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池原真佐子 Headshot

【美しく生きる人を増やすお仕事】対談 vol.2 〜自己表現は新しいエンターテインメントである〜

投稿日: 更新:
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<インタビュアー>
徳橋功

徳橋:
「美しく生きる人を増やすお仕事」 というテーマで、MANABICIA池原真佐子さんとの対談シリーズをスタートしていきます。今回は第2回目です。
(第1回目 EDAYA・山下彩香さんとの対談はこちら

<ゲスト>
MANABICIA 池原真佐子
ストリートアカデミー 藤本崇
Media/Contents Producer 石山城

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画面向かって左から石山城、池原真佐子、藤本崇

徳橋:
池原さんはMANABICIAで、女性が「何か新しいことに挑戦する、一歩踏み出す」ことをサポートする、女性のキャリア・メンタル支援をされています。

そして藤本さんは、自らが持つスキルをシェアするワークショップやセミナーを自由に開催できるプラットフォーム「ストリートアカデミー」を運営していますね。

石山さんは、メディアやコンテンツのプロデューサーという立場で、様々な企業、人、プロジェクトをメディアという立場からつなぎ、プロデュースし、社会の中で大きなインパクトを生み出しています。

3人とも、立場は違っても「大人が学ぶ機会を提供する」ことや「人とのつながりを作る」「人との出会いを通じて自己表現をし、最高にハッピーな人生を送るためのお手伝いをする」「人が幸せになれる社会を作る」という部分で共通すると思い、この度は「学ぶこと」「学びを通じて自由な生き方を手にいれること」を中心に、3人のお話を伺うことにしました。

皆さん、全く異なる分野のように思えますが、そこには「人の成長を支える」という共通点があるように思います。


「ちょっとやってみる」が大きな一歩に

徳橋:
池原さんの手がけていることは、藤本さんが運営するストリートアカデミーと共通する部分がある気がしますが、いかがでしょうか?

池原:
そうですね。藤本さんが実現可能にしている「教えること・教わることを"ちょっとやってみる"」というのは、とても大事なことだと思っています。

私が見てきた多くの女性は、いきなり大きなビジョンを見つけなければいけないと思い込み、そこで挫折してしまう傾向があります。しかし大きな夢やビジョンは突然見つかるものでもないので、結果、一歩も動けずに何年もじっとしたままという方もいらっしゃいます。大切なことは、完璧なビジョンが天から降ってくるのを待つのではなく、少しでも興味があるものを見つけたら「まずはちょっとやってみる」「少しでいいから足を踏み出してみる」ことだと思います。

私自身、「女性がいきいきと働くためのお手伝いをする」というビジョンに行き着いたのは、小さな行動を積み重ねた結果で、突然「これをやりたい」と閃いたというわけではありません。

また、「ちょっとやってみる」という行動と同じくらい大切にしているのは、大人になっても学び続けるということです。学びは、色々な視点を得られるきっかけになります。視野が広がれば、選択肢も広がる。そうすれば新しい行動に踏み出すこともできる。

だけど、経済協力開発機構(OECD)が2012年に実施した「国際成人力調査」によると、成人になって学ぶ人の数は、日本は他の先進国に比べとても低いそうです。学ぶと言う行為は学生までで、大人になったら学ばなくてもいい、仕事はOJT、つまり現場で身につければいいというイメージがあるのかもしれません。

学生時代に身につけた知識やスキルはすぐに古くなってしまうので常にアップデートし続けなければいけませんし、一つの組織で受けたトレーニングも他の環境では使えないこともあるので、組織外でも学び、広い視点を身につけることも大切ではないでしょうか。

「行動」そして「学び」- このようなインプットとアウトプットのサイクルは、自転車の両輪のようなもので、人が前に進む時には欠かせないことだと思います。「やりたいことがわからない」「好きなことがわからない」という場合は、そのサイクルの回転数をどんどん増やしていけばいいのではないでしょうか。そこで失敗しても全然良いと思います。失敗が多ければ多い程、やりたいことを見つけられます。日本の学校教育の中だと、失敗しないように、と教えられることが多かった気がします。

