BLOG

新規事業の志ある仲間、集まれ! グリー社内の勝手組織 "フロンティア部" 活動レポート

2013年08月15日 00時45分 JST | 更新 2013年10月14日 18時12分 JST

お疲れ様です。グリーの直人です。

仕事としてインターネットに関わっている人であれば、だれでも一度くらいは「自分の手で、新しいネットサービスを作り上げてみたい!」という思いに駆られたことはあるのではないでしょうか。とはいえ、何事も言うは易く行うは難し。思いついたアイデアをきちんとビジネスとして軌道に乗せることは決して容易ではありません。

それでも、自分のアイデアや企画で新しいビジネスの立ち上げに挑戦してみたい!という情熱あふれるメンバー達が、グリー社内で立ち上げた部活動が「フロンティア部」です。

※会社公式の活動ではなく、あくまでも有志による自主的な活動です。グリー株式会社の事業や、戦略とは一切関係ありません。

4月の発足以降、これまで「新規事業評価の観点を探る(第1回)」、「事業計画書の分析(第2回)」「ITビジネスの未来を考えるトークセッション(番外編)」と活動してまいりました。今回は通算4回目となる機会に行われた、企画コンセプトのプレゼンテーションの模様を紹介させていただきます。

少しでも、同じような環境にいらっしゃる方の刺激になれば幸いです。

企画コンセプトのプレゼンテーション大会

今回のプレゼン大会は、コンセプト段階ということもあり発表は10分と短く設定しました。その代わり、プレゼンが終了する度にオーディエンスが3人1グループになってアイデアの印象や疑問について話し合い、出てきた意見を元に発表者とディスカッションをするというインタラクティブな形式にしました。

2013-08-15-b1.png

肯定的な意見も、否定的な意見も含めて第三者からのフィードバックをもらえる場に、発表者も大いに刺激を受けたようです。それでは、さっそく披露されたアイデアを紹介していきましょう。

参考書を分解し、再定義する。というアイデア

最初の発表は、ヒューマンリソース本部の内田 潤青さんが企画した「100万もん」。受験生や資格取得を目指す大学生・社会人のための新しい問題集の提案です。

内田さんは当初、コミュニケーションを軸とした教育プラットフォームを考えていたそうですが、掲示板や教え合いのコミュニティー、参考書販売や学習履歴管理など何でもありな内容でした。グリー社員へのヒアリングとディスカッションを繰り返すうちに、問題を通じて学習者と参考書の発行者をつなぐことに特化したプラットフォームビジネスへ方向性を切り替えたそうです。

構想では、過去問のデータベースを構築し、回答者のレベルに応じて最適な問題が次々と出題される仕組みとのこと。未来のくもん式を連想させますね。マッチング精度を向上させることで、将来的には学習教材ビジネスの流通プラットフォームを担いたいと語りました。

女子の釣りブームが来る!......かもしれない!!

2013-08-15-b2.png

二番手はビジネスオペレーション本部の中川めぐみさん。「大漁!魚ギャルグリ船丸(たいりょう!うぎゃるぐりせんまる)」というインパクトのあるプロジェクト名で聴衆の関心を集めました。

中川さんによると、ここ数年女子の間で釣りがひそかなブームになっているのだそう。水産庁公認の「ウギャルプロジェクト」や「デコ竿」なんてものもあるそうです。しかし、釣りといえばコアユーザー層は中高年の男性。男性に特化した釣り業界のマーケティングが、女性が始める上での障壁となっていると中川さんは分析しているようです。

中川さんの提案する「ギャル × モバイル × 釣り支援」サイトは、業界の固定観念を打ち崩し、女性向けを突き詰めたECサイト。ゆくゆくは情報メディアとして「釣りコン(釣りをきっかけとした合コン)」や「釣りツアーあっせん」などのビジネスにも広げていきたいと語りました。

会場の参加者とのディスカッションでは、新しい市場の創出とは違って、潜在ニーズの刺激と開放ということであれば、調査や検証がしやすいだろうという堅実な意見が見られました。中川さんは、以前、女性専用のバー経営でテレビに取り上げられるほどのブームを仕掛けたやり手の実業家。そして彼女と一緒に企画を進めるパートーナー社員は、現在通信キャリアとの渉外を手がけている全く違うキャリアの持ち主。まったく違う個性を持った二人が、潜在ニーズを拾い上げて、どのようなサービスやビジネスに仕立てあげるのか大変興味深いところです。

視覚に訴えかければ、「歴史」はもっとおもしろい

続いての発表者は事業戦略本部の鴨林 広軌さんです。プロジェクト名は「歴史地球儀」。アイデアの元になったのは2008年に公開された以下の動画だそうです。

World Battleground, 1000 years of war in 5 minutes(外部リンク:YouTube)

