすることすら困難なのです。

南米で「アルファフォレス (Alfajores)」の取材をできないで、"世界一周!郷土菓子レッスンの旅"なんて言ってられないな......。ちょうどそんな焦りを感じはじめていた頃、なんとパラグアイで素敵な出会いが待ち受けていたのでした。

■郷土菓子レッスンの先生は、日本のお母さん?

......というわけで今回、パラグアイで「アルファフォレス (Alfajores)」についてレッスンをしてくれたのは、こちらの宇都志恵子(うとしえこ)さん。

首都アスンシオンで、旦那さまの徳顕(のりあき)さんと一緒に、日本人向けゲストハウスを営んでいます。

「ペンション・アミスタ(PENSION AMISTAD)」

・場所:パラグアイ アスンシオン(Calle 29 de Setiembre 2341, Entre Juan Leopardi y 1 de Mayo, Zona Sur Km 9. Fernando de la Mora (Barrio Ita Kaagy). Paraguay)

そう、お名前からもお顔からもわかるとおり、パラグアイ在住の"日本人"ご夫婦なのです。

「パラグアイの郷土菓子を日本人に習うって、ちょっと違うんじゃない?」......と思われるかもしれませんが、ご安心を。こちらのご夫婦は約50年前に、それぞれのご両親と共にパラグアイに入植された、いわゆる日本人移住者なのです。

ご存知の方も多いと思いますが、戦後復興の一環として、当時の日本政府は中南米各国と移住協定を結び、海外移住を促進。特に有名なのはブラジル、アルゼンチンですが、1956年にパラグアイともこの協定が結ばれました。

そんな時代の中にあって、鹿児島出身のお二人は、志恵子さんが1959年に、 徳顕さんは1967年に、それぞれパラグアイに移住。

到着して間もない頃は、原生林を切り拓いた土地で暮らし、その後は志恵子さんはパラグアイで看護師と活躍、徳顕さんは日本人居住地の開設に尽力されたりと、パラグアイの歴史と共に生き抜いてきました。

そんなお二人からは、日本人移住者の歴史についてはもちろん、パラグアイの様々な文化についてもお話を聞かせて頂きました。その中でなんと、志恵子さんはお子さんのために、昔から「アルファフォレス (Alfajores)」をよく作っていたということが判明!

郷土菓子の取材をする上で、言語の問題も含め、先生としてこれほど最適な方はいない!......というわけで、「ペンション・アミスタ(PENSION AMISTAD)」の宿泊中に、郷土菓子レッスンのお願いをさせて頂いたのでした。

■アスンシオンの街へ、買い出しへ!

まずは一緒に材料調達から!......ということで、ご夫婦と一緒にアスンシオンの街へと買い出しに。今回作る「アルファフォレス (Alfajores)」のポイントとなる材料は、以下の2つです。

1. コーンスターチ

中南米原産のトウモロコシは 、米・小麦と並ぶ世界三大穀物のひとつ。日本では野菜感覚で食されることが多いのですが、南米では主食となる最も重要な穀物です。

そのため、日本のスーパーマーケットで粉モノが置かれているエリアには「薄力粉」などが多いのですが、ここパラグアイでは「コーンフラワー」「コーンスターチ」など、とにかくトウモロコシだらけ!

......というわけで、「アルファフォレス (Alfajores)」ももちろん、主となる粉モノは「コーンスターチ」なのです。

2. ドゥルセ・デ・レチェ

「ドゥルセ・デ・レチェ(Dulce de Leche)」とは、スペイン語で"甘い牛乳"という意味で、コンデンスミルクにあたるもの。

コンデンスミルクを缶のまま、熱湯で4時間ほど火を入れるとキャラメルになり、これを「ドゥルセ・デ・レチェ」と呼んでいて、多くの中南米の郷土菓子に使われている材料です。

コンデンスミルクから作ると数時間を要するので、このように手軽に使える状態の商品がたくさん!今回の「アルファフォレス (Alfajores)」にも使用する、キャラメルクリーム状のもの一般的ですが、他にもリキュールなどその種類はさまざま。

......さて、材料調達も完了して、いよいよ郷土菓子レッスンのスタート。「アルファフォレス (Alfajores)」には、一体どんなストーリーが隠されているのでしょう? そして、パラグアイに生きる日本人移住者の想いとは?

詳しくは後編にて、レシピと共にお届けします♪

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