失敗しないようにすると、行動しなくなる。そうすると、自分のやりたいことがわからなくなる。だから「自分のやりたいことがわからない」となる人が多いのではないでしょうか。

石山:
社会に出てからの学びの方が大事なのにね。社会人になってからの方が、学生の時の100倍本を読んでいるし、100倍人と会いますよね。

藤本:
義務教育って、大人が定義した「社会の一員として人に迷惑をかけずに一人で生きて行ける力やスキル」を大人が設計した小中高の12年間というプロセスで教わるということですよね。例えば読み書きができれば他人とコミュニケーションが取れるとか、算数ができればお金を稼ぐことができるとか。

生きるために必要なスキルはそこで教わることができるんですけど、自分が何をやりたいかとか、どうやってそれを見つけるかなどについては、教えてくれません。大人になって初めて何でもやって良い「自由」が得られるのに、それに気づかずに、就職とか所属とか敷かれたレールに乗っかって、学校の延長戦上みたいに集団行動を気にして自分の行動を抑制して生きている人が多いと思うんです。特に日本人は。

そういう人に対して僕は「好きなことを探してみたら、何だってやろうと思えばできるよ」って伝えたいなと思ったのです。ただ、自由とか好きとか、そういう個人の能動的な感情について他人の僕があれこれ言うのは効果的じゃないなって思ったので、そういう人を世の中に増やしたいと思ったときに、個別に語りかけるよりも、単純に自由に生きている人を増やして事例として提示することで、それを見た人が純粋に「なるほどその手があったか。じゃあ自分もやってみようかな」という模倣が起こって、自由に生きる人が増えると思いました。

まなびのマーケットという手段を取ったのは、教えたい人が講師として自立することを支援することで、人の役に立ちたいという想いがあって更に自分のスキルや経験をマネタイズ出来ている人が、正に「キラキラ輝きながら自由に生きている人」の事例になるかなと。同時に個人で教える人が増えると、学ぶ側のジャンルや金額や日時の選択肢も増えるので、何かを始めたいのに時間やお金で躊躇している人のハードルを下げるのにも役立つと思ったからです。

もちろん、たかが数時間の初心者向け講座で新たな分野での知識やスキルを完全に得られるわけではありませんが、やりたい背中を押すためのインスピレーションやきっかけを与えることは可能です。そして多くの人にとってはそれが一番のニーズではないかという仮説を持っています。

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僕自身、20代の頃、一旦サラリーマンとして就職したものの、やりたいことを模索する過程で映画監督やシェフを目指して専門学校に入退学を繰り返した時代があり、その時よく「もうちょっと後先考えて行動しなよ」というような大人なアドバイスを周りの人から頂いたのですが、でも僕は思ったのです。

「僕が取っているリスクは自分のお金の使い道だけだし、自分のやりたいことに向かって正直に生きていて何が悪い?ちなみにそういうあなたは今自分のやりたいことに従事しているんですか?」と。まあ実際にはそんな事口に出しては言わなかったけですけど(笑)、周りを見ていて自分のやりたいことをやっている人、探している人でさえも意外と少ないんだなと感じました。

それが先ほど言った「レールに敷かれた人に気づきを与えたい」ということにつながっています。


人との触れ合いに学びの本当の価値がある

石山:
僕は、教師には2種類いると考えています。先生である「師」と、同じレベルで共に学ぶ「同志」。これら2つの「し」(師・志)が揃うことで、成長が加速していくと思います。それが気軽にできる場で、いろいろと試すと良いのではないかと思います。

藤本:
その考え方、僕も同感です。学びの本質的な価値って人から得られる刺激そのものなのではないかと思います。そういった意味では学びには「場」の存在がとても重要ですよね。先生に限らず誰かの発言が新たな視点を与えてくるとか、その場の雰囲気だけで刺激になるとか、やってみている新たな自分の一面の発見になったりもします。学ぶ意欲の高い人は、知識や情報よりもそういった「ヒューマン・インタラクション」を求めていると感じています。

