放射線曝露の副次的影響についての分子レベルの手掛かり

動物が紫外線やイオン化放射線への曝露に対する応答としてCPR-4を分泌した後に、CPR-4がどのように作用するかについての手掛かりも示している。

がんの放射線治療では、照射された細胞や組織が因子を放出し、放射線に曝露されていない他の組織や細胞に影響を及ぼすという副作用が起こり得る。

この概念は放射線誘発バイスタンダー効果(RIBE)として知られており、よく調べられているが、その分子メディエーターについてはあまり明らかになっていない。

今回D Xueたちは、線虫での研究で、システインプロテアーゼであるカテプシンB(CPR-4)が、RIBE因子の1つであることを報告している。

また彼らは、動物が紫外線やイオン化放射線への曝露に対する応答としてCPR-4を分泌した後に、CPR-4がどのように作用するかについての手掛かりも示している。

このタンパク質は、腫瘍抑制タンパク質p53のホモログによって調節される機構を介して、動物個体の非曝露部位での細胞死を抑制したり胚性致死を増加をさせたりするようだ。

Nature547, 7664

2017年7月27日

原著論文:

doi:10.1038/nature23284

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