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ハワイのお正月恒例行事に見る「ハイブリディティ」とは?―「ハワイと日本、人々の歴史」第9回

2014年01月05日 01時02分 JST | 更新 2014年03月06日 19時12分 JST

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アロハ、Myハワイ編集長明子です。「ハワイと日本、人々の歴史」シリーズでは、観光地としてのハワイから一歩踏み込み、ハワイと日本をつなぐ人々に焦点をあて、その歴史を掘り下げて紹介しています。前回はハワイ出雲大社について書きましたが、今回はハワイ出雲大社の初詣と同様に、ハワイの人々によく知られたお正月の恒例行事を2つほど紹介し、ハワイのローカル文化の核をなすものについて考えてみたいと思います。

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明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。ハワイのお正月行事ということで、まず最初にご紹介するのが、ホノルル市内のハワイ日本文化センター主催の「ニューイヤー・オハナ・フェスティバル」です。毎年1月中旬の日曜日に行われ、今年21回目を迎える人気行事です。オハナとはハワイ語で家族という意味で、ハワイの人々の大切なバリューのひとつでもあります。その名の通り、会場のハワイ日本文化センターと、その前にあるモイリイリ・フィールドでは、家族向けの催しが多数用意され、ハワイ中からたくさんのファミリーが訪れます。

日系人のみならず、特にハワイの人々に人気があるのが着物の着付けです。小さな子どもたちが着物を着付けてもらい、写真を撮るというアトラクションは予約制ですが、あっという間に定員に達してしまうほど。また、書道や折り紙、お茶などの日本文化体験コーナーも非常に人気があります。ハワイ生まれの人々がさらさらっと達筆で書をしたためる様子などは見応えがありますよ。現在、ハワイの子どもたちの間で大ブームとなっているのが、これまた日本生まれのけん玉。今年はけん玉大会も企画されているようですよ。何かにつけ、ハワイと日本の距離の近さを感じます。

モイリイリ・フィールドには舞台が設えられ、ハワイらしくウクレレの演奏なども毎年行われますが、琉球國まつり太鼓ハワイ支部による勇壮な太鼓演奏やエイサー、餅つきなどでも大いにもりあがります。ずらりと並ぶ食べ物のブースではお好み焼きやアンダギー(沖縄風ドーナツ)などのに加えて、ホットドッグやプレートランチ(ハワイ風お弁当)なども。日本の伝統を大切にしつつも、多文化社会のハワイを感じさせる、どこかハイブリッドなお正月風景が楽しめます。

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今年69回目を迎える伝統ある催し、ホノルル日系人商工会議所主催の新年宴会では、日本酒の利き酒、飴細工、書道、獅子舞に太鼓演奏などお正月ならではの華やかな、和を感じさせるイベントがもりだくさんですが、その中でもハワイのビジネスマンたちに受け継がれている伝統行事といえば、「商工白浪五人男」でしょう。商工白浪五人男とは、毎年ホノルル商工会議所メンバーから選ばれた7名が歌舞伎風の衣装に身を包み、長セリフで自己紹介をするというもの。実際に師匠について、発声から身のこなしまでを学び演じるので、なかなか堂々とした本格的なセリフ回しが楽しめます。しかしながら、やはりここはハワイ。セリフは日本語と英語両方で行われ、7名のなかには女性も。それぞれが登場するたびに、観客は「大根役者」をもじり予め購入していた大根を舞台上の出演者のもとに持って行き、舞台はあっという間に大根だらけになるという、楽しい一幕も毎年のお約束なのです。

日本の伝統を大事にしながらも、どこかハワイ風のアレンジを加えたお正月行事は、ハワイのローカル文化それ自体を体現しているものといえます。ハワイのローカル文化といえば、その基本になっているのが、プランテーション農場。19世紀~20世紀に隆盛を極めたサトウキビなどのプランテーション農場では、日本をはじめ、中国、ポルトガル、フィリピン、韓国などの人々が混在し、意思を疎通させるためにピジンと呼ばれる独特の英語表現が発達しました。同様に食文化なども少しずつ多様化し、ハイブリッド化が進み、それが新たな「ローカル文化」としてハワイの人々のアイデンティティへとシフトしていったのです。多種の文化が少しずつ溶け合い、成熟し、新たな側面を加えつつ人々の間に根付いていったのです。ハワイの文化と歴史は密接に結びついているんですね。

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(※この記事は、2014年1月4日の「Myハワイ」より転載しました)

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