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日韓関係は改善の一方、中韓関係は新たな課題に直面~日中韓FTA締結推進を望む声も~

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◇ 日韓関係は2015年6月以降、急速に改善に向かった。きっかけは15年6月22日に東京とソウルでともに開催された日韓国交正常化記念式典だった。これには東京では安倍総理、ソウルでは朴槿恵大統領が出席した。

◇ 15年11月1日にソウルで日中韓首脳会談(安倍総理、朴槿恵大統領、李克強総理)が実現した。その翌日11月2日には日韓首脳会談も実現した。

◇ 12月28日には岸田外相がソウルを訪問し、両国の誰も予想していなかった慰安婦問題に関する合意にこぎつけ、調印を交わした。韓国の外交専門家は、この慰安婦合意は根本的な問題解決ではないが、外交上の懸案だった重い荷物を降ろすことができた点で有意義だったと評価している。この合意により、日韓両国政府は慰安婦問題を外交上の懸案として持ち出さないこととしたというのが両国政府の共通認識である。

◇ 近年、経済面での日本への依存度が低下し、韓国経済の独立性が強まった。安全保障面では冷戦終了後、徐々に中国との関係が強まっている。韓国にとっては北朝鮮問題への対応上、中国と協力関係を保持せざるを得ないため、韓国国内では中国を抑えるために日韓安保協力を強化するという考え方は支持を得られなくなった。

◇ 北朝鮮は本年1月に核実験を実施し、2月にはミサイルの打ち上げを行った。韓国としては、このような事態に備えて中国との関係強化を図ってきていたつもりだった。しかし、これら2つの出来事に関して中国の北朝鮮への反応は鈍く、韓国政府は不安感が高まった。そこで自己防衛手段として、米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に関する協定締結が最終段階に入ったと発表した。

◇ これに対して邱国洪駐韓中国大使は、「これまでの中韓関係の発展が1つの問題のために一瞬で破壊されかねない」と批判したほか、中国国防部も厳重な懸念を示した。この出来事を機に、韓国内では中国に対して友人としての役割を期待することの難しさを感じる人が増加した。

◇ 中韓FTAは昨年12月に発効し、すでに半年余りが経過したが、貿易自由化の成果は韓国側の当初の期待を大きく下回っている。

◇ 韓国にとって中国は最も重要な貿易相手国である。しかし、中国との間で通商交渉を行う場合には、中国の交渉姿勢は威圧的であり、その姿勢に苦しめられている。

◇ たとえ米国議会がTPPを承認しなくても、韓国としては日韓FTAの締結推進が望ましいとの見方が増えてきている。

全文はキヤノングローバル戦略研究所のHPよりご覧ください。
日韓関係は改善の一方、中韓関係は新たな課題に直面~日中韓FTA締結推進を望む声も~<ソウル出張報告(2016年6月22日~24日)>