「親愛なるダニーへ」ゲイであり、ジェンダーを気にせず生きる私の息子へ。

私が毎日息子に伝えないのはひとつ。それは......

私はいつも、息子のことを愛していること、そしてとても誇りに思っているとを伝えています。そんななか、私が毎日息子に伝えないのはひとつ。それは、息子の母になって世界の見えかたが変わったことです。そこで、息子にこの手紙を書きました。

親愛なるダニーへ

魔法の絨毯に乗りに、(映画「アラジン」の主題歌の)「ア ホール ニュー ワールド」を車の中で歌ったのを覚えていますか? そのときは、あなたが本当に全く新しい世界を私に見せてくれていることに気がついていませんでした。

あなたは小さい頃、たくさんのプリンセスやポニー、お人形、天馬、ユニコーン、マーメイドに囲まれていました。幼少期は、誰もが何にでも変身できるときです。小さい頃は、おもちゃや遊びにジェンダーの差がないので、遊びたい人と好きなことをして遊ぶことができました。紫とピンクは基調色で、あなたはその色のアイテムを自分のものだと言い張りました。小さい頃は色の好みにジェンダーはないからです。

もちろん、あなたは現実の世界で暮らす必要があり、ときにそれはとても厳しいものだったと思います。大きくなるにつれて、変わっていくことのプレッシャーが一層強くなっていきました。あなたは、ときに周りと合わせたり、自分の一部を世間に隠していました。孤独感や憂うつ感を経験したけれど、芯の部分は失わずにすみました。あなたの素晴らしい精神は、昔も、今も、強いままです。

そしてあなたは成長し、最初のボーイフレンドに出会いました。愛はジェンダーによって制限されない世界を、あなたは私に見せてくれました。そして(アメリカで)同性愛カップルの結婚が合法となった日、この大きな一歩を評価する瞬間を一緒に分かち合いました。あなたが平等の権利を持つ人間だと認められて、私は泣きました。

最後に家に来たとき、あなたの親友の一人があなたにキラキラしたネイルを塗っている様子は、幼少期の頃に見せてくれた新しい世界を思い出させてくれました。

それはジェンダーという名の箱に押し込まれず、子供たちが自由に遊び、探検できる世界です。ジェンダーの箱はありません。あるのは自由のみ。誰もが愛され、誰かと違うという理由でいじめられることがない世界です。

すべての子供たちが無条件にありのままに愛される世界です。 LGBT当事者であるがために子供がホームレスになったり、虐待を受けたり、恥ずかしく思ったりする世界ではありません。ゲイやトランスジェンダーの子供を持つからといって、親が恥ずかしく思うことのない世界。皆が受け入れられ、祝福されているからです。

私たちみんなが様々なアイデンティティー、性的指向、セクシュアリティがあることを認識している世界です。性の多様性が受け入れられているだけでなく、尊重され祝福されています。セクシュアリティを誰かが認めないからといって、恐れたり警戒したりすることのない世界。誰もが世界中を歩き回ることができ、大いに自己表現をし、安心していられる世界です。

こうした世界では、事前に台本で決まっていない大きな夢を誰もが持つことができます。すべての人が強く、賢くいられます。 見た目が綺麗かどうかで価値が決まる世界ではありません。この世界ではすべての人を成長し、感情を表現することができます。強がりを装うことを強制されず、男らしさを証明するために暴力行為を犯すことのない世界です。

この世界には、様々な異なる方法で誰かを愛し、家族をつくる自由があります。ロマンチックな関係や結婚がこうあるべきというのは一つではありません。 家族のありかたも、ひとつではありません。

全くの新しい世界

新しく素晴らしい物の見かた

私たちを制止することをいう人、

どこへ行けという人、

だだ夢を見ているだけという人はいない。

(映画「アラジン」主題歌より 歌詞ティム・ライス)

この新しい世界、この素晴らしい物の見かたを知った今、この世界こそ私が住みたい世界だということが分かりました。結婚することが一大事ではない世界に住みたいのです。ゲイの息子を愛しているので、特殊な母と見られない世界に住みたいです。あなたがありのままでいられ、私もありのままでいられる世界に住みたいです。私たちは自由なのですから。

こうした自由な世界になることを私は思っています。単なる夢ではありません。あらゆるところで、その予兆が垣間見えます。この世界を私に見せてくれてありがとう。ありのままのあなたでいてくれてありがとう。

母より。

この投稿は、PFLAG Nationalのプロジェクトから発想を得たものです。読者のみなさん、家族を支援するため私のサイトを見てみてください。私が誇れる母になるまでのプロセスを動画で見てみてください。

このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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