発達障害治療に新たな光

MECP2レベルの遺伝的修正により、マウスの行動異常、分子レベルの異常、生理的異常が大きく改善されることが報告された。

MECP2重複症候群は、MECP2遺伝子の重複によりMeCP2タンパク質レベルが上昇することで引き起こされる小児疾患である。今回H Zoghbiたちは、MECP2レベルの遺伝的修正により、トランスジェニックマウスモデルの行動異常、分子レベルの異常、生理的異常が大きく改善されることを報告している。治療への応用により大きな可能性を持つアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)戦略を用いてMECP2レベルを低下させた場合も、成体のトランスジェニックマウスで同様の表現型の救済が起こり、MECP2重複の見られる患者由来の細胞では投与量依存的にMECP2レベルが修正された。これらの知見は、コピー数変動に起因する疾患の中には、症状が現れた後でも回復可能なものがあることを示唆している。

Nature528, 7580

2015年12月3日

原著論文:

doi:10.1038/nature16159

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