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プレミアムフライデーと働き方改革:エコノミストの眼

2017年03月02日 01時02分 JST | 更新 2017年03月02日 01時02分 JST

1――プレミアムフライデー始まる

月末の金曜日の退社時刻を午後3時に繰り上げる「プレミアムフライデー」が、2月24日(金)から始まった。

経済産業省は、プレミアムフライデーを定着させることで、買物や家族との外食、観光などのための時間を生み出し、コミュニティ機能強化や一体感の醸成、デフレ的傾向を変えるきっかけとなるといった効果が期待でき、働き方改革などライフスタイルの変革も同時に進められるとしている。

飲食店は普段よりも早めに開店したり、百貨店では様々なイベントを企画したりするなど、新しい試みを盛り上げようと工夫を凝らしたこともあって、都市部のスーパーや飲食店での消費拡大に一定の効果があったという報道がある。

一方で、給与の支給後で懐が温かい月末を狙って設定されたようだが、業務が集中する時期なので取引先への対応を心配して様子見を決めこんだ企業もあったそうだ。

2016年末に「プレミアムフライデー推進協議会」が官民連携して設立され2月から実施というスピードに、対応が間に合わなかった企業もあったようだ。今後対応が進んで多くの企業が参加するようになれば取引相手への対応といった問題も少なくなっていくだろうが、定着するにはもう少し時間がかかりそうだ。

2――日本は祝日数が多い

働き過ぎが問題になる日本だが、国が定めている祝日は16あり、先進国中では最多だそうだ。さらに祝日に挟まれた平日も法律で休日となるため、意外に国全体が休みという日は多い。

参考:「祝日過多社会」の警鐘

2016年から8月11日が「山の日」となったため、祝日がないのは6月だけだ。米国では国全体の祝日は10しかなく、各州ごとの祝日があるものを加えても日本よりもかなり少ない。

プレミアムフライデーへの参加でハードルとして上げられた、他の人たちが働いている時に自分だけが休むと業務が滞るという心配は、有給休暇の取得が進まない大きな理由だ。日本で祝日が多くなったのは、有休取得が進まないという状況が生み出した現象だともいえるだろう。

全員が一斉に働き一斉に休むというやり方は、非常に効率が良いように見えるが、一方で、年末年始やゴールデンウイーク、お盆などに列車や飛行機、ホテルや旅館などの利用が集中するという弊害も生む。

連休の観光地はどこも超満員で、旅行代金も普段よりもかなり割高になってしまう。朝晩の通勤ラッシュを緩和するために長年時差通勤・通学を呼びかけているにも関わらず、分散が一向に進まないというのも同じ現象だ。

旅行や通勤のピーク時に合わせた設備投資が必要になるものの、それ以外の時期は利用度が極端に低くなってしまうので、企業は採算が非常に悪いという非効率を産んでいる。

3――求められる働き方改革とは

欧米の会社では、しばしば社員に一定期間強制的に休暇を取得させ、その間他の人が業務を行うことで不正を防止するということが行われる。慣れない人が業務を代行しなくてはならないというのは非効率な話だと思っていたが、副産物として担当者が不在でも業務ができるという効用もあるのだそうだ。

少子高齢化のために若年の労働力は急速に減少しており、60歳以上の高年齢層や子供や介護の世話をしながら働く人も増えている。様々な考え方や生活の事情から多様な働き方を求める人達が働く時代がやってきた。

一つの仕事を本来の担当者が不在で他の人が代行しなくてはならないということも多くなるだろう。そもそも、一つの業務を複数の人が分担や交代で行なうということも増えていくに違いない。

現在の企業内部の働き方は、雇用者の大多数が転勤や残業を厭わない正社員だという時代に形作られた部分が多く、大きな変革を迫られている。

労働時間の短縮だけでなく、隔日出勤や午前、午後のみの勤務など、もっと柔軟な働き方を求める人達をうまく取り入れていかなければ、これからの企業は生き残りが難しいだろう。

担当者が不在で対応できないということでは商機を逃してしまう。

仕事の効率を高めて残業を削減し、労働時間を短縮するということが働き方改革の大きなテーマになっているが、担当者がいなくてもその時オフィスにいる人達で対応できるようにするにはどうすれば良いのかということも、働き方改革で企業が考えるべき大きな課題なのではないだろうか。

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(2017年2月27日「エコノミストの眼」より転載)

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経済研究部 専務理事 エフゼクティブ・フェロー

櫨(はじ) 浩一