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保育園から中学まで父母会・PTAを体験してきて考えたこと

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保育園の父母会長を押しつけられてしまった


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お子さんが通っている保育園には保護者会・父母会と呼ばれる会はありますか?

保育園によってそれぞれだとは思いますが、なんだか大変そうだし、会費をどう使っているかもわからないし...と知らない人には謎の秘密結社のように思われている父母会。実際に役員をやってみると...私の場合はやはり大変でした。今回は父母会の思い出をお話しします。

さて父母会とは何でしょうか。ひとことで言えば同じ園に子どもを通わせる保護者同士の集まりです。学校で言うところのPTAのようなもの。

園や地域によって活動内容は違いますが、子どもの健やかな成長と保護者の親睦を目的として、保育園の行事に協力する他、夏祭りやバザー、バス遠足、人形劇プレゼントなどの行事を開催したりすることが多いようです。

保育園に協力すると言っても、園とは完全に別の組織。役員選出も行事も、保育園の先生は一切関与せず運営されています。父母会の活動を支えるのが会費で、1世帯につき年間3,000円が相場でしょうか。

私の娘達の通っていた保育園にも父母会がありました。「役員なんて面倒くさい」というのが多数派の本音だと思います。仕事もあるし、面倒だし、できるだけ関わりたくないものです。

しかし、その父母会には「子どもの在園中に1回は役員を」というルールがあり、子どもを3人通わせていた私は、最低でも3回は役員を引き受けなければならなかったのです。

役員になると係の仕事の他に、毎月一回行われる「父母会」に出席しなければなりません。あまり忙しくない係がいいと、その前の年は「行事係」で夏祭りを担当しました。

係の仕事そのものは屋台を用意したりレクリエーションの司会をしたり学生時代の文化祭の延長のようだったし、係の仕事が早く終わって嬉しいなあと思ったのを覚えています。

父母会が楽しかったのはそこまででした。役員改選の時期、私は前年の父母会長から、翌年度の父母会長に推薦されてしまったのです。

係なんて多くの人がやりたくありません。特に会長なんて誰もやりたがりません。だから「曽田さんがいい」と満場一致で決まってしまいました。小学校高学年の頃に学級委員をやらされたときと全く同じ状況です。おそるべし。多勢に無勢です。

抵抗するだけムダなので、全員に向かって言いました。

「わかった、会長は引き受ける。でも事務仕事は一切しないから」
父母会長は定例会で司会をするだけ、そうなれば、案外楽な仕事のはずだと思ったのです。

父母会は強制参加か?


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しかし私が会長になった年の父母会には1つだけ問題が発生しました。「父母会の強制参加はおかしい」という人が出てきたのです。今でこそPTA不要論をとなえる方がいる時代ですが、10年以上前の話です。

その方の主張としては「子ども中心の会なのに土曜に子どもを預けて集まるのはおかしい」「会費の額を自分で決められないのはおかしい」「入るかはいらないか自分で決められないのはおかしい」

おかしい、おかしいのオンパレードです。それらの主張がすべて間違っているとは思いませんし、今でも説得できる自信はありません。納得しないから会費を払わない、という態度も、当然と言われればそうでしょう。

しかし「たった3,000円のことで、ごちゃごちゃ騒いでいないで長いものに巻かれたらいいのに」というのが、私を含めたほとんどの役員の本音でした。事務仕事は一切しないと宣言した私(新会長)でしたが、話し合いに参加しないわけにはいきません。

でも、いくら話しても平行線なんですよ。「そもそも強制はおかしい」と問う人に「子どもの行事参加のこともあるし、みんな払ってるから払って」と説いても、双方が納得する落としどころは見えてこない。そもそも論と処世術の戦いです。

「行事ごとに払ってもらう」なんて案や、「退会扱いにして行事に参加させない」なんて案もありましたが、「同じような人が出てきたら困る」「子どもがかわいそう」等の意見でなくなりました。