特にこれから何かをやりたいけど、まだ方向性や目的意識が定まっていないステージの人には、交流からインスピレーションを受けることができる学びの場は価値が高いみたいです。刺激が好きになり過ぎて「自分探し」のために色んな講座を渡り歩く人なども出てきます。

石山:
「自分探し」の一環で、あちこちのセミナーを渡り歩いている人たちがいますよね。でも自分探しというものは「ドーナツの穴を探す」ようなもので、穴そのものを掴んで取り出すことはできません。ドーナツがあるからこそ穴が存在する。つまり自分の周りを取り巻く人たちや社会があるからこそ自分が存在するわけですから。


揚げ足を取る現代社会

徳橋:
ここまでは「学びを通じて自由な生き方を獲得していく」という話をしましたが、ここで池原さんにお聞きします。 女性にとって「自由な生き方を阻害するもの」というのは、果たして存在するのでしょうか?

池原:
あると思います。女性の周りには、自由な生き方をしているロールモデルがすごく少ないように感じます。もちろん男性もそうかもしれませんが。自由奔放な女性というのは、憧れられる一方で、眉をしかめられることもある。例えば、私が大学院へ合格した時、年配の女性に「お嫁入りが遅くなるわね、女性がそんなに自由にしたらダメよ」と諭されたりしたこともありました(笑)あるいは「自由にできるのは独身のうちだから、それまでは挑戦しなさい」と言われ「え?結婚したら挑戦できないの?」と思ったことも。

女性の場合は、社会から暗に求められる「こうあらねばならない」という「期待される役割の数」が多いのかもしれません。「親孝行である」「結婚していること」「出産もして育児も手を抜かない」「彼や夫にいつまでも愛される」、「仕事もバリバリ」そして「いつまでも女性としてキレイで魅力的」・・・全てクリアしようとすると、もう、息がつまっちゃいますね(笑)。一方で男性は、女性ほど期待される役割の数は少ない一方、ひとつひとつは重いのかもしれませんけどね。

藤本:
ハードルが高いですね。

池原:
エグゼクティブでも独身だと「キャリアはあるけれど結婚できていないから自信が無い...」と言い、また、たとえ結婚していてお子さんがいらしても「私にはキャリアが無いから自信が持てない」となる。一方で、キャリアもお子さんもいる方は「家事が出来ていないから罪悪感がある」や「育児と家事は完璧なのに、女性としての美しさが減ってきて辛い」などと悩んでいらっしゃる。

常に全ての役割をパーフェクトに埋めようとして苦しんでいる気がします。多くの物差しがあって、その物差しの全てが8割くらい満たされていないと自信を失いがちです。

徳橋:
つまり「欠けているものを見つけようとしている」わけですよね。

石山:
世の中の視点が、今そうなっていますよね。メディアでも「見るのも飽きた男性タレントのワースト10」「なぜ売れているか分からない女性タレントワースト10」「いつまでそのブラック企業に勤めているの?」など、揚げ足を取るような記事ばかりです。

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アンチテーゼを並べても、ひとつのテーゼにもなりません。そんなことよりも、目の前にあるハッピーなことを並べるほうが絶対に幸せですよね。だから「これはダメ」「こんなことをすると嫌われる」といった空気に覆われた社会に辟易しています。「おいおい、だったらどうすればいいんだよ」と思って、その結果迷っている人たちが増えているのではないでしょうか。

自分の声に耳を傾けないと、自分の声が聞こえなくなってしまいます。自分に対して嘘をついていることにさえも、やがて気づかなくなります。

池原:
「こんなことできない」と諦めたり「これが足りない、あれば足りない」と不足を数えるのではなく「これがやりたいんだけど、どうやったらできるんだろう?」と考えていきたい。そうあるためには、周囲の期待に沿って生きるのではなくて、自分のやりたいこと、ありたい姿に正直でいたいです。

