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アフリカ系アメリカ人の私が、世界最高峰バレエ団のプリンシパルになるということ。

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2014年、「アメリカン・バレエ・シアター」(以下、ABT)のオーストラリア公演で、ソリストとして初めて「白鳥の湖」を踊る準備をしていた時、気づいたんです。この瞬間をずっと待ち望んでいたということを。このバレエ団のバレリーナになる、このときのために、私は19年間頑張ってきたのです。

私のようなアフリカ系アメリカ人の女性がABTでプリンシパル(首席ダンサー)の地位についたことは、直ちにメディアで大きく取り上げられ、バレエ界に激震を走らせる可能性があると感じました。しかし、社会がどうのということでなく、もっと個人的なレベルで、私にとってこの役がすべてだったのです!

誇張なしに――どのリハーサルも、驚くほど非現実的な瞬間の連続で――自分の身に実際に起きていることだと信じられませんでした。バレエの世界で生きている褐色の女性が、バレリーナの憧れの白鳥役に抜擢されるなんて、叶わない夢だと思いがちです。ロールモデルがいないという些細な事実(それほど些細ではないかもしれないですが)が、自分の潜在意識の奥深くに刷り込まれ、白鳥役に選ばれる可能性さえも考えることができないのです。だから、この機会を与えられた時、すべての道のりの貴重な一秒一秒を大事にし、楽しもうと思いました。

すると、違う役もまわってくるようになりました。ワシントン・バレエ団の「白鳥の湖」では、アフリカ系アメリカ人の男性、ブルックリン・マックの相手役に選ばれました。「ロミオとジュリエット」のジュリエット役のほか、メトロポリタン歌劇場で行われたABTの75周年記念公演では、スワン・クイーン役にもキャスティングされました。

そして、ついにその時がきて、私はプリンシパルに昇格しました。言葉では言い表せない気持ちでした。同時に、自分の身体から解放されたように感じました。私の目に浮かんだのは、レイヴン・ウィルキンソン、ジャネット・コリンズ、デローレス・ブラウン、ローレン・アンダーソン、デブラ・オースチン、ノラ・キンバル、アン・ベンナ・シムズ、ステファニー・ダブニーなど、この道を切り開いてくれた先人達です。そして私は、自分の後に続くであろう、小さなアフリカ系アメリカ人の少女たちの姿を思い描いていました。

感無量で、私は泣くことしかできませんでした。人だかりや観客の中にいる大勢のアフリカ系アメリカ人の子供たちが私を見上げて、将来への可能性を感じているのを目の当たりにすると、「ああ、希望がある」と思わざるを得ません。それはつまり、バレエに限ったことではなく、次の世代がそれぞれの夢を本当に信じ、夢を掴むために力を尽くせば、そこに希望があるということです。

まだ実感が湧いていません......。私は自分の夢を実現できたので、より素晴らしい、強いダンサーになれるよう、努力を続けるのが楽しみです。ここまで成し遂げることができて、あと望むことといったら、いつか私の功績が、それほど珍しくない社会がくることです。そして、メディアに掲載される記事や批評が、私のことを単に「バレリーナ」として紹介する時がくること。だって、ただのバレリーナ、それこそが私なのです。

このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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