会費を払うようお手紙を入れてもダメ、さらに話し合いをすると言っても、多くの役員が詰め寄っては「父母会によるいじめ」のような雰囲気になってしまう。結局「会長よろしく」と満場一致で交渉は私にゆだねられてしまいました。会長を押しつけられたときと同じ光景です。

毎月の定例会で「父母会の強制参加はおかしい、という件はどうなった」と経過を報告しなければならなくなりました。さて、どうしよう。うーん...。考えたあげく私は「文書での回答を要求する」という作戦に出ることにしました。

なぜ子どものための保育園なのに親の会が必要なのか、親の親睦は必要なのか、父母会とは何なのか、何のためにあるのか、なぜ全員参加なのか?私なりの結論を書いて「返事が欲しい」と渡したのです。

父母会は何のためにある?


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手紙には以下のようなことを書きました。

保育園に私たちは子どもを預けている。預けているということは保育園の方針に従うということです。基本的には合意して預けていますが、もしも園が保育の方針を変えるということがあったらどうでしょうか。

たとえばある日突然「明日から毎日全員お弁当持参です」というようなルールを言いわたされてしまった場合......

ひとりひとりは不満に思っても、面と向かって反対意見は言えないかも知れません。言える方は少数派でしょうから「ごく一部の苦情」として握りつぶされてしまうでしょう。しかしそんなとき、父母会として全体で抗議をしたとしたら、園は意見を聞かざるを得ません。

大切な子どもを預ける園という組織が私たち保護者が望まない方向へ動くのを止めるための対抗勢力として、父母会という組織は必要なのではないでしょうか?

園に対する対抗勢力だから、できるだけ多くの保護者が集まった方がいい。父母会で決まったことが親の総意だとなれば、意見も通りやすいから、できれば全員参加のほうが望ましい。だからあなたにも加入して欲しい...... と私は思うけれど、あなたはどうですか?

手紙という手段をとったのは、1人対大勢でつるし上げのようになるのを避けるためと、正式な意見として父母会の定例会にかけるため、という理由がありました。同時に「たぶん返事は来ないだろう」と読んでいました。

案の定、返信はありませんでした。

そこで毎回の定例会で「回答待ちです」とし、会計上は会費は未納扱い、子どもは行事に参加させるということで、何とか形をつけました。

やがて任期が終わり、未納の追徴や処理は翌年の父母会に託し、私は会長を引退しました。父母会の存在意義を手紙で説いたものの、個人的には「こんなめんどうな組織とはもう関わりたくない」という思いでした。

中学でPTAのイメージが一変


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小学校ではできるだけ役員からは逃げ回っていました。ちょうど体調を崩すことが続いて、引き受けられなくなったという事情もありました。

しかし永久に逃げ回ることはできません。末っ子の小学校の役員を逃れるために「中学の方が小学校よりやりやすいかも」と、上の子の通う中学でPTAの役員を引き受けることにしました。

中学の役員になってみて驚きました。楽しいのです。

中学ともなると、誰もがこれまでの子育てで役員を経験しています。役員慣れしているから話も仕事も早いし、人に仕事を押しつけることもない。子どもも大きくなっているので、夜にみんなで飲みに行くのも問題なし。いい人ばかりで、普通に友達づきあいができます。引き受けてよかったとしみじみ思いました。

振り返ってみると長女が保育園に入った頃から20年近く、ときにディープに、ときに距離を置いて父母会・PTAとおつきあいをしてきました。楽しいことも、不愉快な経験もありましたが、父母会やPTAには一定の存在価値があるというのは事実です。

批判をする方、役員から逃げ回る方、さまざまな考え方がありますが、考えてみれば子育て中しか関われない組織です。一度くらい、思い切ってその中に飛び込んでみるのもいいのではないでしょうか。

【ライター 曽田 照子】
書籍、広告、WEB、フリーペーパー、情報誌など、多彩な媒体に執筆。
著書
「ママが必ず知っておきたい!子どもに言ってはいけない55の言葉」メイツ出版
「『お母さんの愛情不足が原因』と言われたとき読む本」中経の文庫
「お母さんガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気を失う言葉66」学研パブリッシング等。

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