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痛みを標的とするデザイナーオピオイド

2016年09月19日 14時43分 JST | 更新 2016年09月19日 14時45分 JST

ケシから採れるモルヒネなどのアルカロイドは、μオピオイド受容体のアゴニストで、何世紀にもわたって痛みの治療に使われてきた。

今回、計算科学の手法を使い、300万個以上の小分子についてμオピオイド受容体への結合状態が調べられた。そして、最も有望な構造群を選んで構造を基盤とする最適化を行い、強力なアゴニストであるPZM21が見つかった。PZM21はμオピオイド受容体に対して非常に高いサブタイプ選択性を示す。

PZM21はマウスで強力な鎮痛作用を発揮し、この作用はμオピオイド受容体ノックアウトマウスでは完全に失われる。小分子であるPZM21は痛みの情動的要素を低減するようで、反射行動には検出できるほどの変化は引き起こさず、呼吸抑制もほとんど見られない。

Nature537, 7619

2016年9月8日

原著論文: Structure-based discovery of opioid analgesics with reduced side effects

doi:10.1038/nature19112

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