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「年の差婚」の希望と現実:研究員の眼

2017年02月23日 15時33分 JST | 更新 2017年02月23日 15時33分 JST

~未婚化・少子化社会データ検証-データが示す「年の差」希望の叶い方~

【はじめに】

20代中盤の男性から「今はまだ、結婚はいいです。40歳くらいになったらでいいかな。」という言葉を最近、筆者は耳にした。

40歳、という設定は男性によって範囲があるものの、こういったライフデザイン感は若い男性から耳にすることは少なくはない。

一方、結婚相談所から「登録している男性がいくつであっても、若い女性を希望してきます。」というのもこれまたよく耳にする。総合してみると、男性は、ある程度年をとってからの年下女性との年の差婚をライフデザインに描いている人も少なくない、ということだろうか。

そこで本稿では、国の大規模データを分析することによって日本における結婚相手との年齢差についての男女の希望状況、ならびに最新の結婚したカップルの年齢差についての実態を明らかにすることとした。

結婚相手への年齢差の希望は実際にはどのような状況であり、またどのような結果となって叶っているのか、果たして希望と実態の間に乖離はあるのだろうかを俯瞰する。

筆者にとっては、少々驚きの現実が現れたのでご紹介してみたい。

【未婚男女にとってどの程度の年齢差がターゲットなのか】

最初に、筆者が耳にした「40歳になったら考える」「いくつになっても若い女性を希望」といった年下女性を希望する未婚男性の状況を見てみよう。

2015年に行われた国の大規模調査結果のデータ (図表1:18歳から34歳までの未婚男女を対象)では、5-6歳年下の女性を結婚相手に希望する18歳から34歳までの未婚男性は14.5%、7歳以上年下希望は8.5%で、23%の未婚男性が5歳以上年下の女性を希望している。

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5人に1人以上は年の離れた自分より若い女性を希望しているということである。

ただし、同じ年齢から2歳年下までのほぼ同じ年齢女性との結婚を希望している男性が最も多く、約6割に達している。年上女性を希望している男性が最も少なく、6.7%となっている。

次に、いくら男性側が年下女性との年の差婚を希望のライフデザインとして持ったとしても、女性側が年上男性との結婚をライフデザインとして持っていなければ叶う可能性は限りなく低くなるので、女性側の年齢差希望を見てみたい。

未婚女性からは1-2歳年上の男性が最も支持されており、約3割の女性が結婚相手として希望していることがわかる。僅差でおなじ年齢の男性が希望されており、約6割の女性がおなじ年齢から2歳年上の男性までを希望している。

このことから男女ともほぼ同じ割合の6割程度の男女がほぼおなじ年齢の相手との結婚を希望している(希望割合がマッチングしている)ことがわかる。

一方で、未婚女性の約8割が自分と同じ歳から4歳上までの男性を結婚相手として希望しているが、同じ年齢から4歳年下までの女性を希望している男性は約7割であり、未婚男性の5-6歳年下、7歳以上年下女性の希望割合が女性の希望よりも高い。

つまり、男性のほうがより若い女性を希望していることによる希望のミスマッチがある、ということもみてとれる。

ここで、未婚男性側からこのデータをみるならば、「自分よりも3-4歳程度年下の女性まで」を結婚相手としてライフデザインしている場合は、約8割の女性の希望と合致するために、マッチング率が非常に高くなってくる。また女性は5-6歳年上の男性までを結婚相手としてみるならばマッチング率が高くなる、ということが指摘できる。

ちなみに、この国のデータは18歳から34歳までの未婚女性を調査対象としているため、35歳以上を結婚相手として考える場合は、上記の指摘の例外であることを付記しておきたい。

【希望はさておき、成婚カップルの年齢差の現実は?】

しかしながら、未婚男女の結婚相手との年齢差希望がどうであれ、実際は「出会ってみたらその希望は変わるかも知れない。やはり出会ってみなければわからない。」という議論は当然ありうる。年齢差だけで決められるほど現実の結婚は安易なものではないはずである。

そこで、今度は最近(2015年)結婚したばかりの既婚者の実際の年齢差のデータを見ることにしてみよう。図表2は2015年に初婚で婚姻届を提出したカップルの年齢差についての国の大規模調査の結果である。

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図表からは、2015年に婚姻届が出された初婚カップルにおいては、

○未婚男女の年齢差希望が、男性側が同じ年齢から4歳年上までの希望で約6割であるのに対し、実際のその割合は57%であり、希望と現実の間に乖離はほぼ見られない。

○男性が7歳以上年上の結婚は11%で、男性の希望をやや上回る結果となった。

希望と現実との間に顕著な乖離が生じたのは、男女とも1割を切る最もマイナーな希望である「女性が年上」の結婚が現実では24%に達しているところである。

という結果がみてとれる。

2015年における妻が年上の「姉さん妻婚」は、未婚における女性の希望の約6倍、男性の希望の約4倍にものぼり、希望から照らしてみるとあまりに意外な「年の差婚」の実態が現れた。

【4組に1組が「姉さん妻」時代】

最後に、姉さん妻カップルの長期推移を示してみたい。初婚夫婦の年齢差において、夫が年上、妻が年上の2つのパターンの長期推移を示したものが図表3である。

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この40年間で夫が年上の伝統的パターンの結婚は約8割から約6割へと大きく減少している。

その一方で、2000年の調査以降、妻が年上の結婚が約2割へと増加し、2015年データでは24.0%とおよそ4組に1組のカップルについて、妻が年上の姉さん妻婚であることがわかる。

図表1から希望段階では「姉さん妻婚」支持者は男女ともかなりマイナーであることを考えると、やはり「結婚は実際に出会ってみなければわからない」という考えは極めて正しい議論であることが支持される結果となったといえよう。

そして、実際に出会ってみた男女の結論が希望と乖離する場合、その乖離の方向性が近年においては「実際に出会ってみたら、年上女性・年下男性が意外とよかった」という姉さん妻婚にむかっているようである。

姉さん妻婚についていま一度図表2をみてみると、古くから「1歳上の妻は金(かね)のわらじを履いてでも探せ」といわれるが、「妻が1歳年上」が最も多くなっている。

いまや「金のわらじ婚」は成婚カップルの全体の約1割を占めるようになってきている。

その次に多い姉さん妻婚は「妻が4歳以上年上」(6.5%)である。

テレビドラマ低迷時代の中でも驚異的な高視聴率を2016年末に獲得したドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」において描かれた百合と涼太カップルではないが、一般的な想像よりも年の差のある姉さん妻婚カップルが成立している様子がうかがえる。

データが示す年の差婚の現実は、夫が年上という伝統的な結婚の急激な減少、ならびに妻が年上の結婚の増加 、という、一般のやや想像を超えると思われるトレンドとなった。

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(*1) 国立社会保障・人口問題研究所(2015)「第15回出生動向基本調査(独身者調査)」

(*2) 図表3では図表の見やすさを優先し示していないが、同年齢カップルの割合も約1割から約2割へと姉さん妻婚同様に倍増している。

(2017年2月20日「研究員の眼」より転載)

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