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発展途上国の経営で大きく勘違いしていたこと

2014年03月18日 14時49分 JST | 更新 2014年05月17日 18時12分 JST

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そもそも株主として社外取締役に就任したグローバルベンチャー企業がありまして、既に1年が経とうとしています。ベンチャーらしく紆余曲折があり、それなりに成長を遂げているのですが、支社の一つであるフィリピン法人の経営がなかなか上手くいかないところを見て、半年ぐらい前から実際に月1ぐらいにフィリピンに訪れ、週1ぐらいのペースでSkypeで現地の経営メンバーたちと定例会などを行い経営に携わりはじめました。

サービス自体は俗にいうSkype英会話サービスなのですが、国内でも上位のシェアを持っており、実際にフィリピンのセブで約300人の現地人教師がオフィスに常駐してサービスを行っています。300人の教師を管理するというのは非常に大変な仕事です。先生が急に行方不明になったり、遅刻がまったく直らなかったり、マナーを教えてもどうしてもできなかったり、意味不明に訴えられたりと、日本の学習者の皆様にできる限り高品質なサービスを届けるために毎日必死になって、あちらこちらに担当者が飛び回っています。本当に現地の20代の日本人メンバー数人でよくここまでできてると思っていました。

しかし、今回の出張の際、知人の取り計らいでセブにある2000人が働く米系の大手BPOセンターに現地経営メンバー全員で訪問させて頂き、考え方が変わりました。

そこに広がっていたのは、日本でも稀にみる清潔感とスペーシーなオフィス。携帯電話などの社内利用をしっかり管理し、クライアントの個人情報なども何重のセキュリティシステムでの管理体制。各部署のチームリーダーが自社の経営理念や業務をきちんと説明し、どんな質問にも的確に答えられる体制。外部からのお客様にしっかり挨拶ができるマナー。しかも支社長以外は全て現地のマネージメントスタッフで運営されてるとのことでした。

そこには、僕個人がフィリピンのお国柄、無理だと思っていた景色が広がっていたのです。本当に衝撃でした。そしてすぐさま、その衝撃は後悔と悔しさにかわりました。今まで自社のサービスがもうワンランク上がらない理由は、「フィリピン」だから、発展途上国だからという先入観によって正当化されていただけだったということです。その考え方が結果的に自分に甘い評価を下すようになっていたのかもしれません。

よく大手の商社が発展途上国に社員を送り込むと現地がえりしてしまい、日本人らしさを失い、日本に戻ってきても使い物にならないケースがよくあるようです。僕らも会社単位で現地がえりをしそうになっていたのかもしれません。僕らは日本人であり、日本の企業です。その僕らが日本人らしさ、日本の素晴らしさを捨ててしまったら、何が残るのでしょうか?帰る場所をなくした偽外国人にしかなれません。

さらに言えば、今回、見学させて頂いたBPOセンターのように、外の良さをどんどん吸収して、発展途上国の人材は日に日に成長を遂げています。下手な先入観で甘く見ていたら、あっという間に彼らに追い抜かれていってしまうでしょう。僕が自戒の念を込めて言えることは、日本人は別に発展途上国の人材と比べて優れているわけではないし、成長速度においては明らかに劣っています。それなのに、他国を見下してかかったり、変なステレオタイプで自分たちを正当化すると本当に個人も組織も現地がえりの悪循環に陥っていくと思います。

これからは、もう一度、気持ちを引き締めて、フィリピン人の従業員と手を取りながら妥協することなく、最高のサービスを作っていければと思っています。現地にいる若手経営メンバーにもこの想いが届くことを願って。