私の場合、両親や周囲からの期待や、女性としてこうあるべき、娘としてこうあるべきという考えを裏切り続けてきました。頑固でお転婆で言うことを聞かない娘だったと思います。とはいえ、それでも心の中では、プレッシャーを感じて潰されそうなことも多くありました。10代20代は「いい仕事に就くために勉強しなさい」と言われ、仕事をしていたら「結婚は?」と言われ、結婚したら「子供は?」と言われ(笑)自信を完全に失ったこともありました。

でもそのような時期を乗り越えられたのも、とことんまで悩んで、何か少しでも行動し続けたからだと思います。あとは、「無理なものは無理です」と開き直ったからです。

このように、自分が女性として苦しんだ経験や、プレッシャーで押しつぶされそうになった経験を元に、女性たちにとって生きやすい環境を作りたいと考えています。そしてひいては男性も一緒に、生きやすい社会になったらいいなと思います。

石山:
そのためには個人の意識だけでなく、社会システムも人々の価値観も変わっていく必要がありますよね。確かに緩やかに変わってはきていますが、もっと人の在り方はバラバラで良い。そして失敗しても元の場所に戻れるような社会に変わっていってほしい。僕はメディア/コンテンツプロデューサーとしてその部分の一助になりたいし、一方でカタリスト(触媒)としてあらゆる業界を飛び回って人と人をつなぎ、新しい価値を生み出したいと思っています。


︎働き方の選択肢は増えている

石山:
藤本さんや池原さんのところに行く人たちの多くは「何となくもやもやしているから、新しい自分を見つけたい」と思っているのではないかと思います。 そのような人たちに対しては「デュアルワーク(Dual Work: 会社に勤務しながら自ら事業を起こすこと)」や「パラレルワーク(Parallel Work: 複数の仕事や活動を同時並行的に行うこと)」いう選択肢を提示するのでしょうか?

藤本:
僕自身が特に働き方の選択肢として副業を啓蒙している訳ではありません。ストリートアカデミーでは会社員と週末講師を両立されている方もいらっしゃれば、フリーランスとして3足4足のわらじを回していらっしゃる方もいますね。働き方は様々です。一方で学ぶ方からすると「副業講師」とアピールされるよりは「本業でプロの方から教わる」という方が魅力みたいです。

僕自身は、働き方自体はどちらでも良いと思っています。それよりも、一人でも多くの方がどんな形であれ各々が持っているスキルを共有して講師デビューするという方に関心があります。ただ今年に入ってから特に、企業による社員の副業禁止規定がそういった「働く個人の自由な活動を抑制しているので撤廃すべきだ」というような風潮が政治討論やマスメディアでも注目されていますよね。ストリートアカデミーでもその社会的な流れに後押しを受けて、直近でも先生登録が増えてきています。

池原:
私は、もっと自由なキャリアの築き方があるという選択肢をどんどん提示していきたい。特に女性は結婚や出産を機にキャリアを諦めてしまいがちだけれど、色んな働き方があって、どのような形であっても自分らしく経験を積んで、そのスキルを社会に活かしていけると伝えたい。

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多様な働き方の一つとして、複数の仕事を持つパラレルキャリアや副業もありますよね。一つの仕事、組織の中だけに留まらず、もっと自分の枠を超えて、時には国境も超えて、どんどん視野を広げていければいいですね。

パラレルあるいはデュアルワークは、個人にとっても大切なことですが、企業にとっても、必要な視点だと思います。社員ひとりひとりが多様な経験を積み、外からの空気を吹き込んでくれる。そこに、新しいアイデアが生まれ、イノベーションが起きていくでしょう。

石山:
藤本さんと池原さんは、まさにデュアルワークやパラレルワークを人に提示しているわけですが、ご自身ではそれらはできていますか?

