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Manfred Stelz Headshot

【スペイン・サンティアゴ巡礼】起きて、歩いて、食べて、寝る。巡礼旅の日常風景

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世界でもっとも有名な巡礼地のひとつである、スペイン北西部のキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラ。

日本人女性と結婚し、ハネムーン代わりにそのサンティアゴを目指して巡礼路を歩くことにした、ドイツ人のマンフレッド・シュテルツ氏の手記をお届けしています。

旅の途中の「特別なことは何も起こらなかった一日」は、かえってあとで懐かしく思い出したりするものですが......。

11th day 〈Villamayor del Rio → Villafranca Montes de Oca, 16.7km〉


目が覚めて、起き上がって、パンとバター、ジャム、バタークッキー、そしてコーヒーの朝食をとる。宿のオーナーにさようならを言う。

昨日たくさん歩いたので、今日の道のりは20km弱と決めて、そしてまた歩き出す。太陽が顔を出す。体は軽い。

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特別なことは何も起こらない。ただただ道が続くだけだ。僕たちは途中小さな町で休憩し、バルに座ってコーヒーを飲み、チーズとチョリソーがはさまったボカディージョ*を食べた。
*スペイン風のバゲットサンド

太陽が照り付け、手の甲をじりじりと焼く。グローブも必要かもしれない、と僕は考える。

しかし、ほかの旅人たちが肌をむき出しにして歩いているのが、僕にはとても理解できない。例えば、今日僕らの前を歩いていたイタリア人の2人組。

方角的に背後から太陽に焼かれる時間が長いものだから、彼らのふくらはぎは真っ赤に日焼けしている。肌への悪影響を考えるとゾッとする。彼らは僕の完璧なUV対策を参考にするべきだと思う。

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僕たちは歩き続ける。トラックが騒々しい音をたてて走り抜ける大通り沿いを行く。風が吹いて、ゴミが僕の目に入る。サングラス嫌いの妻が、この旅で初めてサングラスを取り出した。

12時半にビジャフランカ・モンテス・デ・オカ(Villafranca Montes de Oca)という町に到着した。ここが今日の目的地だ。

アルベルゲ*にチェックインし、シャワーを浴びて、洗濯をして、買い物をして、軽く昼食を食べて、そして昼寝をする。目が覚めたらもう夕食の時間だ。
*サンティアゴ巡礼者用の宿

このアルベルゲは一般のホテルと共同運営されていて、僕たちはピルグリムメニューが準備された併設のレストランに入り、僕はタラとサラダとアイスクリーム、妻はナスの肉詰めとスパゲッティとヨーグルトを食べた。

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テーブルでは、68歳になるというイタリア人男性が一緒だった。彼は自転車での17日間のカミーノの最中だという。「それが妻が僕に許した最長日数なんだ」と彼は自嘲気味に笑った。

カミーノは、リタイアしてからずっと彼の夢で、天気や軽い事故、パンクなどに悩まされながらも、こつこつと前に進んでいるそうだ。

遠くには、昨日のアルベルゲで一緒だったカップル、ゲイリーとジニーの姿が見えた。彼らは今日、ホテルエリアのダブルルームに泊まっているようだ(羨ましい!)。

一方、12人が眠る僕らの部屋ではあいかわらず誰かのいびきが響いていて、僕はまた眠れずに、それをiPhoneに録音した。あとでネットにアップしてやるんだ!

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※この手記は、妻で編集者の溝口シュテルツ真帆が翻訳したものです。妻の手記はnoteで公開しています。