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Appleの最新「サプライヤー責任報告書2015」に学びが多かった件

2015年02月26日 00時55分 JST | 更新 2015年04月27日 18時12分 JST

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■AppleのCSR

世界のトップ企業の一つでもあるApple社が、CSR(企業の社会的責任)報告である「サプライヤー責任報告書2015」を発表しました。

サプライヤー責任|Apple

サプライヤー責任とは、製品製造のプロセスにおける社会的責任関連の情報のこと。最近のNGOは「環境」や「労働慣行・人権」に不備があると本気で戦いにくるので、Appleも積極的に情報開示しています。秘密主義の会社なのに。

過去に『Apple社の最新CSRレポート「サプライヤー責任報告書2014」』、『みんな大好きAppleの最新CSRレポート「サプライヤー責任報告書2013』として取り上げましたが、日本語版は2013年からなので(簡単なのは前からあったけど)、一応3年目な感じですね。

今年は『本当に優れた製品を作るためには、倫理的で環境への責任を果たせる方法で製造することが重要であると、Appleは考えます。』という文言がウェブサイトのファーストビューで見られます。

また、ジェフ・ウィリアムズ氏(オペレーション担当上級副社長)は進捗報告書の中で「2014年は目覚ましい進歩を遂げた年でした」と発言をしております。

ちなみに、環境に関する話は別のCSRコンテンツ(製品環境報告書)としてまとめられていますので、Appleの環境活動・環境配慮などの環境問題への取り組みに興味がある人はそちらもチェックしてみて下さい。

環境に対する責任|Apple

■Appleの社会的責任とは

世界中に、Apple製品を作っている人々がいます。その一人ひとりが尊厳と敬意を持って扱われるよう最善を尽くしたいと私たちは考えています。だからこそ従業員を教育し、能力を向上させるプログラムを開発し、未来の世代のために自然環境の貴重な資源を保護する支援を行っているのです。これはとてつもない挑戦であり、終わりのない取り組みです。それでも毎年私たちは、Appleのサプライチェーン全体にわたって意義ある継続的な改革を行っています。

これはウェブページ冒頭にある、メッセージです。Appleの数少ない製品紹介以外のオリジナルコンテンツとなっています。2015年の進捗報告書(プログレスレポート)として、「説明責任」、「従業員の支援」、「労働者の権利と人権」、「健康と安全」、「環境」、という5つのカテゴリーにまとめています。去年より、色々な数字が改善されていますね。素晴らしい。

Appleらしく、今年はよりインフォグラフィックを使っております。しかも動的に。これは紙ではできない手法。この動的なインフォグラフィックというのは非常にわかりやすい。スマートフォンで見てもキレイだし。日本企業のコーポレートサイトはスマートフォンを無視しすぎだと改めて実感しました。

ちなみにサプライヤー(トップ200社)は公開されています。日本企業もたくさん公開されています。Appleと取引をしたいと思う企業の方はベンチマークしてみるのも良いでしょう。

■Appleの情報開示姿勢

情報開示といえば、「Apple社CEO・クック氏、同性愛者とカミングアウトし話題に」という話もありましたね。ここ数年で、トップの考え方が浸透したのか、情報開示に積極的になってきています。

Appleは、LGBT(性的マイノリティ)支援やダイバーシティ推進支援、エイズ撲滅チャリティプログラム「(RED)プログラム」の実施、自然エネルギーを利用した超大型環境配慮型データセンターの開発、などなど、一部メディアでの報道に留まりますが、様々なCSRにつながるアクションもしています。

世界的な反響があったのは、LGBTなどの多様な価値観を受け入れることがイノベーションにつながると明確な発言をしたことかもしれません。

何か慈善活動的なもので終わらせず、事業活動にきちんと結びついていますよ、と。ハフィントンポストでも、AppleのCSR関連記事がありますので、そちらも合わせてどうぞ。

iPhoneのサプライヤーでは子供たちが働いていた Appleの言い分は

アップルとユニクロはなぜ叩かれたのか―59.4%の"意識高い系"消費者とその背景

■サプライチェーンマネジメント

ここまで、サプライチェーンに関して細かい情報開示をしている企業は世界でも多くないと思います。

しかし、CSRでいうESG(環境・社会・ガバナンス)情報が網羅的に開示されているわけではなく、(RED)プログラムなどによる寄付金額詳細などはありません。概要はあるけどね。

ただ、今年は(2015年2月26日現在)トップページにバナーを貼ってリンクを促したりしていますし、情報開示に関して積極的になっているディスクロージャー姿勢は評価されるべきでしょう。

企業は単体でビジネスをしているわけではなく、地域コミュニティ、インフラ、ビジネスパートナーなどなど他にもたくさんの事象とつながっているものです。ステークホルダーから信頼を得るためには情報開示がかかせません。

興味がある方は一度ウェブページを見て下さい。

僕は10年以上のAppleユーザーです。今はノートPCとスマートフォンがApple製です。だから気になるというのもあります。今後も定点観測し、報告をしていきます。

進捗報告書自体は、日本語版がないのですがウェブサイトを見れば大概の言いたいことはわかります。スマートフォンでも見やすいっす。もっと詳細を見たい方はぜひ英語版のチェックをどうぞ。

サプライヤー責任|Apple

(「Appleの最新CSR報告書「サプライヤー責任報告書2015」がハイレベルで驚いた件」を修正・加筆し転載)