かつお出汁を使いこなせば料理のレパートリーが10倍に!?

たまに、仕事で出会った方たちに質問をしてみると、その中で度々耳にするのが「かつお節から出汁をとってみたいけれどやったことがない」という答え。

お料理を作るとき、「かつお出汁」を使っていますか? たまに、仕事で出会った方たちに質問をしてみると、その中で度々耳にするのが「かつお節から出汁をとってみたいけれどやったことがない」という答え。そこで、お味噌汁の出汁などに何を使っているの?と聞いてみると「出汁パック」を使用しているとのこと。かつお節を使ってみたいのに、なぜ使わないのだろう?と再び聞いてみると「作り方を知らない」、または、作り方は知ってはいても「面倒くさい」「沢山いらない」などという回答がほとんどです。

「出汁の取り方」をレシピ集などで見てみると、かつお節を濾すのにキッチンペーパーや布を使用し、水1ℓを使用する、などと書かれており、一気にハードルあがってしまうのかもしれません。それに1ℓ分もの出汁を作ってしまえば、ひとり暮らしでなくても、使いきれずに無駄になってしまうこともありますよね。

確かに、かつお出汁を自家製で作るのにはひと手間かかります。でも、そのひと手間をかけることで、料理のレパートリーが増えるだけでなく、味にも深みがでて、市販の出汁とは違った美味しさを味わえるのが魅力です。そこで、誰にでもできる簡単な方法、料理の世界からすれば邪道なのかもしれませんがコスパ面もいいので、これまで躊躇していた方にもぜひ試して頂きたい方法をご紹介します。

材料

・かつお節:5g(1つかみ程度)

・水:約700mℓ

作り方

①鍋に水をいれ沸騰させる

②かつお節を入れ、1分ほど沸騰させる

③そのまま5分ほど放置してから濾す(金網のザルなどでOK。油を濾したものと併用しない)

メモ

スーパーで大袋に入って売っているかつお節または、お中元等で頂く小袋包装されたかつお節でもOK

以上がズボラなかつお出汁の取り方です。この方法では、通常のレシピよりも薄い味のかつお出汁ができます。できあがった出汁の使い方ですが、

◎当日:お味噌汁等で使ったら、残りはストックとして冷蔵保存。濾したかつお節は冷奴やサラダのトッピングにしたり、納豆に混ぜ合わせたり、ふりかけにしたりすることでムダなく食べられます。

◎当日以降:料理を作るときの「水」に置き換えて和食以外でも様々な料理、カレーやスープなどにも使えます。

今回のレシピのポイントは2つの「量」。1つめは、水。水の量が多すぎると使い切れずに、結局は古くなって捨ててしまうことに。そこで、少量で作ることを習慣にしましょう。

それでも余ってしまった場合は、残りの出汁を保存容器に移し替え、冷蔵または冷凍保存しておきましょう。たとえば、蕎麦やうどんの濃縮麺つゆを使用する際に、水を「出汁」に置き換えたり、ラーメンなどを作る時も備え付けのスープを全部使うのではなく、スープを少量減らして「出汁」を使うなど、ふだん水を使っているところに「出汁」を使うと、風味が良くなると同時に、塩分量を控えめにすることができます。

2つ目のポイントは、かつお節。通常のレシピを見ると、今回の5倍程度の量のかつお節を使用していることがあります。でも、それではあっという間にかつお節を消費してしまい、度々購入に行く必要がありますし、コストも気になります。そこで、ビギナーさんに向けには取組みやすいレシピが一番!ということで、コスパがよく、風味をほどよく味わえるかつお節の使用量を今回のレシピでは紹介しています。出汁を使い慣れて、かつお節ラバーさんになったら、もっと量を増やしてもいいかもしれませんね。

慣れてくれば自分好みのかつお節や水の量が把握できますし、目分量で作れるようになります。また、慣れてくれば、本格的な出汁を取りたい!という意欲も生まれ、1番出汁、2番出汁、昆布との混合出汁など、新たな味への興味も生まれるかもしれませんし、日本全国のさまざまな鰹にこだわるなど、産地へのこだわりがでてくるかもしれません。

ぜひ、かつおの豊かな香に包まれながら自分好みの味を発見してみてください。そして、オリジナルの出汁を使いこなして料理のレパートリーをぜひ10倍に増やしてみてくださいね。

文章:太田 亜紀(五感美養アドバイザー®)