ゼブラフィッシュ。 Mirko_Rosenau / iStock / Getty Images Plus / Getty
Hox遺伝子群は、四肢類の肢や指の発生において主要な役割を担っていることから、魚類の鰭から四肢類の肢への移行にこれらの遺伝子が関与しているのかどうか、関与しているならばどのようにかという疑問が生じる。
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今回N Shubinたちは、ゼブラフィッシュの鰭においてHox遺伝子の細胞系譜解析とノックアウト解析を行い、鰭と肢におけるHox遺伝子の機能を比較した。それによって、HoxAとHoxDの遺伝子クラスターを欠損したゼブラフィッシュでは、鰭条が縮小し、軟骨要素が増えることが分かった。この結果は、肢の指と鰭の輻射骨を作り出す発生プログラム間の相同性を明らかにするものであり、四肢類の水中から陸上への移行と進化を解明する上で重要な一歩となる。
Nature537, 7619
2016年9月8日
doi:10.1038/nature19322
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