藤本:
こういう事業をやっていながら言うのも何ですが、全然やっていません(笑)言い訳をするとですね、僕は起業家なので今もこれからも、まなびのマーケットという事業を通じて社会を変えることに集中していて、事業を伸ばすにはフォーカスが大事だと日頃から考えています。

・・・というのは表向きの理由で、実はそもそも気質としてデュアルワークできるほど器用じゃないというのもあります(笑)

池原:
私はもともとずっと複数のことを並行してきた気がします。会社員の時から友人とキャリア関連の任意団体を立ち上げて運営していましたし、その後は会社員をしながら海外の大学院へ入学し、独立してからもその大学院に通って修士論文も書き上げました。現在も仕事と子育てを並行しています。複数の環境からの学びを循環させて行動に繋げていくのが好きです。時間と体力のマネジメントは肝ですが。


いただくだけでなく 与える喜びを

徳橋:
ここにいらっしゃるお三方は全て「自由な生き方を獲得し」「必要な情報を選択し」「リスクを乗り越えて」ここまできたわけですが、その際に大切にしてきた価値観というものがあれば、お教えいただけますか?

石山:
「自分が儲けることは、誰かを幸せにした対価である」。僕はそう考えています。誰かを喜ばせることを商売にしているので、ひとつでも多くの笑顔を作ることが、僕の稼ぎにつながっていると思っています。それと同時に僕自身が幸せになることが、誰かの幸せにつながるとも思います。

池原:
自分がいただいたものを、他者に対して伝えていく。それによって人が幸せになる。そのような他者貢献の循環をもっと作らなければならないと思います。これまでは自分が作ったモノを通して人がハッピーになるという仕組みでしたが、これからは知識や知恵、言葉、優しさ、思いやりなど目に見えないものを提供し合うような循環が大きくなっていくと思います。私はそれをずっと「美しい生き方」と呼んでいます。

石山:
僕も自分の経験や考えなどを、著書執筆や講演などでシェアさせていただいたり、また出身地の福島のメディア戦略のコンサルティングもさせていただいたりしています。涙を流して握手をしていただいたとき、僕は初めて人との触れ合いの喜びを知ったのです。

藤本:
自分がやっていることに対して、相手から直接「ありがとう」と言われる機会って重要ですよね。人間関係を大切にしてきたということがあります。ウェブでマッチングするのにあえてリアルに集まって学んで貰うという形態でサービスをやっているのも、そういう視点があります。

企業で勤めている方の多くは自分の仕事に対してフィードバックをくれるのは所属しているチームや直属の上司だと思います。でも自分のやっている仕事は上司を満足させることではなくて会社というフィルタを通してお客様のために何かを頑張っているわけじゃないですか。そうすると自分の向きあっている相手は遠いところにいるわけで。自治体が「住民の声を聞きたい」って良く言うのも同じ理由だと思います。

今の時代、社会の構造が複雑化してしまって、個人対個人のやりとりが希薄になっている気がします。「ありがとう」って言われることのありがたみも増したような気もしますけど、でもやっぱり人は常に誰かの役に立ちたいと思うものなので、「人に直接何かを与える機会を増やしてあげたい」というドライブは自分の中にありますね。

徳橋:
与えることの大事さは、僕も日々感じます。僕自身、インタビュアーは「相手を輝かせること」がミッションだと思っていますので、ギブ&テイクで言えば「ギブ」なのかな、と思います。もちろん、僕もお相手から珠玉の言葉や人生哲学をいただくので、テイクもすごく多いのは言うまでもありません。


自分に正直に 笑って生きよう

池原:
私が関わった方で、組織の方であれば昇進試験に挑戦したり、あるいは海外留学、新規事業立ち上げなど大きな一歩を踏み出したケースが最近すごく増えてきました。特に私が何かを教えたわけではありません。私は藤本さんと同じように、ポンと肩を押すきっかを提供するだけ。でも、ポンと押す時に、特に「失敗」に対する恐怖心を取り除くようにしています。

失敗は決して怖いことでも恥ずかしいことでもなく、すべて「前に進むために必要な経験」です。そう考えると私は失敗だらけです。もう笑ってしまうくらい・・・だけど、それも行動した証だと思うし、うまくいかないことがあったらその原因を知ることもできる。そうすれば次からはもっとうまく進めることができるし、失敗への耐性も付いてくる。

