BLOG

Facebookがスポーツ領域に本格参入?

2013年12月24日 00時34分 JST | 更新 2014年02月22日 19時12分 JST

Facebookが、スポーツデータの収集・配信を手掛けるSportsStreamというサンフランシスコのベンチャー企業を買収したそうです。

SportStreamは「サンフランシスコを拠点とする設立18カ月の企業で、スポーツのデータをリアルタイムで収集し、メディア企業、スポーツ団体、放送局に配信している」とのこと。要は、昨今流行のビッグデータビジネスをスポーツ領域に特化して展開している企業です。

アメリカには、スポーツデータをビジネスリソースとして事業を展開している企業が結構ありますが、このSportsStreamは「リアルタイム」の強さをウリにしているのでしょう。今日のソーシャルメディア時代に最適なデータビジジネスといえそうです。

上の記事で、Facebookがこのサービスを買収した目的についての興味深い考察がありました。

一方でSportStreamは、Facebookユーザーによる最良のスポーツ関連投稿を見つけるのに優れているだけではない。同社は、高品質なツイートとInstagramメディアを浮上させることを可能にする特許出願中の技術も保有しているという。このことは、Facebookの興味がどこにあったかを説明するものと思われる。今回の買収は、FacebookをよりTwitterのように変えていくため(例えば、世界で現在起きていること対して関連づけるなど)に考えられた一連の動きを支援するものとなっている。また、この買収は、競合を支援している技術を自らに取り込むという防御的な手法とも受け取ることができる。

スポーツ領域に限らず、SportsStreamが有する技術力が欲しかったということでしょうか。

 

個人的には「FacebookをよりTwitterのように変えていく」というのが、特にスポーツコンテンツの領域においては結構キーコンセプトだと思います。

近年のスポーツシーンでは、ファンが試合を観戦しながら「ソーシャルメディアで盛り上がる」のが世界中で当たり前の光景になっています。サッカーでゴールが決まった瞬間、野球でサヨナラホームランが出た瞬間、皆が揃って「Oh Yeaaaaah!!」とツイートします。Twitterというサイバー空間の宇宙で、顔の見えない同士たちと喜びを分かち合うのです。

そう、ファンがリアルタイムで仲間と感情を分かち合う舞台は今のところ、圧倒的にTwitterなのです。

スポーツ関連の投稿で盛り上がるソーシャルメディアとしてTwitterが"一人勝ち"している理由は、Twitterというメディアの特性を考えれば理解できるでしょう。

まずはとにかく「リアルタイム性が高い」こと。140 Wordsという投稿文字数上限もあり、ユーザーが文字を打ち出してから投稿までのスピードがとにかく早いのです。Facebookだと、もう少し皆丁寧に言葉を選んで投稿しますが、Twitterではゴールが決まった5秒後には既に「Goooooooal!!」というツイートが溢れています。このリアルタイム性の高さが、スポーツ観戦の臨場感にマッチします。

加えてTwitterは「オープン」なコミュニティです。承認したFriend同士のコミュニケーションが中心の「クローズド」なFacebookに対し、Twitterは基本的に誰もが自由に投稿を見ることができるし、検索することもできます。Twitterはフォローが自由なので、自分にとって有益な情報を発信している人だけをフォローすることができ、また自分をフォローしている人も基本的には自分が発信する情報を有益だと思っている人でしょう。より人間関係のしがらみに左右されがちなFacebookとは違い、共通の趣味や興味関心を持っている人とつながりやすいのがTwitterです。なので、パーソナルな話よりも公共性の高い(スポーツのような)話で盛り上がる場所として適しています。

Twitterにはまた"Trend"という機能があり、今世界で、あるいは特定の地域で何が話題になっているかをリアルタイムで知ることができます。

たとえば今年4月2日、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手が「あと一人で完全試合」の快投を見せた日には、5回くらいには"Yu Darvish"がテキサス州のトレンドに入り、7回にはアメリカ、そして8回にはワールド(全世界の)トレンドにランクインしました。ツイッターでは「今、何がどこでどれくらい話題になっているか」が、秒単位のリアルタイム性を持って把握できるわけです。

話題になればなるほど、そしてそれが可視化されるほどまた話題にしたくなるのは、多くの人々の性でしょう。この"Trend"機能によって、Twitterはもはやマスメディア的な機能も備えつつあるとも考えられます。

2013-12-24-41f131da.jpg

(Twitterではエリアを指定してトレンドのワードを表示させることができる)

スポーツは知り合い同士でなくとも感情を容易に共有できるし、またソーシャルメディアでのコミュニケーションにありがちな「見栄の張り合い」みたいな要素も薄いので、クローズド型(Facebook)よりもオープン型(Twitter)に適しています。Twitterがスポーツファンに対して提供している圧倒的な価値を前に、Facebookは何か新しいサービスで対抗するのでしょうか。

(この記事は、2013年12月20日の「Splash Hits」より転載しました)

IT企業の創業者画像集