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国内株式内での中小型株シフトが顕著に~2017年11月の投信動向:研究員の眼

内外REIT以外は資金流入

2017年12月12日 15時00分 JST | 更新 2017年12月12日 15時00分 JST

内外REIT以外は資金流入

2017年11月の国内公募追加型投信(ETFを除く)の推計資金流出入を見ると、内外REIT以外の資産クラスでは資金流入していた【図表1】。

その中で、特に外国株式の資金流入が大きく、流入金額は3,500億円を超えた。その一方で、内外REITは資金流出が続いた。外国REITは純資産が大きいファンドを中心に資金流出し、流出金額は2,000億円に達した。

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資金流入の大きかった外国株式では、引き続きテーマ型のファンドが人気であった。11月の資金流入上位のファンドを見ると、ロボットやフィンテックといったテクノロジー系のテーマ型ファンド4本に200億円以上の資金流入があり、特に人気が高かったことが分かる【図表2】。また、インド株式ファンドへの資金流入も続いていた。

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国内株式では、投資家の中小型株選好が鮮明に

また、金額自体は小さいものの国内株式も流入超過となった。9月、10月と株価上昇に伴う利益確定売りなどによって大規模な資金流出が続いていた。

11月も株価は高値圏で推移していたが、資金流出が止まった。10月下旬からその兆候が見られていたが、利益確定に伴う売却が一巡したようだ。

国内株式ファンドの資金の流出入【図表3】を詳しく見ていくと、10日ごろまではパッシブ・ファンド(左:黄棒)、大型株のアクティブ・ファンド(左:青棒)を中心に資金流出していたことが分かる。

10日までの累計(右:赤棒)でパッシブ・ファンドと大型のアクティブ・ファンドともに250億円以上の資金流出があった。パッシブ・ファンドもほとんどが大型株中心の運用であるため、パッシブ、アクティブ問わず、上旬は大型株ファンドの売却が大きかったといえる。

その一方で、13日以降は全体的に流入傾向であった。そのけん引役は、中小型のアクティブ・ファンド(左:緑棒)であった。

中小型株のアクティブ・ファンドは資金流入が途切れず、13日からの累計で700億円程度の資金が流入しており(右:青棒)、新設ファンド(*1)の影響を考慮しても大きかった。

パッシブ・ファンドと大型のアクティブ・ファンドについても、13日以降は流入傾向になっていたが、流入額は中小型株のアクティブ・ファンドに比べると小さかった。

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上旬では大型株のファンドが売却されたが、中旬以降は大型株のファンドが買い戻された以上に中小型株のファンドが購入されていたといえる。国内株式ファンドでは、11月中に株価上昇に伴う利益確定の売却が一巡してきたこととあわせて、投資家の中小型株選好が鮮明になったようだ。

11月は、上旬に為替が1ドル114円台まで円安が進んだが、中旬から下旬にかけては円高が進行し一時1ドル111円に迫るなど、かなり変動が大きかった。

そのため、大型株ファンドに比べて外部環境に左右されにくく、しかも銘柄選別によって市場全体を上回るパフォーマンスが期待できる中小型株のアクティブ・ファンドへ投資家はシフトしたのではないだろうか。


(*1)「いちよし ジャパン・ベンチャー・ファンド」が11月17日に88億円で設定(中小型株のアクティブに分類)

パフォーマンスも国内中小型株アクティブ・ファンドが引き続き好調

11月にパフォーマンスが良好であったファンドを見ると、上位10ファンドのうち5ファンドがベトナム株式ファンドであった【図表4】。好調な企業業績や経済指標に加え、減税案などベトナム政府の政策期待も高まったことなどから株価が上昇し、ベトナム株式ファンドのパフォーマンスが総じて良好であった。

また、国内株式の中小型株のアクティブ・ファンドも10月に引き続き好調なファンドが多かった。特に11月に高パフォーマンスだった「小型株ファンド」(4位)などのファンドは、収益率が8%を上回った【図表4】。

11月のTOPIXが1.5%の上昇であったため、それらのファンドは株式市場を大きく上回るパフォーマンスを上げていたといえる。また、11月に高パフォーマンスだったファンドは過去1年(2016年12月から2017年11月)の収益率も70%前後とTOPIX(25%)を大きく上回っていた。

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11月は「JPMザ・ジャパン(年4回決算型)」の資金流入が200億円を超えたことに象徴されるように【図表2】、国内株式の中小型株のアクティブ・ファンドが投資家から人気であった。ただ、この人気は足元の高パフォーマンスが後押ししている面もあるのかもしれない。

(ご注意)当資料のデータは信頼ある情報源から入手、加工したものですが、その正確性と完全性を保証するものではありません。当資料の内容について、将来見解を変更することもあります。当資料は情報提供が目的であり、投資信託の勧誘するものではありません。

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(2017年12月7日「研究員の眼」より転載)
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