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積極奇異型アスペルガーの僕が、だからひとりが好きな理由

2017年07月19日 22時05分 JST

僕は3歳になる少し前に自閉症の一種、アスペルガー症候群と診断されました。

自閉症と言うと、殻に閉じこもって誰とも話さず一人でいるのが好きっていうイメージを浮かべる人が多いかもしれないけれど、僕は人、特に大人とコミュニケーションをとるのが大好きです。僕の興味のある話題限定なんだけどね。

そういう僕みたいなタイプの人は、アスペルガー症候群の積極奇異型って言われています。

初めて出会った人にも積極的に挨拶して自分の好きなことを話し始めようとします。でも、相手の人が僕の話に興味があるのか、もう終わりにしてほしいのか、そういう事を察知するのが苦手なので、一方的に話し続けてしまいます。

そんな僕ですが、保育園にいた頃の僕は、一人が好きでした。

その頃は、なんで一人が好きだったのかはわかっていなかったけれど、今思うといつもざわざわしている園庭や、突然大声を出したりする子、給食の混ざりあう匂いや、ホールに鳴り響くピアノの音と合唱の声が混ざり合うのを避けたかったんだと思います。

後に僕は、感覚統合障害(感覚の過敏と鈍麻の混合型)があったからそういう状況がしんどかったんだと知りました。

友達と遊びたくても、どうやって仲間に入れてもらえばいいのかわかっていませんでした。

僕は鬼ごっこが好きだったんだけど、僕が鬼ごっこをしようって言っても他の子が「いやー」って言ったらそれでパニックになってしまうから、他の子は僕と遊んでくれなくなったんです。

みんなと一緒にいたかったけど、一人でいるしかなかったって言った方が正確かな。そんな保育園時代。

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Photo by Belajati Raihan Fahrizi

小学校に入ってアメリカに引越ししてきて、ソーシャルスキルというものをたくさん教えてもらいました。

そこで僕は、僕以外の人の気持ちの存在に気づいたり、他の人が僕の話に興味があるのかないのかを、相手の表情とか相槌の仕方とかから判断できるようになりました。

自閉症ではない人は、こういう事が自動的にできるらしいけれど、僕は今でもそれを一つ一つ意識しながらじゃないとわかりません。

でもそれでいいんです。自動的に空気を読むことはできないけれど、空気を作り出しているものの正体を見つけてそれを分析できるようになったから。ちょっと大変だけどね。

小学校の頃の僕は、みんなと一緒にいる為の術を身に着けだしていた。

だから少しずつ一人でいる事が少なくなった。でもちょっと疲れていた。

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Photo by EB Pilgrim

僕の中学校はすごく小さい学校で、ひと学年が50人程度です。

だから同じ学年の子だけでなく、すべての学年の子供達も先生も、学校全員が僕の事を知ってくれています。

最初の一年は、小学校の頃の延長で、まわりと溶け込もうとする努力をすることで少し疲れていました。疲れていたから、ささいな事でパニックになったりして、教室のそとでカームダウンすることが何度もありました。

でも学校のみんなは、

「ざわざわした環境やにおいが混ざるのが苦手だったりで疲れちゃう。でもそういう時はその場から離れて一人で落ち着きを取り戻し充電をすることでまた輪の中に戻って来れる」

という僕の事をよく見て知ってくれていました。一人でいる時間が必要なんだなって。

そんな風に僕の事を全部受け止めてくれる子が、中学校の中に沢山います。

僕に初めて友達ができた場所です。

音やにおいの刺激が多すぎて疲れた僕が友達の輪から離れても、友達はそれを理解して待っててくれています。そんな風に僕の事を理解してくれ待ってくれている友達ができて初めて、

「実は一人でいるのが好きで、一人でいる事で充電できる。無理矢理だれかに合わせることで疲れ果てるんじゃなく、一人でいる時間を大切にしてもいいんだ」って一人でいる事に僕は自信を持てるようになったんです。

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Photo by Português

だから今ははっきり「ひとりが好き」って言えます。

もう孤独じゃないし、自分を取り繕わなくてもいい友達がいるからです。

戻りたい時に戻れる場所。遊びたい時に遊べる友達がいる今だからこそ言える「だから僕はひとりが好き」。

高瀬真歩の長男の「僕」より