イオンチャネルをクローズアップ

3編の論文がクライオ(極低温)電子顕微鏡法によって得られたTRPMLチャネルの構造を報告している。
Neuron cell network - 3d rendered image on black background
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Polina Shuvaeva via Getty Images

細胞小器官の膜には多数のイオンチャネルが存在していて、濃度勾配の維持やイオンによるシグナル伝達を担っている。

TRPML(transient receptor potential mucolipin)チャネルは、エンドリソソームの機能に重要なCa放出チャネルである。

TRPMLチャネルはメンブレントラフィッキングやエキソサイトーシスなどの生理的過程を調節している一方、TRPML1の変異はリソソーム蓄積症であるムコリピドーシスIV型を引き起こす。

今週号では、3編の論文がクライオ(極低温)電子顕微鏡法によって得られたTRPMLチャネルの構造を報告している。

S LeeたちはTRPML3の構造を示し、一方、X Liの研究チームとY Jiangの研究チームはそれぞれ、TRPML1の構造を明らかにしている。

これら3つの研究から、TRPMLチャネルファミリーの開状態と閉状態が突き止められ、これらのチャネルの調節機構が示された。ほとんどのTRPチャネルと同様、TRPMLは特異的な脂質によりゲート開閉を行うことが可能で、またこれらの研究からは基質の結合とチャネルの活性化についての手掛かりが得られる。

Nature550, 7676

原著論文:

doi:10.1038/nature24035

doi:10.1038/nature24036

doi:10.1038/nature24055

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