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Manfred Stelz Headshot

【スペイン・サンティアゴ巡礼】スペインの"サバンナ"で食べるお手製パエリア

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世界でもっとも有名な巡礼地のひとつである、スペイン北西部のキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラ。

日本人女性と結婚し、ハネムーン代わりにそのサンティアゴを目指して巡礼路を歩くことにした、ドイツ人のマンフレッド・シュテルツ氏の手記をお届けしています。

巡礼路は街を越え、難所のひとつ、延々と続く乾いた台地メセタへと続きます。

13th day 〈Villafria → Hornillos del Camino, 30.0km〉

昨夜は個室に泊まったおかげで、いびきや騒音に悩まされることなくよく眠れた。少しゆっくりめの朝6時半に起き出して、パッキングを済ませると階下に降りて行く。レストランにはカフェ・コン・レチェとクロワッサン、パンが準備されていた。パーフェクト。

外の空気はまだ冷たかったが、天気は悪くない。僕たちはインダストリーエリアを歩き始めた。途中、いくつも大きな車道沿いを歩かなければならなかったが、車の姿はほとんどない......と思ったところで気が付いた。今日は日曜日なのか。

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ブリヂストンの工場を通り過ぎると(ひどいゴムの臭いがした)、ブルゴス(Burgos)の街が近づいてきた。酔っぱらった若者たちが肩を組みながら道の真ん中をフラフラと歩いている。まだ音楽を鳴らしているクラブの前には、大勢の人がたむろしていて、パーティーは続いているようだ。

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さらに行くと街の中心地にあるカテドラルが姿を現した。なんて美しいんだ! 僕たちはベンチに腰かけて、壮麗なカテドラルを見上げながら休憩を取った。近くに座っていたアメリカ人カップルの男性のほうが、彼女に向かって妙にカン高い声で懸命にガイドブックの説明を読んでいるのがちょっと鬱陶しかった。

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ここブルゴスに滞在する旅人も多いようだけど、僕たちは先へ進むことにした。変にジグザグした車道沿いを歩く。

ここからの道は「メセタ」と呼ばれるカミーノの難所とも言える地域だ。ただただまっすぐな、木もない、川もない、街もない、なにもない台地が200kmも続く。あるのは畑と、点在する小さな村々だけだ。ガイドブックには「アフリカのサバンナのようだ」と書かれている。

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僕たちは目的地のオルニージョス・デル・カミーノ(Hornillos del Camino)に向けて歩き続けた。今日の歩行距離はちょうど30kmだった。最初に見つけたアルベルゲ*はすでにいっぱいで、次のアルベルゲも空いているベッドはひとつだけだという。するとオーナーが、さらに別の宿を紹介してくれて、もしそこがいっぱいだったらここへ戻ってこいと言ってくれた。果たしてその宿も満杯だったため、妻はベッドで、僕は床かカウチで寝ればいいということにして、オーナーのところへ戻った。
*サンティアゴ巡礼者用の宿

シャワーを浴びて、洗濯をして、ようやくひと休み。ディナーはオーナーご自慢のお手製パエリアらしい。フランス人、ドイツ人、韓国人、ブルガリア人たちとともに庭にセッティングされたテーブルについた。パエリアと、出された土地のワインは最高に美味で、フレッシュなサラダとパンも添えられていた。

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ひと通り食べ終わると、オーナーがこれも手作りだというコーヒーリキュールを勧めてくれた。これも実に美味しかった! 僕たちは冗談を言い合って笑う。よい夜だ。

12日目の手記を読む

※この手記は、妻で編集者の溝口シュテルツ真帆が翻訳したものです。妻の手記はnoteで公開しています。