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被災状況を市民の力で集約−−伊豆大島の情報をマッピングする「台風26号被災状況マップ」が、有志の集いからスタート

2013年10月16日 23時46分 JST | 更新 2013年12月16日 19時12分 JST

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10年に1度と言われている大型で強い台風26号が、10月15日から16日にかけて日本列島を通過しました。

東京都心でも各種交通網が停止し、緊急避難を呼びかけるなどの取り組みが行なわれていました。防災警報や大雨洪水警報といった気象庁の発表をもとに、各自治体も、避難所への誘導や水害が及ぶ地域に対して河川状況をつぶさに発信するなど、それぞれの自治体の動きも見受けられました。

そうした中、台風26号で被災した伊豆大島の情報を地図上に集約する「伊豆大島台風26号被災状況マップ」が、オープンで自由な地図データを作成するプロジェクトの「OpenStreetMap」ユーザを中心に呼びかけ、クライシスマッピングチームを構成してサイトの開設を行ないました。

災害情報や避難状況、支援情報などを同サイトではレポートでき、投稿された情報が随時サイトに反映されるようになっています。また、気象庁などによる公式発表や被害状況を伝える報道のリンクの投稿なども掲載されています。

同サイトは、全国各地にいるエンジニアが被災状況を集約し、少しでも被災した状況に対して解決を行おうとする取り組みとして始めました。海外では、こうした地域の課題解決などをテクノロジーを活用する人を「Civic Hacker(シビックハッカー)」と呼んでいます。

伊豆大島では、一時間に100ミリ以上もの雨が降り、6時間の雨量が549.5ミリを記録し、短時間強雨のワースト日本記録だったと言われています。こうした状況の中、土砂災害などによって多数の被害がでる状況となりました。

Twitterや町での防災無線の呼びかけや気象庁が大雨洪水警報、土砂災害警戒警報などの注意を伊豆大島では呼びかけていましたが、避難勧告などの住民の避難への徹底不足があったのでは、と指摘されています。災害から逃れることはできないからこそ、日ごろの準備や習慣的な災害対策の徹底を行ない、いざという時や想定外な状況を作らないように備えるようにしておくことが大事です。同時に、事が起きた時にはそれぞれでできることをやることも必要です。遠方にいる人でも、被災地に対してできることは大いにあります。特に、IT技術が災害に貢献する部分は大きく、こうした取り組みが、いつでも取り組める体制づくりをしておくことが大事なのではないでしょうか。

行政の取り組みをオープンにし、多様な業種の人たちとのコミュニティを作りながら、地域の問題解決を図ろうと取り組んでいるCode for Japanや、東日本大震災に対し、開発スキルを役立てたいというIT開発者の想いからスタートした開発者コミュニティのHack for Japanなどの様々な団体や組織が、こうした問題に取り組もうとしています。こうした団体は、日本におけるシビックハッカーコミュニティを作り、少しでもテクノロジーを社会に役立てようと取り組んでいるのです。

エンジニアができることデザイナーができることなど、それぞれができることを通じて問題解決を行おうとする取り組みはいくつもあります。政治や行政、民間、そして個人といったそれぞれのレイヤーでできることもあります。ただ見るだけではなく、自分ができる身近なことから、地域の問題や社会の問題について一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。ぜひ、情報をお持ちの方は伊豆大島台風26号被災状況マップにてレポートをお願いいたします。

【関連リンク】

伊豆大島台風26号被災状況マップ

OpenStreetMap

執筆者:江口晋太朗

1984年生まれ。福岡県出身。元陸上自衛官。編集者、コンテンツディレクターとして、執筆活動や情報設計や情報環境デザインをもとにしたコンテンツ企画制作やプロデュース等をおこなう。コミュニケーションデザインや場作り、ファシリテーションをもとに、情報・環境・アート・デザイン・テクノロジーなど、ジャンルを超えた様々な分野を横断しながら、「環境の編集者」として、より良い今と未来を作る活動を行なっている。著書に『パブリックシフト』など。

(※この記事は2013年10月16日の「マチノコト」より転載しました)