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新聞は「紙版」、それとも「電子版」

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"主従逆転の日"が意味すること

今年1月、新聞を紙版から電子版に切り替えた。社会人になって以来40年近く、新聞を定期購読してきた私には、紙版の新聞を手放すことに抵抗がなかったわけではない。毎朝、紙面を広げると今日の社会状況が俯瞰できるような気分になるからだ。分野別の紙面取りや見出しと記事の大きさから、直感的に世の中の動きが読み取れるようにも思えた。

近年の新聞をめぐる状況は大きく変化している。日本新聞協会によると、発行部数は2014年4,536万部と2000年から約15%減少、1世帯あたりの部数も0.83部に減っている。人口千人当たりでは、570部から448部へ2割以上の減少だ。

一方、電子版の購読者数は増加傾向にあるが、日経電子版の場合でも、有料会員数は36万人で、全購読数の11.6%にとどまっている(2014年7月1日現在)。

電子版には数々のメリットがある。まず新聞を取りに行かなくてすむこと、そして記事検索や気になる記事の保存が容易なこと、いつでもどこでも読めること、文字を拡大できること、新聞紙の廃棄が不要なこと等がある。

ちなみに、日本製紙連合会の資料によると、新聞用紙は年間325万トン消費されており、印刷・情報用紙との合計の約4分の1を占める。新聞用紙のリサイクル率は非常に高いが、これだけの大量消費とそれに伴う物流エネルギーの削減は環境的にも極めて重要と思われる。

今後、電子版の普及には紙版との関係がポイントだろう。現在の新聞各社の電子版の位置づけは、紙版を補完するものから単独のものまで様々だ。

日経電子版の場合、毎月の新聞購読料にプラス1,000円で電子版の有料会員になれる。最初は私もその料金設定から、電子版は紙版の付随的な位置づけのように思っていたが、実際に電子版を購読してみると全くそうではないことが分かった。

電子版は記事を読むだけでなく、それを検索、保存、印刷、通知、共有できるなど、知的生産活動を効果的に支援するツールだと言っても過言ではない。定時に記事が掲載される紙版の隙間を埋めるために速報性の記事を配信してきた従来の電子新聞とは全く別物である。

昨年、日経電子版は電子版単独の購読者率が有料会員の5割を超え、紙版から独立した媒体として認知されつつあるようだ。

ニューヨークタイムズでは、すでに電子版が全体の7割近くを占めているという。今後、日本でも電子版の機能性、利便性、操作性等の向上により紙版と電子版の主従が逆転する日が近々くるだろう。

それは単にパソコンやタブレット、スマホなどの新聞を読む手段の変化ではなく、従来の新聞の概念を超えた新たなソーシャルメディアの誕生を意味するのではないだろうか。

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(2015年1月13日「研究員の眼」より転載)
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土堤内 昭雄

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