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高齢者の社会参加は十分か-65歳以上高齢者の就業状況の変化:研究員の眼

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総務省統計局の「労働力調査」によれば、高齢者、特に65~74歳における就業率は、男女とも概ね一貫して上昇しており、特に60代後半の男性では2014年には半数を超え、2016年には53.0%に達している(図表1)。

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60代後半の女性についても同様に、10年ほど前には25%前後と4人に1人程度であったものが2016年には33.3%と、3人に1人は何らかの仕事に就いていることがわかる。

70代前半についても同様に、60代後半ほどの伸びではないものの、2016年には男性では32.5%とほぼ3人に1人が、女性では18.8%と約2割が何らかの仕事に就くようになっている。

実際の従業状態についてみると、男女とも就業者のうち60代後半では6~7割を、70代前半でも5割前後を雇用者(役員を除く)が占めており、自営業(家族従業者を含む)は25%~35%程度となっている(図表2)。

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また、雇用形態別では、男女とも正規就業者は就業者全体の1割程度であり、非正規就業者が大半を占めている。

雇用者の従業員規模別では30人未満企業の占める割合が60代後半では41.7%、70代前半では55.7%と高く、500人以上企業の割合は1割前後に留まるなど、50代後半~60代前半がいずれも2~3割となっているのに比べ、より小規模な企業への人材の移動が窺える結果となっている。

このように、60代後半以降の働き方としては、現役期の勤務先を退職した後、より小規模な企業に週に数日もしくは一日あたり数時間程度の勤務条件のもと就職しているケースが多くなっているものと思われる(*1) 。

2012年の「高年齢者雇用安定法」改正により、"高齢者の活躍促進"についての議論はやや熱を失いつつあるようにも見受けられる。

しかし、これまでみてきたように、現在では高齢者のなかでも60代後半では男性の2人に1人、女性の3人に1人が、70代前半では男性の3人に1人、女性の5人に1人が、それぞれ非正規を中心として何らかの仕事に就いており、生計の足しとして、あるいは、健康維持や生きがいの一環として働き続けている。

これらの世代における就業率は上昇傾向が続いていることから、今後もさらに多くの高齢者が引き続き労働市場に残り働き続けることになるものと予想されよう。

「一億総活躍社会」の実現に向けては、これら高齢者の知識や経験を十二分に発揮できる環境を整えていくことも、引き続き議論を深めていく必要があるのではないだろうか。

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(*1) 実際に、総務省統計局「平成23年 社会生活基本調査」より、65歳以上の就業時間についてみると、平日の仕事時間は男性で7時間程度、女性で5時間半~6時間となっており、往復の通勤時間を含めても8時間程度に留まっている。

(2017年2月16日「研究員の眼」より転載)
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生活研究部 シニアマーケティングリサーチャー
井上 智紀