メンタルの強さは何かを成し遂げるときに不可欠ですが、それは何も感じない、ストレスを受けないということではなく、落ち込んでも立ち直りが早いと言うことだと思います。沢山失敗すると、メンタルも強くなりますね。

徳橋:
失敗は「経験」。そう聞くと、勇気が出ます。

石山:
僕が最近すごく感動した映画に『ビリギャル』があります。学年ビリの女子高生が1年で偏差値を40上げて慶応に合格するというストーリーですが、そのビリギャルが通った塾講師・坪田信貴先生の指導方針に共感しました。

語弊を恐れずに言えば、彼は塾講師でありながら生徒に絶対合格を設定させてないのです。それは目標が達成されなかったときに、生徒に与えるダメージが大きくなるからです。さらに彼は「もし大学に落ちたとしても、確実に学力は上がったんだ。それでいいじゃないか」と生徒に伝えるのです。これは言い換えれば目標の未達≠人格否定ということです。

僕は日々の仕事の中で、売上や集客の設定はもちろんします。だけどそれよりも、自分たちが最高に仕事を楽しみ、お客さんに喜んでいただくことを考えるようにスタッフに伝えます。失敗なんて考えなくていい、最後の辻褄は僕が合わせるから、と。

ハフィントンポスト創業者のアリアナ・ハフィントンさんは言いました。

「自己表現は新しいエンターテインメントである」(Self-expression is the new entertainment)

と。その自己表現の機会を提供し、何度も試すことができ、そのリソースも揃っているような場がどんどん増えていくべきだと思います。僕はそのような場をメディアを通じて伝えていきたいし、同時に自分もそのような場を作りたい。それはすなわち僕自身の自己表現であり、僕の人生におけるエンターテインメントですね。

徳橋:
池原さんがずっとおっしゃっている「美しい生き方」というコンセプトは「自分以外の他者のために貢献する"他者貢献"の生き方・働き方」「自分の枠を越えてやりたいことを掴み取る行動力」「ポジティブであろうとするより、弱さも醜さも隠さず強みにしていく勇気」ですね。とても共感します。

ちなみに、藤本さんや石山さんにとって「美しい生き方」って何ですか?

藤本:
「自分に正直に生きる」ということではないでしょうか。自分に正直に生きている人は、まず自分が幸せで輝いていることで内面的な美しさを保つことができますし、またそれが自信となって外に発信される部分、いわゆる容姿や言葉とかファッションなどにも反映されていくので、他人から見ても「美しい」とか「かっこいい」などの形容詞がついてくるのではないかと。でも正直に生きるって意外と難しい気がします。人の目を意識しすぎると自分自身をさらけ出すことができなくなってしまったり・・・

石山:
僕にとっての「美しい生き方」は、「"自分は笑うために生まれてきたんだ"と気づくこと」ですね。

僕は仕事してきた分、ネット掲示板で叩かれたり、かつての上司に「お前は一体何がやりたいんだ?」と言われたりしてきました。

だから僕は考えたのです。そういう人たちに対する最高の仕返しは「嫌というほど僕の笑顔を見せること」だと。そして年を取るほど楽しそうに生きていると、僕より年上の人にも、同世代にも若い人にも思わせたい。そういうときに力になるのが「笑うために生まれてきたんだ」という思いです。そう考える人が、この社会に1人でも増えたらいいですね。

徳橋:
皆さん表現は違いますが、「自分らしく、素直に生きていくこと」という共通点がありますね。池原さんは、女性を中心に、新しいキャリアの作り方や、自分の壁を破る事の大切さを伝えていきたいということですし、藤本さんは「教える・教わる」循環を社会に創っていらっしゃいます。そして石山さんは、メディアを通じて、まさにハフィントンさんの言う「Self-expression is the new entertainment」の場をクリエイトしていらっしゃいます。

これからの3人のご活躍から、ますます目が離せません。