「強い揺れに備えてください」緊急地震速報を伝えるとき、海底では何が起きている?

2015年08月23日 23時05分 JST | 更新 2015年08月24日 00時11分 JST

気象庁から配信される緊急地震速報は、視聴中のテレビ放送や、ケータイ電話などを通じて、人々に届けられる。緊急地震速報が伝えられたとき、私たちはまわりの人に声をかけたり、身の安全を確保したりすることで、被害の防止・軽減につなげることができる。

このシステムを陰で支えるひとりが、NECネッツエスアイの藤原法之さん。藤原さんは、警報発令や地震発生メカニズムの学術的研究のほか、人々の安全な暮らしに貢献する海底地震/津波観測システムの開発に携わってきた人物だ。

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NECネッツエスアイ キャリアソリューション事業本部 サービスプラットフォーム事業部 海洋エンジニアリング部 担当部長 理学博士 藤原 法之氏

揺れや津波が陸地に伝わる前に、情報を伝えるしくみとは?

なぜ緊急地震速報は、揺れを感じる前に伝えることができるのだろう?

地震が発生すると、震源に近い複数の「地震計」により観測されたデータを利用して、発生した地震の規模や位置が推定される。その推定をもとに、予想される強い揺れが到達する前に、素早く発信するしくみが緊急地震速報だ。

海域で地震が発生した場合、そのデータをいち早くキャッチするために、光海底ケーブルを活用した海底地震/津波観測システムが用いられている。震源地近くの観測装置が強い揺れを検知すると、光海底ケーブルを通って、光の速さでデータが気象庁に伝えられる。そのため気象庁は、強い揺れや津波が陸地に到達するよりも前に、より早く緊急地震速報を配信できるようになるのだ。

震源地から近い場所では、緊急地震速報と揺れとの時間差は短い。一方、震源地から遠い場所にいる場合は、揺れが到達するまでに時間がかかるため、緊急地震速報との時間差は長くなる。

光海底ケーブルが地震速報や、地震発生の研究にも

NECが手がける光海底ケーブルは、世界中で共有する膨大な情報をやりとりするためのインターネットの通信ケーブルとして、大陸間をつなぐ海の底に敷設されている。

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海底地震/津波観測システムは、その光海底ケーブルに、海底地震計、津波計(水圧計)、陸上端局装置などを組み合わせて構成し、海底における地震や津波の観測に利用されている。

安心・安全な暮らしに貢献したい

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藤原さんは、「深海で起こる地震や津波のデータを素早くつかみ、できる限り人々の安全につなげたい」との思いで、日々、研究開発に取り組んでいる。その苦労と、やりがいについて聞いてみた。

「私たちの仕事は、世の中にまだ存在しない唯一無二のシステムを、NECの光海底ケーブルという共通のプラットフォームの上に実現し続けていくことです。課題やニーズを理解して、システム開発の可能性を判断することは、苦労の連続ですが、NECグループの総合力を活かして、安心・安全な暮らしを支えるインフラづくりに貢献していることに、一番のやりがいを感じますね。自分たちの仕事が、多くのみなさんの笑顔につながることが、大きな励みです」。


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Vol.21 CHAPTER1 海底地震/津波観測の進化をサポートする案内人 藤原 法之