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アーティストグリーンカード(EB-1永住権)申請当時に誰かに教えて欲しかったこと

2015年06月21日 21時19分 JST | 更新 2016年06月21日 18時12分 JST

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(Model: Yuriko Miyake, Photo by Hiromasa Ohtsuka)

わたしは俳優/モデルとして活動した実績を申告し、「アーティストグリーンカード」と呼ばれるアメリカ永住権(「EB-1永住権」と言います)を2011年に取得しました。その申請準備から取得までのプロセスを振り返って、申請する前や申請中に知っておきたかったなぁ、と思ったことをまとめてみました。

すでに申請した経験のある方にとっては当たり前だと思われることばかりですが、主にこれからアーティストグリーンカードやアーティストビザ(「O-1ビザ」と言います)を申請しようと思っている方にとって、何かひとつでも役に立つことが見つかればうれしいです。

其の一。相談するなら、友達やネットではなくビザ専門家に!

いきなり投げましたが...。猫の手も借りたいストレスフルなビザ問題。ビザには夢やアメリカでの生活がかかっているので悩みは深刻です。借りるなら、猫ではなく専門家の手にしましょう。

というわけで、今すぐ移民法の弁護士さんのカウンセリングを受けることをおすすめします。

ご存知の方も多いかと思いますが、EB-1永住権とO-1ビザは、俳優以外にも、ダンサー、モデル、監督、コメディアン、脚本家、小説家、デザイナー、料理人、画家、イラストレーター、グラフィックデザイナー、ミュージシャン、作曲家、スポーツ選手、科学者、研究者、、、などなど、それぞれの専門分野で「卓越した能力を持つ」と認められた外国人に発行されます。そのため、専門分野で豊富な経験があること、米国内外において著名であること、などを証明する資料を提出する必要があります。

ただし、「卓越」とは言っても、オリンピック金メダル!アカデミー賞受賞!年収数十億!レベルで卓越していなくともじゅうぶん可能性はあります。

自分の実績が、移民局に「卓越」だと認められるための基準に当てはまるかどうかの判断は、移民の専門家に聞いてみるのが一番です。アーティストの経歴は個人差が大きく、また、移民法は時とともに変わる可能性がありますので、周りの人にむやみに相談したり、ネットで手当たり次第に情報を集めたりすると、間違った/独断と偏見に満ちた/期限切れの情報により、かえって混乱を招く恐れがあります。

例えばわたしは、O-1ビザを取得した友人に弁護士を紹介してもらったり、申請中に彼ら自身の状況や気づきをシェアしてもらったりしたことはとても役に立ちましたが、モデルの実績は考慮されない、グラビアの実績は男女平等の観点から不利になるので隠したほうがいい、などのアドバイスをいただいたり、学生のステイタス(F-1ビザ)からEB-1永住権を申請をすることについて、そんな話はありえない、詐欺だろう(※)というご指摘をいただき、不安になることもありました。

(※EB-1永住権は、O-1ビザで数年働いてアメリカでの実績を貯めてから申請する人が多いようです。)

しかし、実際に専門家の意見を聞くことで、これらの不安は一気に解消。何が必要なのかを冷静に判断し、その後はより効率よく動けるようになりました。

其の二。 弁護士選びの決め手は、腕のよさと相性のよさ。

話を聞くと決めたら、さっそく弁護士さんを探し始めましょう。ネットや新聞に情報が載っていますし、友達の口コミも重宝します。英語が心配な場合は、日本語のできる弁護士さんを選ぶとよいでしょう。

弁護士=高額というイメージがあるかもしれませんが、初回カウンセリングを無料でやってくれる方はいます。とくに誰かからの紹介だとその可能性が高いようです。

弁護士費用は、O-1ビザだと約2500-5000ドル、EB-1永住権だと約6000-8000ドルくらいが一般的で、一部か全部を前払いの場合が多いよう。最低でもふたり以上の弁護士さんに会ってみるのがいいでしょう。

というのも、実績が不十分なクライアントを巧みな言葉でビザ申請に誘導し、弁護士費用を払わせた後は知らんぷりという悪質なケースも聞いたことがあるからです。クライアントからの評判の高いきちんとした弁護士さんなら、現時点で無理なら無理と正直に言ってくれるだけでなく、それ以降どう動けば効率よくビザが取得できるのかアドバイスをくれるはずです。

また、準備も含めて申請期間が数年に及ぶ場合もあり、その間にいろいろな疑問や不安が湧いてきます。そういうときにきちんと弁護士さんとコミュニケーションをとれないとストレスになりますので、仕事ぶりを信頼でき、かつ相性の合う方にお願いできれば理想です。

其の三。申請準備には主体性を持って参加しよう!