動画に触発された鴨林さんの着想は、「Google Mapsのように、データを座標にマッピングしたサービスは多数存在するものの、そこに時間軸を加えることで全く新しいことが実現できるのではないか」というものでした。そしてその膨大な手間を「ユーザー参加型」モデルを採ることで解決しようというのが企画の全体像です。

鴨林さんは、なんとすでに製品のプロトタイプまで用意してきてくれました。プロトタイプで技術的な実現可能性を示す一方で、参加者とのディスカッションで争点となったのは「プロダクトの育て方」です。例えば、Facebook APIを使ってデータをインプットする。その場合、「人類の歴史」ではなく「友人間の、30年スパンの歴史」になるといった案がでました。

マーケティングと資金計画、ビジネスモデルを詰めていくことで、一層魅力的なプロジェクトになるのではないでしょうか。今後が楽しみですね!

コンテンツビジネスにおける、お金の流れを完全に変える

続いての発表者はADプロダクト企画部の設楽 秀輔さん。設楽さんはアジャイル開発のエヴァンジェリストで、多数の書籍も執筆しているその道では著名な人物。企画タイトルは「投資革命」。コンテンツファンドのCGMといったらわかりやすいでしょうか。力の入ったプレゼンテーションで参加者を圧倒してくれました。

設楽さんは、日本人が投資的な感覚を持たないのは歴史的な経緯があるといいます。コンテンツビジネスにお金が回らないとか、クリエイターが得られる報酬が安すぎるなどの問題があれば、それは金融の問題だということです。一方で、日本人には自分の好きなもの、気に入ったものには考えられないほどのお金を使うという側面があると指摘しました。

そして設楽さんは、多くのIPを抱え、コンテンツホルダーと連携しながらプラットフォームビジネスを行ってきたグリーならば、その問題を解決し、革命を起こすことができるという主張を展開しました。

システムには、複数のソーシャルゲームやアニメ、出版等のさまざまな企画が並んでいるイメージです。ユーザーは「これは!」と思う企画に投資し、資金が集まったら開発が始まり、事業成果に応じて株式でいう「配当」にあたるキャッシュバックが行われるというものです。KickStarterなどのクラウドファンディングは事業が成立したら物品や体験型報酬をフィードバックする「体験型・参加型EC」と呼べるものですが、設楽さんの構想は「お金の流れ」を変えるもっとスケールの大きいものです。

もちろん、スケールが大きいだけに関連法規や実現可能性などケアしなければならない部分も多いのでしょうが、多様な業種からさまざまな才能が集まるグリーならばそれらの問題を乗り越えていけると信じているそうです。

その他

他にも、飛び入り参加した社員のエレベーターピッチやオーディエンスとして参加した社員とのディスカッションで大いに盛り上がりました。普段「自分はアイデアないなー」という人でも、他人の発表を聞くと触発されて何かアイデアが浮かんだりするものですよね。

終わりに

個人的な感覚ですが、IT、特にアプリを中心としたビジネスは勃興期から成熟期に差しかかっており、アイデアがすぐに事業と呼べるレベルにまで成長するのは難しい時期がしばらく続くのではないかと思っています。

業界のキャッチアップスピードは非常に速く、着想だけに頼った事業はすぐに競合にまねされてしまいます。しかも、この業界では資本力のある大手だけではなく、小規模ベンチャーや学生起業家などスピード感と野心のある競合とも競っていかなければなりません。そこで求められるのは、単にアイデアを製品化するだけではなく、マーケティングや資金調達、ビジネスモデルといったさまざまな要素を事業としてまとめ上げる「統合力」とでも言うべき能力ではないかと考えています。このような総合的なスキルは、企業の中で与えられた役割を果たすだけではなかなか鍛えられません。

このフロンティア部(会社非公式の部活)の活動は、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、企画力を競ったり、プロトタイプを作ったり、他社の社員とディスカッションしたりする中で、日常業務だけでは鍛えられない能力やセンスを高めることを目的としています。忙しい実務の合間を縫って、自分の思い描いた企画の実現を目指すのは、とても大変ですが、やりがいもあるし、何より経験としてかけがえのないものになると考えています。

会社という枠組みを越えて、有志の集まりだからこそできるオープンで能動的な活動を通して、社内にかつてない化学反応を起こしていこうと、部員一同日々がんばっております。

また動きがありましたらレポートさせていただきます。このような活動やコラボレーションに興味のある方、ぜひ naoto.kyo@gree.net までご連絡ください!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、よろしくお願いいたします。