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人口減少時代の「行政サービス」-「税金の払いがいのある街」へ:研究員の眼

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日本は少子高齢化・人口減少という大きな人口構造変化のなかにある。2016年は約33万人の人口が減った。国立社会保障・人口問題研究所の平成29年推計によれば、50年後の日本の総人口は現在より3,900万人減少するが、減少人口の約8割は生産年齢人口で占められている。

日本の人口減少は現在と相似形の人口減ではなく、生産年齢人口の大規模な縮小を伴う構造変化であることがわかる。

人口構造変化はわれわれの日常生活に深く関わる「行政サービス」のあり方にも大きな影響を与える。住民の高齢化が進み、年金生活者が増え、担税力のある住民が減り、税収が減少する一方、高齢者の社会保障支出が増加し、地域の退職住民などの行政サービス需要の増加が見込まれるからだ。

総務省の『平成28年版 地方財政白書』をみると、地方自治体の経常収支比率(*1)は過去11年間連続で90%を超え、社会経済や行政需要の変化に対応する弾力性を失い、厳しい状況になることが懸念される。

この状況を打開するためには、自治体間の広域連携や適切な受益者負担を求め、住民のニーズとのミスマッチを解消するなど、行政サービスの効率化と適正化を図ることが重要だ。

また、住民を既存の行政サービスの「担い手」としても位置づけ、すべてのサービスを「公助」に頼るのではなく、地域の退職者などを活用した「地域力」に基づく「共助」を拡大することが必要だろう。

行政サービスの原資となる税金は、「取られる」と表現されることが多い。それは多くの勤め人が、税金を源泉徴収されるために能動的に税金を納めるという意識が薄いからではないか。

行政サービスに対する住民満足度を向上させるためには、市政参加を通じて住民自身が税金の使い道に意思表示をするなど、「税金を納める」という意識の醸成が重要だろう。

近年、税収を確保するひとつの手段として「ふるさと納税」が活用されている。返礼品の受け取りを目的とする人も多いが、平成27年の寄附金税額控除の適用者数は130万人、寄附金額は1,471億円に上る。

欧米では寄付行為が「選択納税」と言われるように、寄付先を選べる自治体も多い「ふるさと納税」は、納税者が使途を選択できる一種の選択納税制度なのである。

今後、人口減少時代に持続可能な行政サービスを提供するには、「取られる税金」から「納める税金」へ住民の意識転換が必要だ。

行政の意思決定のプロセスに住民が参加し、税金の使途を「可視化」することが、地域アイデンティティを高め、住民の定着や若い世代を呼び込む人口減少対策になるだろう。住民が選ぶ「住みたい街」とは、『税金の払いがいのある街』のことではないだろうか。

(*1) 人件費や公債費等の毎年支出が必要になる義務的経費が一般財源等に占める割合。

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(2017年6月27日「研究員の眼」より転載)
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社会研究部 主任研究員
土堤内 昭雄