すぐに専門家に相談するのがだいじだと言っても、申請を弁護士さんに任せっきりにしていてはいけません。

わたしが雇った弁護士さんは、「先生」よりも「ビジネスパートナー」という表現が近い存在という印象で、申請準備は二人三脚で行いました。その際は、自分でもリサーチをしっかり行い、移民局が指定する基準のうち、自分がアピールすべきはどれなのかはっきりさせておいたことが役に立ちました。例えば、EB-1永住権の場合は、10の基準があるうちの3つを満たせば認められるのですが(2011年の情報)、そういった詳細を知っておくことで、自分の実績にとって一番有効な進め方を知ることができ、弁護士さんと足並みを揃えることができます。その上で、不明な点があれば遠慮なく突っ込んで質問し、彼らの仕事ぶりを常に監視することが大事だと思います。

周りのアーティストの友人たちの話を聞いてみても、移民弁護士さんの仕事は基本的に、方向性を示して誘導してくれること、資料を効果的にまとめて巧みにカバーレター(目次とまえがき)を書いてくれること、このふたつだけ(※)と思っていたほうがいいと思います。その他の部分はわたしたちの仕事です。記事集め、推薦状集め、コピーと印刷、日本語の翻訳など、たくさんの作業にわたしたちが率先して取り組まなければ、申請準備は前に進みません。関係者各位に頭を下げ続け、寝る間を惜しんで膨大な英語の専門用語と格闘しているうちに、なけなしのお金...あんなに払ったのに...というダークな考えに人格を支配されそうになってしまうかもしれませんが、頑張りどころです。

(※ ふたつだけ、と言ってもたくさんの知識と経験の蓄積を元にしたすごいことなのですが、申請準備中の友人から「ねぇ、弁護士ってこんなに何もしてくれないものなの?」という相談を受けたことがあるので、日本の弁護士先生のイメージとギャップがあるかもしれないことを頭に入れておくと余計なストレスを感じなくてすむかと思います。)

提出用の資料がまとまったら、目を皿のようにして、すみからすみまでチェックしてください。ここでクライアントとしての役割を怠ってトラブルになったケースは珍しくないようですので、くどいようですが心を鬼にしてもう一度言います。

弁護士さんに任せっきりにしてはいけません!

いつもより太く斜めになってしまうくらい力を込めました。ここでミスがあっても弁護士さんのせいにはできませんので、後で悔しい思いをしないように十分注意してください。

チェックポイントは、以下の3つです。

1) 誤字脱字、なしっ!

(個人情報と申請するビザの情報は必ずチェック。ここを間違うなんて冗談のようですが、本当にミスがあるんです。)

2) 抜けている資料、なしっ!

(カバーレターで言及されている推薦状、記事、写真、ぜんぶ入っていますか?)

3) ねつ造されている資料、なしっ!

(これは問答無用!)

お疲れさまでした。ここまで来たら、後は合否の知らせを待つのみです。いくら心配しても移民局が急いでくれるわけではないので、気持ちを切り替えて、自分の専門技術を磨くことに専念しましょう。

☆☆☆

長々と書きましたが、要は移民弁護士さんのところに一刻も早く行ってみよう!というのがわたしの最大のアドバイスです(ここで書いたことも「個人の経験に基づくネットの情報のひとつ」に過ぎませんので...)。

実績を十分にそろえることに加えて、腕もよく相性もよい弁護士さんとタッグを組んで効率よく動くことが、EB-1永住権/O-1ビザ取得の近道です。アメリカ政府だって、才能と実力とやる気のある外国のアーティストたちには、どんどん自国で活躍して欲しいと思ってくれているはず。

ではでは、グッドラックです!

(2014年4月10日の気まマホ日記より、日本語部分を転載)

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(グリーンカード本体は、何の前触れもなく普通郵便に紛れてぽろっと届きます。最重要書類のはずなのに、扱いが雑すぎて笑いました。あまりにも無防備。後からわかったことですが、郵送中の盗難を防ぐ目的のためにわざとこの方法を選んでいるらしいです。)