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「セクシーすぎる野球選手」デレク・ジーターの"全米ツアー"

2014年04月20日 15時44分 JST | 更新 2014年04月20日 16時04分 JST

2014年メジャーリーグが開幕して早2週間。今年の注目は何といっても“NYの貴公子”としてお馴染み、ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターでしょう。

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名門ヤンキースの第11代キャプテン、そしてメジャーリーグの顔であるジーターは今年2月、今シーズン限りでの現役引退を表明。自身のfacebookページに長文の引退表明を投稿するという、今風の引退発表でした(表明文はコチラで全訳しました)。

中学生の頃だったか、はじめてジーターの存在を知り「アメリカにはこんなセクシーな野球選手がいるのか」と衝撃を受けたことを覚えています。間違いなく、僕をMLBの世界に引きずり込んでくれた選手の一人です。

まず何より、顔がカッコイイ。そしてフィールド上でのプレースタイル、ひとつひとつの仕草、表情、発言、話し方、姿勢…何から何もがセクシーな選手でした。決して派手ではないものの、華があるというか。彼が打席に入り、ダイアモンドを走り、ショートの守備をこなす様がTVに映った瞬間、野球中継がハリウッド映画のワンシーンになりました。

選手としての実力はもちろん、人間性もパーフェクトでした。天性のリーダーシップでチームの士気を高め、一方で常にチームの勝利を考え泥臭いプレーにも徹する。名門ヤンキースの選手になるために生まれてきたかのような男です。メディアや関係者への接し方もジェントルマンそのものでした(以前にクラブハウスで取材をした際、僕のつたない質問にも面倒臭そうな顔を一切せず丁寧に答えてくれて感激しました)。

プライベートも、期待を裏切らず華やかでした。マンハッタン中心部の超高級マンションの“ワンフロア”に住み、女優と歌手、スーパーモデルで埋め尽くされた歴代のガールフレンドリストは目眩がする程の豪華さで、悪ノリ好きなアメリカのメディアは「ジーターの歴代彼女ベストナイン」を作りました。もっとも、ジーターは純粋に独身貴族を謳歌していたため、スキャンダルとは無縁でした(アメリカは既婚者の不倫には厳しいですが、独身者が何しようと対して騒ぎません)。

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米スポーツ専門局『ESPN』の番組『Sports Nation』が作成した「ジーターの歴代彼女で作ったベストナイン(DHあり)」

今月1〜3日、ヒューストン・アストロズの本拠地ミニッツメイドパークで行われたアストロズとヤンキースのオープニングシリーズを観戦してきました。アストロズのホームゲームではありながら、このシリーズで最も注目を集めたのはやはりジーターでした。

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試合前からファンの視線を一身に浴びていたジーター

ジーターは3試合とも、2番ショートでスタメン出場。地元アストロズのファンからヤンキースの選手にブーイングが浴びせられる中、 ジーターが打席に立つ度に拍手と歓声が鳴り止みませんでした。敵地でのスタンディングオーベーションに、ジーターをヘルメットを取って何度も応えていました。

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2戦目の試合前には、ジーターの功績を称えるセレモニーも行われました。MLBでは、ジータークラスのスーパースターが引退を発表すると、各遠征先でのラストゲームで敵チームがセレモニーを催すのが恒例です。チームの隔たりを超えて、MLBの発展に貢献した功労者を球界全体で称えるのです。MLBの素晴らしい文化のひとつです。

この敵地でのセレモニーで恒例となっているのが、各チームが趣向を凝らして(?)用意するギフトのプレゼント。アストロズは、テキサスらしくオリジナルのカウボーイハットとカウボーイブーツをジーターに送りました。ジーターは…苦笑いでした(ちなみに、翌日の『ESPN』のスポーツニュースでは、コメンテーターから「ジーターはこれから、行く先々でこの手のゴミを大量にもうらんだ」と半分冗談ながらボロクソに言われていました。アメリカのスポーツメディアは容赦ないです)。

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ジーターは今シーズン、各遠征先でライバルチームから温かく迎え入れられることになります(もちろん、試合がはじまれば真剣勝負)。世界最高の選手たちが集うMLBでもほんの一握りの超スーパースターのみに許される、ラストシーズンの“全米ツアー”。

三振を喫してダウアウトの戻ってくる姿までセクシーな野球選手は、きっともう現れることがないでしょう。

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(2014年4月13日「Splash Hits」より転載)