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クラウドファンディングは女性的か男性的か?

2013年08月29日 00時44分 JST | 更新 2013年10月28日 18時12分 JST

先々週に僕が書いたYahoo!ニュースの記事「なぜか毎年起きる、チャリティー番組の芸能人ギャラ問題」で、チャリティのあり方について今一度考え直す必要があると書きました。

おかげさまで、2日間で360万PV以上と爆発的なアクセスをいただきましたが、やはり、寄付した人はそのプロジェクトが今後どういうアクションを取るのかという点に注目が集まっている証拠だと思います。

また、一昨日の当メディアの記事 92%の人々が感じる社会貢献意識とその問題点とはでは、様々な統計・調査から、日本人の社会貢献意識はかなり高いレベルで、かつ、多くの人が持っているということを書きました。

今回は、その具体的なメソッド(手法)として寄付をする人、される人のあり方を変え始めている「クラウドファンディング」という仕組みについて考察してみます。

■社会貢献プロジェクトの限界

独自で収入源があればいいのだが、そうもいかないのが現状であり、それを解決するのが「クラウドファンディング」というサービスです。<Crowd=群衆 Funding=資金調達>という言葉を掛け合わせた造語であり、プロジェクトを立ち上げ・実行するために必要な活動資金をインターネットを通じて共感する方々より支援して頂くことで、プロジェクトを実現させることを言います。

東日本大震災から「寄付をする」という行為へのハードルが低くなったことでより多くの人が寄付をし、お金がなくて活動しきれなかった団体はここで資金を集めました。東日本大震災がクラウドファンディングという仕組みを一気に普及させたと言ってもよいでしょう。

寄付をする側も、お金を寄付して終わりではなく、そこから一度関係をもったその団体の活動報告をもらえたり、団体が資金調達を達成すると、その寄付金額に応じてお礼の手紙を始めとした様々なアイテムを送ってもらえる"購買型"のサービスとなっていることも注目すべきポイントです。

パブリックキュレーションズによれば、これまで寄付した方への調査より寄付したことがあるテーマは「災害・復興」が全体の49%で最も高く、20代男性はスポーツをはじめ幅広いテーマへの関心を持ち、40代女性は動物テーマへの支援実績・意向が高い、とのこと。

自分の生活に近いものや趣味・関心の対象に近い物に投資しているとのこと。また、クラウドファンディングといえども複数のサービスがあり、それぞれ強みが異なります。

有名どころで言えば、「READY FOR?」は有名かつ女性的。「CAMPFIRE」はクリエイティブかつ男性的。「motion gallery」は映画製作支援とサイトビジュアル。「COUNTDOWN」はグローバル・専門的・プロ志向かつ目標金額/支援額が高い。「JustGiving Japan」は安心感・信頼感と、スポーツ選手の賛同・NGO団体への寄付+災害復興への寄付実績が豊富、だそうです。イメージはわかる気がします。

詳しいデータは、「震災復興支援で急速に普及したクラウドファンディング「社会貢献意識」+「趣味・嗜好」で利用拡大ステージへ」でチェックしてみて下さい。クラウドファンディングと社会貢献は親和性が高いと思ってましたが、やっぱりそうなんだな、という印象です。

■クラウドファンディングの高額成功事例

僕が運営に携わっているNPO関係者向けウェブマガジン「テントセンMagazine」で、クラウドファンディング記事を書くと大抵大きな反響を貰えてます。NPO界隈の方にも、関心が高いジャンルであることは間違いありません。

支援額300万円超えプロジェクト集めました! 社会貢献系クラウドファンディング事例10選」によれば、被災地支援、動物園の運営支援、途上国支援など様々なプロジェクトが成功しているそうです。

あたりまえですが、クラウドファンディングの仕組み上、高額プロジェクトの目標達成率は低いです。誰もが成功できるわけではありません。

商品を直接売らず、信頼のみで数百万という資金を集める。これって、最近流行の感情マーケティングとか、共感マーケティングという部類にも入るのかなと思います。このあたりは、非常に勉強になるとともに、今後のデジタル・マーケティングのトレンドとなる可能性も高いのでは、と思ってます。

■注目プロジェクト

今、僕が注目しているプロジェクトは、「きっかけバス」というプロジェクト。ご縁があって、プロジェクト運営をしている助けあいジャパンを個人的に支援していて、このプロジェクトを知りました。

きっかけバスは47都道府県出身者から支援金を集めて、出身学生を被災地に送るというバスツアーのプロジェクト。"47都道府県"という切り口でのユニークな資金調達方法は、より多くの関与者を増やしていくことで目標金額達成を目指してるみたいです。

長野県の片田舎出身の僕としては、こういう支援によって、長野の学生が日本の現状を肌で感じ、成長していくことに大賛成です。言ってしまえば、被災地に実際行ってみるというのは、"国内留学"なのかもしれません。カルチャーショックを受け、現実を直視した若き学生たちが、今後数年、数十年という中で、日本社会にどう関わっていくかが楽しみです。

外国ではクラウドファンディングを利用したプロジェクトの達成金額が6億(!)を越える中、日本ではまだ一部の有志だけが参加する寄付・クラウドファンディング。

その根底にある"共感"を中心とした寄付という消費活動にも注目しています。

[取材協力:助けあいジャパン]

(この記事は8月28日のYahoo!ニュース個人 「安藤光展の『CSRの向こう側』」より転載しました)